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鬼の少女は己を救ってくれた貴方を守りたい
written by 松平蒼太郎
  • 告白
  • ファンタジー
  • シリアス
  • 拘束
  • 少女
  • ヤンデレ
  • 人外 / モンスター
  • 使い魔
  • 監禁
  • 依存
  • 監禁
  • 添い寝
公開日2021年12月10日 07:23 更新日2021年12月10日 07:28
文字数
2679文字(約 8分56秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
人間
場所
某所
本編
〜出会い編〜

誰?貴方?こんなところに何の用?

そう…雨宿りに…

たしかに外、雨すごいもんね。

わたし?わたしは……鬼だよ。

そう。人が恐れる怖い鬼。

恐れられてるからここに幽閉されてる。

人?食べたことない。襲ったこともない。

けど人からしたらそんなの関係ない。

わたしが鬼だということが問題…らしい。

彼らの言い分はわたしがいずれ人を襲い、食らうかもしれないから…だって。

…貴方は怖くないの?

そう…変わってるんだ、貴方。

隣?別にいいけど……

鬼の隣によく平気で座れるね。

ふつうの可愛い女の子にしか見えないって…

…そんなこと初めて言われた。

たしかに性別は女だけど…

その前に鬼だよ?わたしは。

ふーん…鬼を恐れないなんて、やっぱり貴方は変わってる。

え?ここから出る気はないかって…どうして?

自由にしてみたいこと、か……

そんなの考えたこともなかった…

けど無理。わたしはここに封印されてるから。

この封印を解かない限り、わたしはここから出られない。

そう、このお札。

これがわたしをこの境内の中に縛り付けてる。

強力な呪符だから、そう簡単には壊せなi……っ⁉︎

え、なんでそんな簡単に…⁉︎

呪術も少しかじってたからって…貴方、何者?

え、ちょ!……寝ちゃった。疲れてたのかな…

けど鬼の膝を借りて眠るなんて、豪胆すぎる…

封印、ちゃんと解けてる…

わたし、ここから出られるんだ…

けど出られるからって…これから何すればいいんだろう…

わたしがどうすべきか…貴方が教えてくれるの?



〜告白編〜

こっちは片付いたよ。そっちは?

そっか。じゃあこれで終わりだね。妖怪退治。

今日は報酬ががっぽり入るからご馳走だって…ホント?

じゃあわたし、鍋がいい。あっつあつのお鍋。

うん、楽しみ。

最近麦ご飯ばっかだったし、白米も欲しい。

むー…いいじゃん。

報酬、がっぽり入るんでしょ?

だったらたまには贅沢しても。

ホントは貴方も白米、食べたいくせに。

ふふっ、図星だ。相変わらず分かりやすい。

あ、待ってよ!わたしも行く!



ねぇ、起きてる?

…寝付くの早い。

たまには寝床でゆっくりお話ししたいのに…

可愛い寝顔……ツンツン…

起きない…爆睡してる。

貴方に拾われてどれくらい経つのかな…

まさか鬼(わたし)を使い魔にするなんて…

妖怪退治を専門にしてるだけあって、怖いもの知らずっていうかなんていうか…

ねぇ…わたし、貴方に拾われてから何もかも変わったよ。

貴方はわたしを使い魔として扱いながらも、一人の女の子として見てくれた。

それがどれだけ嬉しかったか…

貴方にはきっと分からない。

こんなこと、寝てる間に言うのは卑怯かもしれないけど…

ありがとう。わたしは間違いなく貴方に救われた。

人に恐れられるしかなかったわたしに、生きる意味を与えてくれた。

これからも貴方とともに生きていきたい。

貴方のそばで、ずっと…




〜救済編〜

ねぇ、大丈夫⁉︎しっかりして!

なんで…なんでわたしを庇ったの⁉︎

たしかに強い攻撃だったけど…

貴方がくらうより、わたしがくらった方がよかった…!

わたしは鬼だから、傷を負っても人より治りは早い!

なのに、どうして…!

理屈じゃないって…どういうこと?

身体が勝手に動いたって…

何それ、意味わかんない…

待ってて。すぐ傷は塞ぐ…!

血、止まんないよ…どうして…

やだ…やだやだ!貴方を見捨てるなんてできない!

貴方がいなくなったらわたし、どうすればいいの…⁉︎

自由に生きろって…今さら無理だよ。

わたしの居場所は貴方のところしかない。

人から忌み嫌われる鬼のわたしを受け入れてくれたのは、貴方だけだから…!

やめて…今から死ぬみたいなこと言わないで!

あっ…そうだ、この方法なら…!

ねぇ…一つだけ助けられるかもしれない方法があった。

聞いたことがある。

人が鬼の血を飲めば鬼になれるって。

鬼になれば、傷の治りも早くなるから助かるかもしれない…!

え…俺は人として死にたいから、その方法はいいって…

な、なんで…?死ぬのが怖くないの?

まだ生きられる可能性があるんだよ?

そりゃ、多少の危険は伴うかもしれないけど…

やだ…絶対やだ!!!

ずるいよ、そんなの…!

自分だけ勝手に満足して、勝手に死んでいくなんて…!

一人残されるわたしの気持ち、少しも考えてない!

貴方は絶対に死なせない…!

貴方にはこれからも、わたしと一緒に生きてもらう…!

たとえ貴方が人でなくなってもいい!

貴方が貴方でいてくれるなら、それで…!

何する気だって……お口、開けて。

しっかり飲み込んでね。

(口移し)

わたしの血、ゴックンできた?

身体が熱い?

……っ、頑張って!拒絶反応なんかに負けないで!

あっ……やった、成功だ…!

一本角に、鋭い牙と爪…

傷も塞がっていく…!

よかった…無事、鬼になれたんだ…!

がっ…!な、何するの…?

え……正気を失ってる…⁉︎なんで…⁉︎

ねぇ!わたしだよ!分からないの⁉︎

やめて…やめてよ…

そんな貴方を見たくて鬼にしたんじゃない…!

止めなきゃ…わたしが…

今度はわたしが貴方を救う番…!

待ってて…ぶん殴ってでも止めてみせるから…!



〜監禁編〜

あ……よかった、気がついた?

大丈夫?わたしのこと、わかる?

俺はどうなったんだって…

貴方はわたしが鬼にした。

無理やりわたしの血を飲ませて。

けどその直後、貴方は暴走した。

うん…わたしに襲いかかった。

ううん、もう大丈夫!

わたしがなんとかして止めたから!安心して!

え…それでなんで拘束されてるのかって…

…分かったんだ。

貴方をわたしのそばに確実に置いておく方法。

貴方をこうして動けなくすればいいんだって。

大丈夫、貴方のお世話はわたしが全部するから。

無駄だよ。鬼の力でも破れないように、強力な封印を施してあるから。

そう…かつてわたしが人に施されていた封印。

貴方がわたしを解放するために破ったものと全く同じものだよ。

長年封印されてたから、術式がどういうものかは覚えてた。

あとは貴方から教えてもらった呪術の知識を使って、こうして完成させたというわけ。

ダメ。貴方をここから出すわけにはいかない。

貴方はきっとまた同じことを繰り返す。

言ってたでしょ?

理屈じゃなく、身体が勝手に動いたって。

それって、貴方の身体が考えるよりも先に、わたしを守る為に勝手に動いたってことでしょ?

だったらこうするしかない。

これは貴方を死なせないための措置だよ。わかって。

もう鬼の身体になったから大丈夫って…

それもダメ。

鬼になったってことは、人から忌み嫌われるってこと。

つまり、貴方は退治される側にまわったんだよ。

きっと今の貴方を見れば、人は問答無用で襲いかかってくる。

けど、そうはさせない。

貴方のことはわたしが守る。

貴方には、わたしとずっと一緒に生きてもらいたいから。

貴方がわたしの居場所になってくれたように、今度はわたしが貴方の居場所になる。

(ハグ)

貴方の命、わたしに預けて?

貴方が求めるならわたし、なんだってするよ?

ずっと一緒にいよう…ずっと一緒に、ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
鬼の少女は己を救ってくれた貴方を守りたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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