お兄ちゃんの事が大好きな妹
そんな妹は、ある日、怪しいゲームを持ってきた。
そのゲームにあなたは……

ただいま～。

お兄ちゃん、良い子にしてた？

も～、どうしてそんなに怖い顔するの～？

わたしが、こんなにも愛情を込めてお世話してあげてるのに。

お兄ちゃんには、わたしが居れば十分なの。

わたし以外を見ちゃダメ、触れちゃダメ。

あっ、そうだ。

帰りに、お兄ちゃんの友達だって人に絡まれたんだよ。

わたしが、お兄ちゃんの妹だって知ってたみたい。

お兄ちゃんを独り占めしてる事に嫉妬してるのかな？

なんか、色々と嗅ぎ回ってるようだったから……

はい、これ。

(ＳＥ : その友達の首を部屋の床にに投げる音)

目障りだったから、殺(や)っといた。

捜してたみたいだから、お兄ちゃんに会わせてあげようと思って、首だけ持ってきてあげたの。

良かったねぇ。

お兄ちゃんと会えて。

あれ？

どうしたの、お兄ちゃん？

えっ……かの……じょ？

お兄ちゃん……彼女なんて居たの……？

ああ……だから嗅ぎ回ってたのか。

お兄ちゃんに近付く奴は処分しなきゃね。

このゴミは、わたしが処分しておくから心配ないよ。

そんな事より、お兄ちゃんに見せたいものがあるの。

も～、そんなゴミはどうでもいいから、わたしの話を聞いてよ。

じゃっじゃ～ん！

これだよ。

スマートフォン。

これは、わたしが持ってるスマホとは少し違うんだよね。

放置してキャラクターを育てるゲームってあるでしょ？

それ専用のスマホなの。

ほら、こんな感じで、部屋を飾ったり、ご飯をあげたりして育てて遊ぶの。

ちょっと！

いつまで、ゴミと話してるの！

もう捨てとくから、ゴミ袋へポーイ！

はい。

これで話が出来るね。

それで、話の続きなんだけど、この育成ゲームには、まだキャラクターが居ないの。

察しの良いお兄ちゃんなら、これの意味、分かるよね？

(少しあけて)
そう。

これは、現実の人間の魂をキャラクターとして育てるの。

これで、片時も離れずに、ずっとお兄ちゃんと一緒に居られるんだよ。

嬉しい？

嬉しいよね？

お兄ちゃんには、今後、このスマホの中で過ごしてもらうよ。

肉体は、わたしが大切に保管しておいてあげる。

魂だけだから、死ぬ訳じゃないし、ゲームでご飯を食べれば、現実の身体に反映される。

魂と身体が繋がってるからだってさ。

どういう原理なんだろうね。

じゃあ、話はここまでにして、早速入ってね。

スマホのカメラで、お兄ちゃんを撮影すればオッケーっと。

(ＳＥ : シャッター音)

よし、撮れた。

どれどれ～。

おっ、しっかり入ってるね。


ＦＸ(以下の台詞から適用)
(聴き手はスマホの中なので、受話器向こうのような声のエフェクトをかける)

お兄ちゃーん！

聴こえるー？

わたしの作ったお部屋はどうかな？

お兄ちゃんの為に、結構な課金をしたんだよ？

試しに、着替えてみよっか。

えっと、服を長押しして、脱がせる。

アイテム一覧から服装を選択っと。

どれにしようかなぁ～。

まずは無難にスーツとかかな。

長押しして、お兄ちゃんの上で指を離す。

おお～。

着せ変えられた。

すっごく簡単で便利だね。

スーツ、似合ってるよ、お兄ちゃん。

そんなに睨まないでよ～。

(声のトーンを低くして)
お兄ちゃん……わたしをあまり怒らせない方が良いよ？

(声のトーンを低くして)
今のお兄ちゃんは、わたしの指１本で、どうとでも出来るんだよ？

(声のトーンを低くして)
大好きなお兄ちゃんを痛めつけるのは嫌だけど、そんな態度ばっかしてると、少し調教しないといけない。

(声のトーンを低くして)
魂に直接調教する意味が分かる？

(声のトーンを低くして)
お兄ちゃんの根幹を成す魂を調教するって事は、お兄ちゃんそのものが、大きな影響を受けるんだよ。

(声のトーンを低くして)
お兄ちゃんには、自身の意思で、わたしを好きになってほしいからさ。

(声のトーンを低くして)
お兄ちゃんを強制的に歪めるような事はしたくないの。

(声を戻して)
だから、わたしがたっくさん愛情を注いであげる。

このゲームでお兄ちゃんの魂をわたし好みに育ててあげるね。

そしたら、魂を身体に戻してあげる。

わたしを好きになってくれた、お兄ちゃんをね。

あっはは。

あれ？

これじゃあ、調教するのと、あんまり変わらないか。

痛めつけないから、調教じゃないよね？

それじゃあ、お兄ちゃん。

これからは、ずっと一緒に居ようね。

また、後で様子を確認するね。

その部屋で自由に過ごして良いからね。

またね、お兄ちゃん。

(ＳＥ : スマホの画面が消える音)

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな妹に囚われた
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨