いつ、どこで狙われたのかは分からない。ただ彼女は、かなり危ないストーカーだ。家を突き止めてすぐに行動を起こし、しかし準備は万全のよう。一体何をする気なのか……

（ドアを叩く音が何度も響き渡っている……）


開けてー。開けてよぉー

開ーけーてー

ねぇってばぁ、聞こえてるんでしょぉ～？

開ぁーけぇーてぇー

声もかけてくれないなんて、お姉さん寂しいなぁ

ねーえっ！

……ん？　あ、どうも

すみませんお騒がせして。弟が出てきてくれなくて

ケンカして家を飛び出して、やっと見つけたんですけど……ええ。あ、こちら名刺です

うちの弟、迷惑かけてませんか？　何か起こしたり……。普通ですか？　普通に暮らしてますか？　良かったぁ

今日も、もう少し掛け合ってみようと思います。ご迷惑かと思いますが……すみません、ありがとうございます

……ふふ。ちょろっ

ねぇ、邪魔者はいなくなったからさ、これで心置きなく私を入れられるよねぇ？

ほら、お姉ちゃんだよー。実の姉だよー。なんてね

ここまでしてるのに、なんで無反応なのー？

いないのー？

……もしかしてほんとにいないのかな

まじかー……

……

なんてねー！

いるよね。いるんでしょ

知ってるよ。部屋の電気消してても知ってるよ

この時間帯はまず出かけないし、出かけても誰かしらに連絡してるよね

君の周り今日は誰も動いてないから、家にいるもんね～？

逃げられると思わないで

今日こそは絶対、私のものにするから

ほら見て、君のために用意した秘密道具

さっきの名刺も偽造頑張ったけど、こっちはもっと大変だったよ

麻酔。全身麻酔なんて、病院以外では見られないよ～？

あ、あとこれ！　これ絶対見てほしい。貞操帯！

これね、君につけて……し、射精管理するの！　あは、言っちゃった

ちょっと恥ずかしかったんだけど、やっぱり今日からつけてもらいたいなって

記念すべき、私と君の初お家デートなんだから！

楽しみだねぇ。どこまで君が壊れてくれるのか

今そんなに冷たい態度取ってるのも、後で従順になった君を可愛がるためのスパイスだと思えば、耐えられる

だから、そうやって拒絶するのも、お姉さん特別に許してあげる

もうすぐ部屋にも入れるんだしね

ふふ

でも、そろそろ君の顔が見たいな

強引なのは趣味じゃないけど、ちょっと荒っぽい手段取らせてもらうね


（カチャカチャと鍵をいじる）


……うーん……こうだよね……んで確か、こう……

あれ？　っかしいな……あれぇ？

あー、ごめん。失敗しちゃった

せっかくピッキング習ったのに、ダメだったよ

あーあ、残念


（鍵がガチャンと解錠される）


なーんちゃってっ！

合鍵作ってましたぁ～


（ドアが開く）


名刺とか麻酔用意できて、鍵作れないわけないじゃん。もちろん非合法のね

ね、ね、ビックリした！？　なんだ入れないのかって思った！？　それが実は、入れちゃうんで～す！


（部屋の中を歩いてくる……）


今どんな顔？　どんな顔？　見せて見せて、お姉さんに見せてぇ

……わぁ。良い。すごく可愛い

今まで見てきた顔の中で一番怯えてるね。すっごく可愛いよぉ

ここからさらに怖がらせて、屈服させて、最終的には歪んだ笑顔を見せてもらうの

あ～、楽しみぃ

じゃあじゃあ、まずはお薬から。大人しくしてもらわないとね

そういうわけで、今日からよろしくね？

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本】ストーカーヤンデレお姉さんのお宅訪問【男性向け】
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・台本制作者
小太刀 虚夜