あなたはとある貴族に仕える使用人、あなたがお世話するお嬢様はいつもわがままで人使いが荒く、あなたは不満が溜まっていた。
そんなある日、またいつものようにわがままを言われ、お嬢様の部屋で掃除しながらもため息をつくあなただったが、彼女の机の上に置いてあったある物を見つけてしまい、あなたは……

扉をノックする音)

……あら、随分と遅かったじゃない。ディナーの用意は出来たのかしら？

そう、やっとできたのね

しかし、遅すぎるわよあなた。何度も言ってるけど、要領良く仕事をしなさい

たかが30連勤で根を上げてるようじゃ、高貴な貴族である私の使用人には相応しくないのよ

何よ、そのやる気の無い返事は！言っとくけどね、たかが使用人であるあなたに私は多額の給与を払ってるのよ？

豪華絢爛な屋敷で寝泊まりし、温かい食事に、キチンとした睡眠、そして私ほどの貴族に仕えることができるのよ？

その辺の庶民とさして変わらない身分のあなたに分不相応よ

それに……職を追われて、街で野垂れ死にするはずだったあなたに手を差し伸べたのは誰？

そう私よ、ならあなたはこの私に全てを差し出すのは当然じゃないかしら？

…まぁいいわ……ディナーが冷めてしまってはいけないしね

あなた……何を突っ立ってるの？

え？じゃないわよ。あなたは使用人でしょ？さっさと私の手を引いて、案内しなさい

ほら、さっさとしなさい！……全く、本当に鈍いわね

そう、それでいいの。しっかりと手を握って、私の手を温めるのよ

ーーーーーーーーー

……ねぇあなた、この食事はどういうことかしら？

言ってる意味が分からないのかしら？……じゃあ、どうしようもなく鈍いあなたに教えてあげる

……このテーブルの上には私が毎晩必ず食べるスイーツが無いのだけれど

…材料が売り切れてて作れなかった？…それが何か関係ある？

何か弁明はあるのかしら？

そうよね、無いわよね。これは大問題よ。貴族たる私を不快にさせたもの、あなたみはそれ相応にふさわしい罰が必要ね

ふふふ…そうね、何が良いかしら…じゃあまず私に跪きなさい

そして私の脚を舐めて、こう言うのよ

『申し訳ありませんお嬢様、私は愚鈍でタダ飯食いのどうしようもない使用人です』ってね

それができれば許してあげなくもないわよ…って、何よその顔は？

何か不満でもあるのかしら？たかが使用人の癖に…

え、今…なんて言ったの？

…使用人を辞める？…ば、バカ言うんじゃないわよ！あなた、ここをやめたらどうやって生きていくつもりよ！

あ、あなたみたいな人をね、雇ってくれるような物好きが私以外にいるのかしら！？

…え、もう働き口は見つけてますって、どう言う事…？そ、そんなの今初めて聞いたわよ！ちゃ、ちゃんと説明しなさい！

一枚の紙を差し出す)

…これは何？

見れば分かりますって……

え…これって…ど、どこでこれを…

テーブルを叩く)

ヒッ！ごめんなさい！ごめんなさい！

胸ぐらを掴む)

ウッ…わ、わかりました！ぜんぶ…全部話します

…あ、あなたが職を追われることになったのは．私が原因なんです…

い、以前にあなたが働いていた所を見たんです。…一目惚れだったんです…生まれて初めて…お付き合いしたいと思ったんです！

でも…私とあなたは身分の違いがあるし、それに…あなたには意中の相手がいて…

ど、どうしてもあなたが欲しかった…！だから、お父様に頼んで圧力をかけて、あなたを辞めさせて…それに意中の相手との関係も壊したんです…

テーブルを叩く)

ヒッ！ごめんなさい！ごめんなさい！わ、分かってるんです！私がやった事がいかに最低な事か分かってるんです！でも…でも！あなたが好きだから……ごめんなさい…

い、いや！出ていかないで！あなたがいなきゃ嫌なの！ごめんなさい…ごめんなさい…

私なんでもするから…！それが償いになるかは分からないけど…私、あなたが望む事なんでもするし…あ、あなたの命令なら今ここで…死んだって…

え、もういいって…ど、どう言う事？

…え、私の本心が知りたかった？…じゃ、じゃあ…何処にも行かない？私の元から離れないの？

あ、ありがとうございます！わ、私あなたの為なら何でもします！あ、後、もう使用人なんかじゃなくて…私の婚約者になってください！

は、はい！そうです！い、一緒に料理もするし、掃除もするし、買い物も行きたいです！それと…一緒にベッドで寝たいです…

ありがとうございます…これからも、よろしくお願いします…『あなた』

・台本（ゆるボイ！）
この人使いの荒いお嬢様に分からせを！
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゆぅ