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魔法剣士のエルフに頼りにされるお話
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • エルフ
  • 人外 / モンスター
  • 戦闘
  • 魔法剣士
  • クール系
公開日2022年08月11日 19:23 更新日2022年08月11日 19:23
文字数
1623文字(約 5分25秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
エルフ
視聴者役柄
青年
場所
ファンタジー世界
あらすじ
ある日、武器の修理屋を営んでいるあなたの元に一人のエルフが訪れた。彼女からの依頼は、自らの使っている魔法剣を直してほしいというもので…?
本編
お兄さん、ちょっと頼みがあるんだけど。

これなんだけど…修理、頼める?

そ、魔法剣。硬い殻のモンスターと戦った時に折れちゃって。

そ、そんなに怒んないでよ…乱暴に扱ったのは悪かったから…

うん、ちゃんとお代は払うから。だからお願い。

ありがとう。また適当な日に取りに来るから。それじゃ、よろしく。




お兄さん、来たけど。わたしの剣、直った?

そ。まだ直ってないんだ。まぁいいけど。

ん?わたしは見ての通り、エルフだけど。それが?

いや、人間の街にいるのは出稼ぎで。冒険者ギルドに登録して、モンスター討伐しながらお金稼いでんの。

うん。わたしの故郷は貧しいから。わたしが稼いで家族を楽にさせないと…

別に偉くなんかない。家族を支えるなんて当たり前だから。

それより…ここに飾ってあるの、全部魔法剣?

へぇ…見たことないのがたくさん…

この剣なんて刃先がそり返ってるし…こんな形状の剣初めて見た。

刀?へぇ…これがそうなんだ。

うん、聞いたことある。東の国で使われてる剣だって。

突くより斬るに特化してるんでしょ?形状的に。

ちょっと試し振りしてもいい?ちょっとだけでいいから。お願い。

(刀を振る)

すごい…初めて握るのに、なんだかしっくりくる…

うん、手に馴染む。すごいね、これ。いくら?

え……た、高いね。まぁ妥当な値段だとは思うけど…

うーん…今回は見送る。手持ちもそんなにないし。

修理は引き続きよろしく。それじゃあね。




はぁはぁ…やっぱ剣なしで戦うのはキツイな…

仲間は逃したけど…わたしが逃げ損ねちゃったな。はは…

魔王直属のモンスターか…強さが桁違いだ。

でも…こんなところで死ねない。家族が故郷で待ってるから。

そう。あなたたちに易々と渡す命は無い。つまりはそういうこと。

来るならさっさと来て。最後まで相手してあげる。

(主人公、乱入)

……え?お兄さん、なんでここに…

あ、そう…ギルドの集会所で聞いたんだ、わたしの居場所。

あ……剣、直ったんだ。ありがとう。

わざわざ届けに来てくれたの?こんな危険なところまで…

ふふっ…変なの。会った時からちょっと思ってたけどお兄さん、変人だね。

ごめん…そうだよね。死んだら、お代払えなくなっちゃうもんね。

お兄さん、武の心得があるなら手伝って。この場を切り抜けるために。

うん。わたしの魔法のタイミングに合わせてあのモンスターに斬りつけて。よろしく。

それじゃ、いくよ…1、2の3!




はぁはぁ…なんとかなったね。お兄さん、ナイスファイト。

あはは…追加請求は勘弁してほしいな。あんまりお金持ってないんだよね。

え?……あ、うん。直してくれた魔法剣、いい感じに仕上がってる。ありがとう。

え……あの時の刀?なんで…?

…あのさ、在庫余りを客に押し付けるのは、商売人として良くないよ?

でもこれ、使いやすそうだし、ありがたくもらっとく。

え、妖刀って…それ、やばいヤツじゃないの?

(ため息)

もういいよ。妖刀でもなんでも。ちょっといわくつきでも使いこなしてみせるから。

それよりお兄さん…腕、少し切れてるよ?大丈夫?

そ。舐めれば治るのね。じゃあ腕貸して。

(腕を舐める)

何?舐めれば治るって言ったのはそっちでしょ?だから舐めてあげただけ。文句ある?

いや、今のは助けてくれたお礼。それ以上でもそれ以下でもないから。

はいはい…治癒の魔法かけるから、騒がないで。

(治癒の魔法をかける)

はい、治った。これでオッケー?

ん、どういたしまして。まぁ助けられたの、わたしの方なんだけど。

とりあえず帰ろ。お腹も減ったし、疲れちゃった。

あ、そうだ。もしよかったらご飯一緒に食べる?

別に…なんとなく誘ったみただけ。お兄さんのこと、嫌いじゃないし。

まぁあとは…また剣壊しちゃったらお兄さんのこと、頼るかもしれないし。

分かってるよ…極力壊さないように気をつけるから。

うん…道具は大切に扱う。今回のことで身に染みた。

お兄さんって道具を愛してるんだ。さすが職人さんだね。

あはは…そっか、当たり前か。ふふふ…

ううん、何でもない。それより早く街に戻ろ。お腹すいちゃった。

あ、お兄さん。えっと、その……改めて、これからも頼りにしてるから。よろしく。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
魔法剣士のエルフに頼りにされるお話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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