チャイム)

あ…あ、あの！

そ、そうです！君です！君を呼びました！

あ、あの…こんなの聞くのも失礼かもしれないんだけど…その…君って…頭…良かったよね？

い、いや…その…こ、この間…廊下に貼られていたテスト順位の一位に君の名前があったから…

え、えっと…その…明後日にその…テストがあるよね…学年末テストが…

あの…私…その…ど、どうしても分からないところがあって…よ、よければ！君に教えてほしいなって…だ、ダメかな？

…え、いいの？あ、ありがとう！そ、それじゃあ…その…この後…私の家に来てくれないかな？

も、勿論！君が大丈夫ならでいいんだけど……

…え、むしろ家に行っていいのかって？…だ、大丈夫！私の家はね、お父さんもお母さんも海外で働いてるから滅多に帰ってこないの。殆ど一人暮らしみたいな感じでなので…

その…君が引き受けてくれたら…お礼はいくらでもする…い、幾らぐらいつつめばいいのかな…？

…え、そんなの気にしないでって…で、でもそう言うわけには…！私が出来ることならなんでも…

…え、あ…ほんとに気にしなくていいの…？…わ、分かった。それじゃあ…早速…い、行きましょう…

ーーーーーーーーーーー

扉を開ける)

着きました…ど、どうぞ中に…て、適当にくつろいでいただいて…す、すぐに準備するから…！

あ、お待たせ！こ、これどうぞ紅茶とケーキ…あり合わせの物しか出せなくてごめんね

…あ、ありがとうございます。そ、それじゃあ…その…お隣失礼します

隣に座る)

え、近い？あ、その…ごめん…！で、でも…その…こ、この方が集中出来ると思うから…そ、その…だ、ダメかな？

あ、ありがとうございます！…そ、それでは改めて…よろしくお願いします…。その…先生…！

ノートを書く)

…あー成る程…ここはそうなると…ふむふむ…

うん…あ、この公式をここで当てはめるんだね…！ありがとう！やってみる…！

数秒開けて)

わーーすごい！さっきまで解けなかった問題がすらすらとける……先生すごい！

…って、先生大丈夫？打とうとしてるよ…？

…ううん！沢山教えてくれたから多分疲れちゃったと思う…少し休憩しよ…

あ、そのさ…君に一つ聞きたいんだけど…いいかな？

その…さ、君はなんで私を助けてくれるの？

私ってクラスで浮いてると思うの…

ううん、大丈夫。自分自身でも分かってるの。私はさ君みたいに勉強が出来るわけでもないし、運動音痴だし…その…性格も卑屈で…クラスの人と話すのも緊張して…うまく声をかけれなくて…いつも教室の隅っこでただ座ってるだけ…

でも君はさ、勉強もできて、運動も得意で、沢山の友達がいる。そんな人気者の君が私を気にかけてくれるのが不思議なの…

この間の修学旅行も君は私を同じ班に誘ってくれてさ……同じ班のみんなもこんな私を歓迎してくれて…

本当に楽しかったの。君のおかげで、初めて…誰かといる楽しさを知れた。…君には感謝しても感謝し足りないの…だから…

押し倒す)

私…君のことが好き……

君に話しかけられるとね…胸が熱くなるの…。でも、君がいない時とか君が他の女の子と話してるのを見ると、胸がキュって締め付けられるの…君の顔を見るたびに顔が熱くなって…まともに君の顔を見れなくなる…

…いつからかは覚えてないけど……でも、少なくともここ最近はずっとそうだった…

ねぇ…こんな事をお願いするのおかしいのは分かってるけど…君に一つお願いがあるの…

今度のテスト、私が君の点数を超えたら…私を君の彼女にしてほしいの…

もし、ダメだったら…私…君の奴隷になる…言う事なんでも効く…君が望む事なんでもする…

…こんな事言うのおかしいのは分かってる…でも、私みたいな人間が君と一緒になるにはこれしかないの…

君の答えを聞かせて…

…そっか、受けてくれるんだ。今の録音したよ…ほら…

機械音)

ふふっ…ありがとう。これで私…ようやく本気を出せるよ…

ごめんね、私…実はIQ180あるの

本当はずっと退屈してた…けど、君のおかげでその退屈な日々が終わるの。ろくな大学も出てない低学歴な先生がする退屈な授業も私より馬鹿な人達が作るテストにも…ようやく意味を見出せた…

明後日のテスト楽しみだね…！君が私を超えて、私を奴隷にしてくれる事を期待してる…

大好きだよ…『せんせ』

・台本（ゆるボイ！）
物静かで勉強が出来ないクラスメイトの賭けに乗ったら豹変した話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ゆぅ