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兄の同僚を一途に愛している妹に、人生の墓場に放り込まれそうになってる
written by 松平蒼太郎
  • 嫉妬
  • 純愛
  • 少女
  • 年下
  • 病弱
  • 脅迫
公開日2022年05月21日 15:57 更新日2022年05月21日 15:57
文字数
1769文字(約 5分54秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
視聴者役柄
場所
自宅
あらすじ
お屋敷で執事としての仕事を終えて帰ってきた貴方を妹が出迎えてくれた。
妹は屋敷で男のふりをして働いている同僚の執事に恋をしていたが、妹もまた執事の正体が女であることを見抜いていた。
そして、妹にお嬢様と同僚の執事に貴方が板挟みになっていることを知られるや否や、名案を思いついたと言われ…?
本編
あ、お兄ちゃん。おかえり。

…?どうしたの、お兄ちゃん?そんな暗い顔して…

え?なんでお兄ちゃんがお兄さんのこと知ってるの?

あ…そうなんだ。職場の同僚だったんだ。すごい偶然。

お兄さん、元気そうだった?何か辛そうだったりしない?

そっか…よかった。

お兄さん、わたしといる時でもたまに辛そうな顔するから…

え……な、何言ってるの、お兄ちゃん⁉︎

わ、わたしがお兄さんのことを…⁉︎

うん……好きだよ、お兄さんのこと。

凛々しくてカッコよくて優しくて、笑顔も素敵で、理想の王子様って感じ。

一回わたしのわがままで、執事服姿見せてもらったんだ。

うん、すごくかっこよかった。お茶も淹れてもらったし。

お兄ちゃんと違って、気品溢れる執事様だったよ。

えー?一言余計?ごめんごめん。

お兄ちゃんもお兄さんの立ち振る舞い方、見習った方がいいよ。

まぁお兄ちゃんじゃ、あそこまでのレベルには届かないかなぁ。

え〜、ホントに〜?

お兄ちゃんの方が仕事できるなんて信じられないんだけど。

はいはい。今度ウチに来てもらって、お兄ちゃんと並ばせてみるねー。

…ね、お兄ちゃん。その、あたし、家に来てもらった時、お兄さんが着替えてるとこ見ちゃったんだけど…

え…なにその顔…

もしかしてお兄ちゃん、お兄さんのこと知ってた…?

とぼけないで!その顔、絶対知ってるでしょ!

お兄さんが実は、女の人だってこと…!

あたし、初めは信じられなかったもん…!

だってお兄さんはカッコいい男の人で、わたしの初恋の人で…!

ショックだけど…でもわたし、やっぱりお兄さん…ううん、お姉さんのことが好き。

性別が違っても、あの人はあの人だから…!

うん…諦めないもん。ちゃんとお兄さn…お姉さんに告白する。

その前に一つ確かめておきたいことがあるんだけど…




お兄ちゃんさ…お姉さんに手、出した?




…嘘つき。お兄ちゃん、ほんと分かりやすい。

そういう関係、持ったんでしょ?どこまでいったの?

早く答えて…は・や・く。

ふーん…キスまで、かぁ…

なんとなく予想通りだった。お兄ちゃんが身体重ねたのは、別の女の人でしょ?

うん、だってお兄ちゃんから女の匂い、プンプンするもん。

キスまでならとりあえずセーフってことにしてあげる。

で?お兄ちゃんは誰と合体したの?

ここまできたら隠し事は無しでしょ。言って。

言わないと…お父さんみたいな目に遭わせるよ?

うん。お父さん、もう帰ってこないよ。わたしが追い出したから。

あんなギャンブル狂い、わたしたちには必要なかったんだ。

借金ばっかり重ねてきて…最低だよ。

あんなの、もう父親だとは思わない。

親子の縁は無理やり切ったから。あの男を二度とここに戻ってこれないようにした。

わたしのこと、病弱だって侮るからあんな目に遭うんだよ。

ふふ…なに?そんなにアイツがどんな目に遭わされたか知りたいの?

教えてあげてもいいよ?お兄ちゃんの身体に直接…

なんだ、いいの?遠慮しなくていいのに…

で?お兄ちゃんは誰とヤったの?教えて?

ふーん…逆玉の輿じゃん。おめでとう。

あ……いいこと思いついた!

お兄ちゃんはその雇い主のお嬢様に恋されてるんだよね?

だったら…そのままお嬢様と結ばれちゃいなよ!

わたしはお姉さんと結ばれるから。

うん、それが一番収まりいい!完璧じゃん!

だってお嬢様とお兄ちゃんが一緒になったら、お姉さんはもうお兄ちゃんに手出しできなくなるし。

ワンチャン、お嬢様に家の借金も肩代わりしてもらえるかもだし。万々歳じゃん。

あとはわたしが頑張ってお姉さんにアピールして、振り向いてもらうだけ。

そうだ、そうしよ!ね、お兄ちゃん!いいでしょ⁉︎

何渋ってるの?お兄ちゃんに選択肢なんてないんだよ…?

むしろ、わたしとお姉さんが結ばれるように協力してもらわないと。

わたしもお兄ちゃんの恋路、応援するからさ。

お兄ちゃん、くどい。わたしはいいって言ってるでしょ。

お兄さんがお姉さんだったとしても関係ない。

性別が違ったくらいで、好きじゃなくなるなんてありえないから。

お兄ちゃん…痛い目見たくなかったら、わたしに従って?

わたしも無闇にお兄ちゃんを傷つけたくないから…ね?

なあに?お兄ちゃん?

うん、それはもちろん。

わたしの邪魔さえしなければ、お兄ちゃんには何もしない。

それより、せっかくお嬢様に好きになってもらえたんだからさ…

もっと気に入ってもらえるよう、努力しないと。

わたし、お兄ちゃんのこと全力で応援するからさ…

お兄ちゃんもわたしの恋路、応援してね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
兄の同僚を一途に愛している妹に、人生の墓場に放り込まれそうになってる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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