あ、やっと来てくれましたね。

遅いですよ、もー。

呼び出された理由、もう分かってますよね？

ふふっ…それでは地面に這いつくばってください。

(組み伏せる)

あぁ、地面とキスしちゃダメですよ？

その可愛い唇はわたしのためにとっておいてください。

今日のはまだ許される範囲内のはず？

何寝ぼけたこと言ってるんですか？

妹ちゃんに色目を使い、姉さんにはあんなに甘えてたじゃないですか。

わたしにはどこか一線引いた態度で接してくるのに…ずるいです。

いいですか？君の彼女はわたしなんですよ？

それなのに、彼女のわたしより妹ちゃんや姉さんに心を開いたような態度を取るなんて、どういう了見ですか？

あの二人と接するいつもの態度だから気にしないでって…

ふーん…とてもわたしにはそうは見えませんでしたが。

ま、今のところ仲良さげにしていること以外はしていないみたいですし、とりあえずはよしとしましょうか。

君を組み伏せるのはこれくらいにして…

さ、立ってください。これからお稽古の時間です。

なんのお稽古だって…決まっています。

君の一番が誰かをその身に叩き込むお稽古です。

さ、構えて。いきますよ……

(チンピラ乱入)

はぁ…なんですか、あなたたちは？

へー…そこの冴えない男なんかより俺たちとお茶しない？ですか…

わたしから見れば、あなたたちの方がよっぽど冴えない男に見えますけど。

いえ、本当のことを言ったまでです。

というか、わたしと彼との大切な時間を邪魔しないでください。はっ倒しますよ？

いいえ。なめているのはそちらの方です。

女の子をお茶に誘うなら、まずはその下卑た声の出し方と薄汚れた顔面と、あとはその腐った性格を直してからにすることをおすすめします。

ｳﾙｻｲ、ｺﾞﾐﾄﾞﾓｶﾞ…

いいえ、なんでもありません。

口で言って分からないというのであれば、身体に分からせるしかありませんね。

先に手を出してきたのはそちらですし、何より…

わたしの大切な彼を侮辱した罪は重いですから。

覚悟してくださいね？



こけおどしもいいところですね。

大の男どもが揃いも揃って、あんな腑抜けだったなんて…

え？天才剣士様が強すぎるだけって…

ふふ、何言ってるんですか。

あんな連中、君一人でもどうにかなりますよ。

それより、すみません。

あんな連中のために君との大切な時間を削ってしまって…

え？それより俺は君のために何ができるのか、ですか？

うーん…まずは姉さんや妹ちゃんより、彼女であるわたしを優先してください。

具体的には、そうですね…

朝起きたら、まずわたしの家の道場に寄る。

あ、間違っても妹ちゃんや姉さんではなく、わたしの部屋に来てください。

君が寝坊したら、わたしの方から伺いますので。

…あ、けどやっぱりダメですね。

わたしが君のお家に伺います。

だってそうじゃないですか。

君が家に来たら、姉さんと妹ちゃんに先に会ってしまう可能性がありますので。

で、お昼は必ずわたしと一緒にとること。

これは当然ですよね？恋人同士なんですから。

お昼過ぎから夕方にかけては、一緒に剣の修行をするからいいとして…

夜はご自分の寝室でお待ちください。

わたしの方から伺いますので。

それはだめです。

君がわたしのところに来てしまったら、例のごとく、姉さんと妹ちゃんに遭遇する可能性があるじゃないですか。

え？万が一、姉さんか妹ちゃん、どちらかが俺の家に来たらどうするんだって…

ふふふ…あははっ！

ふふふ…それ、わたしの口から言わせるんですか？

はい、分かっているなら結構です。

あまりわたしを嫉妬させないでくださいね？

じゃないとわたし…壊れてしまうかもしれませんから。

うふふふふ…あははははっ！

・台本（ゆるボイ！）
天才剣士(次女)がもしも壊れかけの超束縛彼女だったら
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎