(インターホン)

せんぱーい？いるー？

返事なしかー……あっ、開いてる。

お邪魔しまーす…先輩、どこー？

あっ、いた。どもっす、先輩。

傷心中かー…はぁ…

先輩さー、いつまでそんなウジウジしてるわけ？

いや、まぁ分かるよ？先輩が傷心してる理由。

シュート、入んないからでしょ？

やっぱり……けどだから何？

そんなん、また練習して入れれるようにすればいいだけじゃん。

一回レギュラー落とされたからって、そんな落ち込む？

お前には分からないって……ダッサ。

今の先輩、マジでダサいよ。

そーやって落ち込んでたら、シュート入るようになる？なんないでしょ。

うっさい。ぐちぐち言う暇あるなら、さっさと行動したら？

先輩がいつまでもそんなんだったらあたし、マジで先輩のこと見損なうから。

つか、もう失望しかかってんだけど。

…あたしの知ってる先輩は、こんくらいのことじゃめげない。

どんだけ負けて悔しい思いしても、その度に立ち上がってきたじゃん…！

ちょっとシュート入らなくなったぐらいでへこむな、バカ！

さっさとコートに立って、シュートくらい決めてこい！

…なに？愚痴ならお姉さんに電話で言えば？

あたしは聞かないけど。

…！ちょっとはやる気になった？

いいよ、付き合ってあげる。

ちょうどヒマだったし。

ま、今の先輩と1on1(ワンオンワン)やっても勝てる自信しかないけど。

ふふっ、そうこなくっちゃ。

じゃ、そこのバスケゴールある公園でサクッとやりますかー。



ナイシュー、先輩。やりゃできんじゃん。

あと、レギュラー復帰もおめでとさん。

ほい、スポドリ。

可愛い後輩ちゃんからの奢り。

ありがたく飲んどいて。

ん？お礼？じゃ、あたしと付き合って。

は？じゃないでしょ、先輩。

言っとくけど、「買い物に付き合って」とかじゃないからね。

全く意味わからんって…

仕方ないなー、察しの悪い先輩のために分かりやすく言ってあげる。

あたし、前から先輩のことが好きでした。

あたしと付き合ってください……これでオケ？

理由？それは先輩が付き合うこと了承したら言う。

順序が逆だろって…逆じゃねーし。

いいから答えて。はいかイエスで。

は？拒否権？そんなもん、最初からねーから。

先輩があたしの言葉で奮起したら、告るって決めてたし、拒否らせるつもりもなかった。

…まぁ強いて言うなら、バスケしてる先輩がアホみたいにカッコよかったから、かな。

だから落ち込んで学校にも来なかったときは、ガチで失望しかけた。

先輩なら絶対、諦めないって信じてたのに…ってあの時は思った。

ま、最終的にはあたしの口車に乗せられて、こうしてバスケしてくれるようになったし、結果オーライってことで。

…別に照れてねーから。勘違いすんな。

てか、早く返事。

あたし、そんな気長くないから。

(ハグされる)

…先輩さ、仮にも公共の場でこんなことして恥ずかしくないわけ？

道連れ…あっそ、ご自由に。

じゃ、今この瞬間から先輩はあたしのモンってことで。

…っ！くっさ…！

先輩…そのセリフ、マジでクサイよ。

…今の、他の女子に言ったら極刑に処すから。

はいはい…とりあえず腹減ったし、飯食いに行こ。

…って、手離すな、バカ。

あたしら、カレカノでしょーが。

ん…じゃあエスコートよろ……へへっ♪

・台本（ゆるボイ！）
ちょっと口の悪い後輩に励ましてもらって頑張ったら、なぜか告られた
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・台本制作者
松平蒼太郎