貴方にはクラスメイトの彼女がいる。
ある夜、彼女から電話がかかってきて、寝る前に話したいと言い出すが…？

(着信)

もしもーし？今、ちょっといい？

うん…これから寝るんだけど、その前に君とお話ししたくて。

あはは、ありがと。君のそういうとこ、好きだよ。

え？うーん…何話そうかな…何も考えてなかった。

あ、あはは…ごめんね？

君の声聴きたくなったってだけで電話、かけちゃった。

あ、そうだ。君、今度の試合は今週の土曜だっけ？

ふーん…じゃああたしがお弁当作ってきてあげる。

会場前で渡すから、ミーティングやらなんやら終わったら連絡してほしいな。

うん、ありがと。めっちゃ心込めて作るからね。

ふふふ…当たり前でしょ？あたし、君の彼女なんだから。

そうだよね。あたしみたいな彼女持てて幸せだよね。

だからね…ダメだよ？他の女の子と仲良くしちゃあ…

本当？ホントに分かってる？

あたし、前にちょっとだけチラッと見たんだけど…

え？何をって…君が女の子と親しげに話してるところ。

身に覚えがない？じゃあ直近の例を何個か挙げるね。

一つ目。同じクラスの隣の席のインキャ女に優しくしてたこと。

うん、なに？何か申し開きでもある？

へー…それ、ワザと忘れたんじゃないの？

だってアイツ、君と席くっつけてる時、なんかメスの顔してたし。

教科書見せてもらうって口実つくってさぁ…君とお近づきになりたかったんじゃないの？下心見え見えだったよ。

隣の席だからって、調子乗りやがって…あの女…

とにかく。君は自分で思ってるよりモテるんだから、その辺もっと気をつけて。

うん。で、二つ目。同じ部活の先輩に迫られてデレデレしてたこと。

遠目から見た感じだと…もしかして告白された？

なに？なんでそこでどもるの？ハッキリして。

ふーん…そんな意味深なこと言われて、デレデレしてたわけだ。

ね…ダメでしょ？ちょっと綺麗な、年上の女の人に迫られたくらいで鼻の下伸ばしちゃあ…

あたしっていう彼女がいるんだから…そこはちゃんと断らないとダメでしょ？

言い訳しない。告白されてないとしても、そういう意味深な言動とる女はバッサリ切り捨てて。わかった？

なに？できないの？誘惑されたら、ホイホイついていっちゃうタイプ？

ねぇ…できるよね？君はあたしの彼氏なんだから…



で・き・る・よ・ね？



うん、よろしい。明日から即実行するように。これ、彼女命令だから。

それで三つ目は…他校のビッチどもに絡まれて嬉しそうにしてたこと。

見てたよー、もちろん。制服の間の谷間、覗いてたよね？変態。

何がどう違うの？言ってみて。

へー…何も違わないじゃん、それ。

男の本能だかなんだか知らないけど、ガン見してたのは事実でしょ？

(ため息)

君さぁ…自分がモテてるって自覚ある？

そんなんだから、いろんな女から付け狙われるんだよ？

誰にでもいい顔して…優しくされた女どもが調子に乗るでしょ？

いい？優しいのは君の美点だけど、それをむやみやたらに振り撒かないで。

君はあたしだけに優しくしてればいいの。

もちろん、あたしも君だけに優しくするよ？他の男になんて興味ないし。

え？………ふーん。これだけ言ってもまだ言い訳するんだ。

このまま放置しておくと君、浮気するかもしれないね。

君はあたしのモノだってこと、一度ちゃんとわからせてあげなくちゃ…ふふふ…

(通話が切れる)

あ、切れちゃった…通話繋げたまま寝ようと思ったのに…

まぁいいや…とりあえずラインで…

「あたしから逃げられると思わないでね？彼氏くん。とりあえずおやすみ」っと…はい、送信。

さーて…今度の土曜日は会場で待ち合わせのつもりだったけど、予定変更。

家の前で待っといてあげよ。きっと驚くだろうなぁ…ふふふ♪

・台本（ゆるボイ！）
嫉妬深い同級生彼女からの恐怖のおやすみ電話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎