あなたには誰にも知られてはいけない秘密がある。それはこっそり女子の着替えを盗撮していること。
人がいなくなるのを見計らって更衣室に忍び込んだあなたは、設置したはずのカメラがないことに気付く。その上廊下で狼狽えているところを先輩に見られてしまう。
適当にごまかしてその場をやり過ごそうとするが、優しげな先輩はあることを打ち明けてきて……？

あら、君は……たしか後輩の

どうしてこんなところにいるのかな？
この奥は更衣室だけですし、普段は女子しか使っていませんよ？
もしかして……迷子？

あぁ、なるほど！
お友達を探してるんですね

だって、すごい汗ですもの
きっとその子のために一生懸命走り回っていたんでしょう
お友達思いなんですね

いえいえ、何も恥ずかしがることじゃありません
他の誰かのために真剣になれる……とても素敵なことですよ
早く見つかるといいですね

でも、たとえ君が走り回っていなくても、そんなに汗をかくのも無理はありませんね
だって今日はとても暑いですから
いっそ全部脱いじゃいたいくらい

ふふっ、男の子の前でこんなことを言ったらいけませんね
普段こうやって話すことなんてありませんから、慣れていなくて……

あ、ちょっと失礼しますね

（間を置いて）
あら、まだいらっしゃったんですね
じゃーん！
ほんとに着替えてきちゃいました
実はちょうどあの部屋に入ろうと思ってたところだったんです

どうしました？
お顔が真っ赤ですよ？

体調が悪いなら、私が来るまで待っててくれなくても良かったのに
熱中症とかになっちゃったら大変です

あ、もしかして、私が1人だから心配してくれてたんですね？
優しいんですね、君は

(少しむくれたように)
もう……せっかく君のこと褒めてあげてるのに
ちゃんと聞いてますか？
先輩の言うことはちゃんと聞かなくちゃダメですよ

ほら、こっち見てください
向こうばかり気にしてないで

(間を置いて)
そんなことくらい、何も言わなくても分かりますよ
さっきから上の空ですし、視線があっちの方を行ったり来たり……

私と話してるところを他の子に見られるのが恥ずかしいのかな？

大丈夫ですよ
この時間は誰も来ません

それに……

（間を置いて）
もうあそこにはありませんよ
君の仕掛けたカメラは

あぁ、慌てなくても大丈夫ですよ
別に誰にも言いませんから

宝物もちゃんと返してあげます
はい、どうぞ

毎日毎日、カメラの隠し場所を探られるんじゃないかってドキドキしながら待ち続けたり、人がいなくなったのを見計らってわざわざ確認しにきたりして、大変だったでしょう

こんなことしなくても、私ならいくらでも見せてあげるのに
もちろん他の人にはそんなことできませんけど、君は特別ですから

例えばこんな風に
（スカートをめくる）
ほら、もうちょっとで見えそうですよ
あと少し……もう少し……

……なんてね
（スカートから手を離す）
でも、それじゃ意味ないんですよね？

隠されてるものを覗き見ることに興奮を覚える……そうでしょう？
もちろん分かってます

（間を置いて）
だって……私もそうですから

あの部屋、実は備品に紛れてカメラが仕掛けてあるんです
まさか君も自分以外の誰かが仕掛けてるなんて思わなかったみたいですね
おかげでいままで誰にもバレていません

ほら、これ
君のと一緒に回収してたんです

実はずっと前から、君が盗撮してたことには気づいてました
だって、これに全部映ってるんですから

あなたがこっそりカメラを仕掛けるところも、
そわそわしながら待ってるところも、
人がいなくなる時間帯にカメラを取りに来るところも全部

お家に帰って映像がちゃんと撮れてるか確認するところも、
それをパソコンに保存してるところも、
それを使って……

（くすっと笑う）
ごめんなさい
言いすぎてしまいましたね

お察しの通り、あの場所の他にもいろんなところに仕掛けてあるんです
どうやったかは秘密ですよ
種明かしをしてしまったら、もう撮れなくなってしまうかもしれませんから
私はもっと見ていたいんです、君のこと

ただひとつ言えるのは、君みたいに挙動不審だと、私じゃなくてもすぐにバレちゃうってことですね

バレないコツは周りの皆に優しくすること、堂々としていること、ですよ

（間を置いて）
脅しだなんて、心外だなぁ
別に何もしませんよ
あなたにはこれまで通り、普通に過ごしてて欲しいんです

その代わり、私が君を撮ってたことも黙っててくださいね？
相互不干渉ということで、お約束
これでも真面目なキャラで通ってるんですから、私

正直なところ、こんなにあっさり上手くいくとは思ってませんでした
も、もちろんこれが初めてです
いつもこんなことをしてる危ない女だ、なんて誤解されては困ります
それに、ここまで思い切ったことをしようと思ったのは君に出会ったから、なんですよ

君を初めて見た時から、かわいいなぁって思ってました
馬鹿にはしてないですよ？
男の子でも、かわいいものはかわいいんです

まるで心に火がついたみたいな、それが燃え広がっていくみたいな、不思議な感覚でした
これが恋なんだなって初めて気付きました

最初は我慢しようって思ってました
こんなことしちゃダメだ、悪いことだって
でも、君とすれ違う度に
君のことをもっと見ていたくなって
もっともっと知りたくなって
もっともっともっと君に近づきたくなって
そして今は

（間を置いて）
こんなに近くに……触れられる距離にいる

はぁ……
やっぱり、とってもかわいいです
(キス音)

ふふっ、びっくりした顔もかわいい
もーっといっぱいしてあげますよ
(キス音)

いきなり知らない人にこんなことされてるのに逃げないんですね
いい子いい子……
それともまだ、私のことが怖いのかな
まぁいいです
今はここにいてくれさえすれば

お耳も赤くなっちゃって、とてもおいしそう
食べちゃいたくなります
食べてもいいですか？いいですよね？
（耳舐め）

柔らかくていい匂いで、とってもおいしかったです
こっちも……いただきまーす
（耳舐め）

はぁ……ほんとはもっとしたいけど、もう君は帰らないとですよね

（囁くように）
お家に帰って、今日のことを思い出して
いっぱい楽しんでくれたら嬉しいな

他の子の動画を見るのはあまり感心しませんけど
私が見てるって分かってるのにそういうことするのも
それはそれでかわいいって思っちゃうかも

君がどんなに変態さんでも、他の子に浮気してても、
私のことを受け入れてくれなくても
君のこと、ちゃんと全部見てますからね
これからもずーっと

・台本（ゆるボイ！）
優しい敬語先輩はヤンデレで盗撮魔だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ロンタ