後輩くん…少しいい？

うん…ありがとう。

ちょっとだけ用事あるから、ついてきてほしいな。



えっと、今日は後輩くんに謝りたくて…

もう言わなくても分かるよね？

だってわたし…人を襲って逮捕されかかったところを、後輩くんに逃してもらったから。

そ、それはそうだけど、でも…

たしかに国から支給されてる人工血液だけじゃ足りないけど…

でもそれはわたしがさっさと眷属を持って、栄養源を確保すればいいだけの話であって…

仕方ない、か…後輩くんはそう言ってくれるんだ。優しいね。

うん、襲ってきたのは向こうからだけど…

けど血を吸うのは過剰防衛みたいな感じだし、それはわたしがやり過ぎたっていうか…

それで後輩くんに迷惑かけちゃって…！

ううん、迷惑どころじゃない。

警察に追われる羽目になって、後輩くんの人生台無しにして…！わたし…！

え…？でも結局、わたしを庇いさえしなければ後輩くんも追われることなんてなかった…！

それに捕まったら、後輩くんは…

え、捕まらない自信があるって…

そりゃ、後輩くんが忍びだってことは知ってるけど…

国から追われてるんだよ？

いくら後輩くんが忍びでも、限度があるでしょ…？

な、なんでそこまで言い切れるの…？

こんなわたしを尊敬して、守るだなんて…

…ッ、後輩くんっ！

(押し倒す)

ご、ごめん…なんか身体が勝手に…

え…でも！本気で吸血したら後輩くんは、わたしの眷属になっちゃうんだよ…⁉︎

そっか…後輩くんは本気、なんだね…

先輩の刃(やいば)になる、かぁ…

ふふっ…それって忍びと書いて刃の心、だからでしょ？

ありがと、後輩くん。

わたし、後輩くんのこと好きだよ。

うん。わたしなんかのためにここまでしてくれる人を、好きにならないわけないよ。

(キス)

これがわたしの、後輩くんへの気持ち。

わたしも後輩くんの気持ち、聴きたいな…

ふふっ…ありがとね。なんか言わせちゃった感あるけど。

こちらこそ、ダメダメで頼りない先輩だけど…

これから末永くよろしくね……いただきます。

・台本（ゆるボイ！）
吸血鬼の先輩と忍びの後輩(先輩視点)
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎