休日の朝、抱き枕にしていた幼馴染の執事に優しく起こされて、その後も二人でイチャコラする。
しかし、長年の付き合いになるお嬢様ですら、執事の性別は分かっていなかった…

【お屋敷・お嬢様の私室】

お嬢様…朝だよ、起きて。

もう…やだじゃなくて、朝だってば。

今日はご友人と遊ぶ約束があるんでしょ？待ち合わせに遅れちゃうよ？

うん…たしかに今の僕は抱き枕だけどさ、一応人間として扱ってくれないかな？

あはは…相変わらずだなぁ、お嬢様は。

でも早く起きないと、ホントに遅れるよ？

えー…僕がご友人に怒られるの？代わりに謝っておけばいい？

うん、じゃなくて……仕方ないなぁ、じゃあ選ばせてあげる。

チューと甘噛み、どっちで起こされたい？

いやいや、両方は流石に…っていうか、遊ぶ前から疲れちゃうよ？

うーん…それじゃあチューで起こしてあげるね。

(キス)

おはよう、姫。目覚めの気分はいかが？

……なーんてね。ちょっとキザ過ぎたかな？あはは…

(キスされる)

お嬢様……そんな簡単にキスを返さなくても…

大体、僕が男か女かまだ分かってないくせに…

あっ…こら。どこ触ろうとしてるの？

朝からお触りは禁止。めっ、だからね？

ふふふ…さぁ？どっちだと思う？

僕は男でしょうか？それとも女でしょうか？触らないで当ててみて？

ぷっ…ふふふっ、あはは…！

もう…その答えは卑怯だよ。たしかに僕は僕だけどさ。

うん…お嬢様の幼馴染で執事。今までも、これからも。

お嬢様が、初めて僕を僕として受け入れてくれたからね。

男女(おとこおんな)なんて言われていじめられてた僕を、お嬢様だけは認めてくれた。

性別なんていいから、とりあえずそばにいろって…その時は乱暴なこと言うなって思ったけど、今はお嬢様らしいって思ってる。

つまり僕が僕でいられるのは、全部お嬢様のおかげってこと。

そんなお嬢様のことが、僕は大好きだよ。

あはは…ありがとう。

顔が赤いのは見なかったことにしてあげる。

ごめんって。ほら、いいから起きよ？

僕が車で送っていってあげるからさ。

うん、下で朝食並べて待ってるから。

準備できたら降りておいで。





【外・友人との待ち合わせ場所】

着いたよ、お嬢様。

ほら、あそこでご友人が待ってる。

帰る時はまた連絡して。迎えに来るから。

うん、行ってらっしゃい。楽しんで来てね。





【外・車内】

おかえり。どうだった？ご友人とのデートは楽しかった？

…？どうしたの？顔、真っ赤だけど…

え……ふふっ、あはは。

そっか…僕との惚気を聞かせたら、からかわれたんだ。

でもご友人に、僕のこと紹介してほしいって言われたんだ…

遠目から見ただけだけど、綺麗な人だったな…

せっかくだし、僕にも彼女のこと紹介してほしいな。

ダメ？どうして？僕と彼女が会ったら何か不都合なことでも？

ふふふ…ごめんごめん。ちょっと意地悪し過ぎた。

うん、分かってるよ。僕はお嬢様一筋だから。

もしお嬢様より綺麗な女の人に会ったとしても、きっと僕の心は変わらない。

お嬢様もさ…昔と変わらず、僕のこと好きでいてくれる？

ありがとう…やっぱりお嬢様には敵わないな。流石だよ。

…って言ってるうちに到着だね。お疲れ様。

ん？……うん、もちろん。お嬢様の望みとあらば喜んで。

今日も一緒のお布団で寝よっか。

今夜こそ、僕の性別を当てられるかな？

うん。正解だったら、その場で白状する。

ただし…エッチなことは無しで、当ててもらうからね？

・台本（ゆるボイ！）
中性的でイケメンな執事はお嬢様のことを愛してやまない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎