家事が壊滅的にできないとある青年は、知り合いの女子高生(友達の妹)に日給3万円という破格の条件でアルバイトとして身の回りの世話を頼むが、彼女がバイトを引き受けたのにはちょっとした理由があって…？

(ノックしてからドアを開けて入ってくる)

ちーっす、お兄さん。

遊びに…じゃなかった、バイトしに来たよ。

そそ。JK家政婦ちゃんが、だらしないお兄さんのお世話しにきましたー。

うわ、きったねー。相変わらず掃除できてねーじゃん。

てか、ゴミも捨ててないし…やば、くっさ！臭いキツ！

やー、ダメだね。彼女作っても家呼んだら速攻逃げられるわ、これ。

あー、下着も床に出しっぱなし…うわ、洗濯物どんだけ溜まってんの⁉︎ ありえねー！

しゃーない…一人じゃ何もできないお兄さんに代わって、ガンガン片付けてやりますか！

あ、そうだ、さっそく洗濯機回さなきゃ！…はい、ポチッと！

(洗濯機稼働)

じゃあまずはゴミ捨てから！要らんもんガンガン捨てていくからね！




〜〜部屋のゴミを捨てながら〜〜

お兄さーん、これ要る？要らないよね？じゃ、ポイーっと。

えー？いいじゃん、こんなの。どう見てもガラクタでしょ？

あー、これも…要らん要らん！捨てちゃえ！はい、ドーン！

もー、うっさい！お兄さんはそこで逆立ちでもしながら見てて！

は？逆立ちが無理なら正座でいいから！一々、口出ししない！はい、これも捨てる！

てかさぁ、ゴミがカップ麺ばっか！ちゃんとご飯食べてないでしょ！あとでご飯作ったげるから！

はい、お兄さん！まとめたゴミ袋、テキトーに部屋の隅にでも固めといて！

よし、じゃあ次は掃除機！ほら、お兄さんはどいたどいた！



〜〜掃除機をかける〜〜



はー…終わった〜。あとは〜…洗濯物か。

おっ、洗濯終わってる。よし、天気もいいし、外に干すか。お兄さん、手伝ってー。

えー？いいじゃんいいじゃん。いたいけな女子高生とのスキンシップだと思ってさー。

こんなにいい天気なんだからさー、陽の光でも浴びようよ。ねっ？




〜〜洗濯物を干し終わって〜〜

あー、働いたらお腹減ったー！なんか作って食べるかぁ。

冷蔵庫になんかあるかなぁ…うわっ、なんもねーじゃん！買い物は⁉︎ してないの⁉︎

あ……ホントだ。上の戸棚にカップ麺が…

いやいや！ダメだって、そんなのばっか食べてちゃ！病気になるよ⁉︎

よし！今から買い物行くか！お兄さん、付き合って！

いや、そっちの付き合うじゃないから！てかそういうボケ、今はいいって！いいから行くよ！




〜〜買い物終わって帰宅〜〜

はー…めっちゃ買った〜。これでしばらくは買い物行かなくて大丈夫でしょ。荷物持ち、お疲れさん。

じゃ、あたし昼ごはん作るから、お兄さんはまだ片付けてないとこ片付けといて。

もー、大の大人が言い訳しない！ちょっとくらいは自分で片付けなさい！あたしがだいぶやってあげたんだから、できるでしょ！ほら、いったいった！




お兄さーん、ご飯できたよー。一緒に食べよーぜー。

うん、今日は焼きそばと野菜炒め。

あ、そこ。手抜きとか言わない。ちゃんと愛情込めて作ったんだから、感謝して食べてよねー。

それじゃ、手を合わせて…いただきまーす！

(咀嚼)

どう？カップ焼きそばより断然美味いでしょ？

へへっ♪でしょー？流石あたし。マジ家政婦の才能あるんじゃない？

んー？…(むせる) ちょ、何言って…！

もー…いきなり変なこと言わないでよ！めっちゃ苦しかったんだけど⁉︎

あ、やー…まぁ、お兄さんがずっと手伝ってほしいって言うなら手伝ってあげてもいいけど…お、ｵﾖﾒｻﾝﾄｼﾃ…

何でもない！それよりこの後はどうすっかなー…水まわりの掃除かな。お風呂とかトイレとか…

え？……なにそれ？今さら聞く？

ちゃんと給料出してくれるんでしょ？だったら全然働くし。

日給3万とか、めちゃくちゃいいバイトじゃん。そんなん速攻応募するって。

しかも自分の都合のいい時間に来てやっていいとか、最高じゃん。やるしかなくない？

友達に？紹介してもいいけどお兄さん、給料払えんの？

でしょー？あたし一人でいっぱいいっぱいなら、そんなんしなくていいじゃん？

それに…んなことしたらお兄さんのこと、独り占めできねーじゃん。

(ため息)

この鈍ちんは…まぁいいけど。

じゃ、あたしトイレ掃除してくっから、お兄さん、お風呂掃除よろしくー。

はぁ？分担した方が早いじゃん。そんなこともわかんねーの？

そーいうこと。ほら、サクッと終わらせるよー。




〜〜水まわりの掃除終了〜〜

はー…頑固な汚れだったぁ…てか疲れたわ〜。

お兄さんは？終わった？

お、やればできるじゃん。いいね。めっちゃ綺麗んなってるし。

(伸びをする)

ん〜〜…ちょっと休憩しよ。コーヒーブレイク。

うん。あたし淹れるから、座って待っててよ。




〜〜コーヒーブレイク〜〜

にしてもだいぶ綺麗になったよねー…あのゴミ部屋が嘘みたい…

へへっ、そうだね〜、あたしのおかげだね。

まぁこれもお仕事だしー？家政婦JKちゃんにかかれば、これくらい余裕ですしー？

あはは…いいよ。一生雇ってくれても。

あたし的にはお兄さんに雇われるなら全然OKかな。

まー、つまりはですね…卒業したら結婚、する？

あぁっ！汚なっ！コーヒー噴き出さないでよ、もう！

漫画みたいなことしちゃってさー…机びしょびしょじゃん。ほら、机拭くから布巾貸して。

もー…お兄さんって、ホントあたしがいないと何もできないんだから。

別に？悪くはないよ。てか、頼ってくれて嬉しいし。

だから…いいよ？本気で一生世話してあげても。

あはは…そこで日和んのはお兄さんらしいなぁ。意気地なし。

理由かー…まぁなんとなく？お兄さんならあり的な？

お兄さん、自分の身の回りのことはズボラだけど、なんだかんだ優しいじゃん？お金くれるし？

あはは！そんだけじゃなくて、こんだけ通ってんのにあたしに手ェ出さないじゃん？紳士っぽくていいなーって。

それに…覚えてる？あたしが家出した日のこと。

そそ。親と大喧嘩して、雨ん中飛び出して、お兄さん家飛び込んで…

ふつうになんも聞かずに受け入れてくれてホの字？みたいなー…

うん…本当はもう少し清潔感持ってほしいけど、まぁそれを差し引いても、お兄さんはいい男だなって。

そーいうことなんで…高校卒業したら、改めて言うこと言うから。今のうちに心の準備、しといてよね♪

・台本（ゆるボイ！）
自称JK家政婦がバイトで甲斐甲斐しく身の回りの世話をしてくれる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎