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手厳しい部下の女軍人に説教されつつ、耳かきしてもらった
written by 松平蒼太郎
  • 耳かき
  • 部下
  • 軍人
  • ASMR
  • 敬語
  • 説教
  • ツンデレ
公開日2022年03月27日 19:57 更新日2022年03月27日 19:57
文字数
2012文字(約 6分43秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
大将
視聴者役柄
元帥
場所
某所
本編
(ドアを開ける)

失礼します!元帥、少しお話が!

どうしたもこうしたもありません!

また一般兵に混じって最前線に出てたしょう!

証拠⁉︎ これでどうですか⁉︎

(写真を机に叩きつける)

戦場の記者が撮影したものです!

これ、どう見ても元帥でしょう⁉︎

はぁ⁉︎ 影武者⁉︎

みっともない言い訳はやめてください!

最前線にご自分の影武者を出す必要がどこにあるんですか!なんの合理性もないでしょう!

ぐぐっ…この、ああ言えばこう言う…!

(咳払い)

ですが元帥…?証拠はこちらにあるんですよ?

これを皇帝陛下に見せれば、どのような反応をなさるのでしょうねぇ…?

いいえ?脅してなんていません。えぇ、これっぽっちも。

今度は耳が聞こえないフリ、ですか…

まだまだお若いのに、耳が遠くなったなんて戯れ言、通用しませんよ?

それともなんです?耳クs…耳垢が詰まりすぎて聞こえないとでも言うつもりですか?

いいえ。耳クソなどという、はしたない言葉を帝国軍人たるわたしが使うわけないでしょう。

む……耳かき、ですか。それをわたしにしろと?

いいでしょう。元帥のお耳の汚れを根こそぎ取って差し上げます。

耳が聞こえにくいなどという言い訳は、今後一切させませんから。

では、そこのソファーに寝転がってください。

あ、元帥。この部屋に枕か何か、寝転がって頭に乗せるものはありますか?

へ?わ、わたしの膝ですか?

…セクハラで軍法会議にかけられたいのですか?いい度胸ですね、元帥…

(ため息)

冗談です。膝くらい貸してあげます。ほら、どうぞ。

(膝に寝転がられる)

ひゃっ……な、何ですか?何も言ってませんが…

げ、元帥の気のせいでしょう!そんな気色悪い悲鳴あげてませんから!

元帥…?あまり調子に乗ってると、わたし、耳かきの最中にうっかり手が滑って元帥の鼓膜を突き破るかもしれません…

(ため息)

本当、貴方はお調子者なんですから…

ほら、もう始めますよ。じっとしていてください。

(耳かき)

うーん…めちゃくちゃ汚れてますね。

たしかにこれは、人の話が聞こえにくくなるのも無理ないかもしれません。全部取り除いてあげないと…

…元帥?どうされました?いきなり神妙な顔して…

へっ、へぁっ⁉︎ それ、どういう…⁉︎

あっ、す、すみません!手が滑って…!

や、ホントにワザとじゃないです!信じてください!

ていうか、元帥がいきなり変なこと言うからじゃないですか!

わ、わたしのことを綺麗だ、なんて…

こんな色気のない軍人を褒めたって、何にも出ませんよ…

…いえ、元帥。それは違います。

わたしは自ら進んで軍人の道を選びました。他ならぬ祖国を守るために。

わたしがこうして軍人としてやっていけているのも、元帥のおかげです。

はい。貴方がわたしの意志を尊重して、直々に鍛え上げてくれましたから。

わたしは女である前に軍人です。くれぐれもお忘れなきよう。

はい。分かってくだされば結構です。

…そろそろ反対のお耳、よろしいですか?

はい。では体の向きを変えてください。

ひぅっ…あ、い、今のは違います!ちょっとくすぐったかっただけで…!

げ、元帥〜!ホントに鼓膜、突き破りますよ⁉︎

もぅ…すぐ人のこと、からかうんですから…

(咳払い)

それでは、改めて始めさせていただきますね。

(耳かき)

こちらも中々汚れてますね。しっかり取り除かないと…

…そうだ。先ほどの話の続きですが…

いえ、そっちではなく、もっと前の話です。

とぼけないでください。貴方が最前線に出ていた話です。

なぜいつも同じような無茶をなさるのですか…?

貴方はこの国の軍団を束ねる最高位の元帥という立場なんですよ?

いわば、貴方はこの国の重鎮。軽率な真似はくれぐれも控えてください。

そ、それは…ですが、それは元帥でなくてもよいでしょう!それこそ大将や中将クラスでいいはずです!

いくら低下した士気を上げるためとはいえ、無茶が過ぎます…!自重してください…!

それに貴方が死んだら、わたし……

…いえ、何でもありません。少し取り乱しました。申し訳ありません。

はい、何でしょう?

…元帥、それはいわゆる死亡フラグというやつです。

あまり軽々しく口に出されない方がよろしいかと。

もぅ…貴方は昔から人の心を掻き乱すのが上手いんですから…

でもそんな貴方に鍛えられたから、わたしは今日まで戦場で死ぬことなく、こうして生きています。

はい。貴方のおかげですよ、元帥。

これでも本気で感謝してるんですから…

元帥?……ね、寝るのが早いですね…

お疲れだったのかもしれませんね。

耳かきはこれで終わりますけど、よろしいですか?

…って、答えるわけないか。

…寝たふりとかしてません、よね?

今から言うのは独り言ですので、狸寝入りしていたとしても聞き流してくださいね。

先ほどわたしは女である前に軍人であると言いましたが…

貴方が女としてのわたしを認めてくれたこと、とても嬉しかったです。

わたしも、その…軍人としてだけではなく、一人の男性として貴方をそ、尊敬していますから…

ですので、貴方にはもっと生きて、国のために尽くしてもらわねばなりません。

わたしより先に戦場で死ぬなんてこと、絶対に許しませんからね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
手厳しい部下の女軍人に説教されつつ、耳かきしてもらった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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