彼女はメイドカフェで働く人気メイド。キャラを作って頑張る彼女を、お家で甘やかしてあげるお話。二面性の表現が上手い人、でも本性は甘えたがりな人、素っ気なく囁くのが得意な人に。──男性向けシチュエーションボイスのフリー台本です。

(ドアが開き、ベル)

お帰りにゃさいませ、ご主人様♡

クルル、ご主人様が帰ってくるの遅いから、寂しかったのにゃ。いっぱい、いーっぱい構ってほしいのにゃ

もっとクルルと、お話しましょ？

わぁい！　クルル、これだーいすき！

はーいご主人様、撮りますよ～。はいチーズ！

うふふっ

もうお時間？　にゃあ、名残惜しいけど、ご主人様も忙しいもんね。それじゃあ、ご主人様。行ってらっしゃいませ～♡

(ドアが開き、ベル)


っあ～～疲れた

(ソファに座る、クソデカ溜め息)

足だるっ

(しばらくゴロゴロ)
(テーブルにコップが置かれる)

ありがと

(隣に座られる)
(一口飲む)

ちょっときーてよ。今日めっちゃチェキ希望してくる人多かったんだけど、すっごい体臭の人いてさ。撮る時キツかったぁ
ね。いるよねたまに

(溜め息)

まぁ人気出てきたってことだけどさ。指名がひっきりなしってなると
え？　うん。結構最近はね。まぁ慣れてきたってのもあるし、ほら、あたしって愛想良いから。分かっちゃうんだよねー何すれば喜ぶのか。へへ
……え？　仕事中のキャラってこと？
いやいやいやいや無理無理無理
いや、だって！　あんなの教えられるわけないじゃん。仕事だからやってるだけで、プライベートでやったら死ねるって！　無理。無理無理
……そうだよ？　めっちゃ恥ずかしいことしてるんだから。……余計にって。変態
え、そんなに見たいの？　えぇ～……。んー……じゃあ、ちょっとだけ

(二人とも立ち上がる)

言っとっけど、完っ全に仕事モードだから。余計なこと考えないでね、これが本当の姿かとか。全然違うから。作ってる、作ってるキャラだから。オーケー？
うん、じゃあ、いくよ？　……あ～もぉやだぁ、恥ずいぃ……
……はい、ご来店のベル鳴りました

お帰りにゃさいませ、ご主人様♡
あっ、クルルとは初めましてだよね。猫獣人のクルルっていいます！　最近入らせてもらったばかりでお仕事に慣れてないところもあるけど、頑張るから、ご主人様も話しかけてくれたら嬉しいにゃっ♡

……にゃあぁ～～もぉおおぉ～～～恥ずいぃいぃ～……！
ちょっ……何！？　何、その顔！　そんなニヤニヤすん、やっ、ちょっやめっ、やーあぁ～もぉおおぉおぉおお……！

(逃げるように顔隠す)

……やっぱやらなきゃ良かった。めっちゃ笑ってるもん
そんな気休めみたいに言わなくていいって！
……ほんとぉ？　うっそだぁ。だってあんな媚びっ媚びなのをあたしが……
そぉ？　別に、あんま嬉しくないけど……ありがと
でも、二度とやんないからね。つーか、家でも仕事させんなよ。帰ってきてもメイドやりたくないっての
うちにいる時は、誰かに仕える方じゃなくてさぁ
……ほら、もうちょっとこっち

(距離が近付く)

そう。ほら、ん

(頭を突き出す)
(が、理解してもらえない)

～っ……。撫でて

(撫でてもらう)

んっ

(気持ちよさそうな、リラックスした息遣い)

っ、うっさい。疲れてんの
え？　なでなで？　オプションにもないよ。仕えてるったってお触り禁止だし
ま、それでも触ってくる不届き者はいるけどね。キモイよ？　頭とか肩とか。全員出禁になったけどさ
あ……怒った
いや。別に。……ふーん
じゃあさ、う、上書きしてよ。全部、あんたので

(ごそごそ……)

いや、そんなベタベタ触れとは言ってない！　ちょっ、やめなさいって
……別に嫌じゃないけどさ
だ、だからって発情すんな！　ばか！　もぉっ！

(軽く叩く)

ったく
ん？　……うん、今日も持って帰ってきてるけど。……え、まさか、今ここで着替えろなんて
……言うかぁ。言っちゃうのか。まぁ分かるけどさ、流れとしては
でも家でか。慣れちゃったし、あんまり乗らないなぁ

(カバンを漁る)

へ？　いや着ろって言ったのあんたでしょ。……別にメイド服着るのは嫌いじゃないし、むしろ好き。じゃないと働く気起きないじゃん。あたしが嫌なのはキャラ作ってそれを知り合いに見られるのだから、あんたには見られてるし、もういいや、って
……何、反省してんの？　だったらせめて着替え見ないでよね。ほら、あっち向いて

(衣擦れの音しばらく)

いいよ。……何その反応
まぁ確かにあたしにしては可愛すぎだよね。フリフリだし、み、短いし。でも仕事中はちゃんと立ち振る舞いも女の子っぽく
っ。あぁ、そう。……ま、男の子ってみんなメイド服好きだしね
……いや、そんな褒めんなって。仕事モードじゃないんだから、そういうの、無理
ばか
下？　履いてるよ、見られても大丈夫なやつ。こんだけ短いとね、さすがに……覗くなよ？　めくんなよ？
はぁ。もう充分でしょ。脱ぐからね
……え、このまま？　いいけど、なん……あれはもうやんないよ？
じゃあなんで？　普段通りでいたって別に何も、あれしないし。可愛いことしないよ
……ふっ。変なの。ただの変態だよ
えーじゃあ、ご主人様って言ってあげようか？　いや適当にだよ？　普通に。普通の、彼女として
あ、あははっ。普通彼女が言わないか。だよね
え。じゃあ、呼ぶ？　……は？　様いらないってこと？　何そのこだわり。らしいかなぁ？　えぇ～？
……分かったよ、ご主人
～っ。ちょっと待って、変な気分なる。なんかそういうプレイしてるみたい。バカップルじゃん、やだ
いや、これで普通って言ってもなぁ

(飲み物を一口)

ていうかこれ着て普通って言ったら仕事しなきゃいけないんだけど。そうじゃないでしょ？
……だからって甘えろってのもおかしくない？　ふふ
いいんだけどさ

(隣に座る)

じゃあ……ご主人

(ぽすっ)

されたかったんだ。膝枕
確かに逆かもね。でも、いーんでしょ？
ん

(撫でられている)
(身じろぎする)

手おっきいよね
……繋いで

(手を繋ぐ)

……こんなメイドだったらな。あんただけの、専属メイド。一生仕えてやるのに
……好き
ご主人……好き。好き、ご主人
好きだよ……
はふぅ。寝そう
ちょっと寝てもいい？　すぐ起きるから
……えへ。大好き

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本】メイドカフェで働く彼女を甘やか素。【男性向け】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
小太刀 虚夜