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使用人を道具扱いする暴君系主人の耳かき
written by 松平蒼太郎
  • 耳かき
  • 癒し
  • 暴君系
  • 励まし
公開日2022年09月06日 18:58 更新日2022年09月06日 19:00
文字数
1301文字(約 4分21秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
主人
視聴者役柄
使用人
場所
主人の部屋
あらすじ
使用人(道具)を大切にするご主人様に耳かきされるシチュエーション。短いですが、どうぞお楽しみください。
本編
どうした?何をボーッとしている?

なんだ。食器を割っただけか。

いい。一々謝らなくていいから、さっさと片付けろ。

それから、片付けたらわたしの部屋に来い。いいな?




来たか。そこに掛けろ。

顔色が悪いようだな。先ほどのことを気に病んでいるのか?

くだらん。使用人がたかだか皿を割ったくらいで怒っていたら、キリがないだろう。

許すも許さないもない。そもそもわたしは最初から怒っていない。

それより気になることがある。そのままジッとしてろ…

…ふん。やはりな。お前、耳の中が相当汚いぞ。

あぁ。耳垢が外からでもよく見える。

よくその状態で働いてきたものだ。周りの声や音はちゃんと拾っていたか?

そうか。なら、わたしがお前の耳垢を取ってやる。

黙れ。わたしがやると言ったらやる。一々口ごたえするな。

では、わたしの膝に寝転がれ。

…先ほども言ったはずだ。「一々口ごたえするな」と。

そうだ。お前はわたしの指示に従えばよい。

では早速、耳垢を取っていくとしよう。

(耳かき)

本当に汚いな、お前の耳は…

普段からもう少しお前のことを注意深く見ていれば、こんなに耳垢を溜めさせる事はなかっただろう。

いいや。使用人の不始末は全て主人の責任だ。

使用人は主人に使われるもの…要するに、道具だな。

その道具の手入れは持ち主の義務だ。それは分かるな?

義務を負っているということは、その責任の所在は当然、持ち主にある。

だから、お前は何でもかんでも自分が悪いように言うな。

お前の価値をお前自身が貶めるんじゃない。分かったか?

そうだ。今後は自虐的な発言を慎め。

たとえ誰であろうと、お前の価値を下げるようなことをするのは許さない。

お前はわたしが見込んだ道具なのだからな。

分かればいい。では、反対の耳をやるぞ。逆を向け。

…よし。ではこちらも始めていくとしようか。

(耳かき)

やはりこちらも汚いな…わたしが責任持って取り除いてやらねば…

ならん。道具の手入れは持ち主が行うものだ。

耳かきは今後もこのわたしがやる。異論は認めん。

今の正直な気持ち?言ってみろ。

そうか。良いことではないか。

気持ちいいと感じるということは、心身共にリラックスしている証拠だろう?

次の仕事への活力に繋がるなら、これくらい安いものだ。

十分活力を漲らせ、もっとわたしの役に立つがいい。

良い仕事は健康な身体と精神、両方が合わさって初めてできることだからな。

良い仕事ができれば、もっと良い仕事をしようと思う。好循環ではないか。

わたしにとっても、お前にとっても、それが最善だ。

くどい。元奴隷だろうが、そんなの知ったことではない。大体、過去の身分などどうでもいい。

大切なのは今、お前が成すべきことを成し得ているかだ。

元奴隷だろうがなんだろうが、お前はわたしが役に立つと見出した道具だ。

お前はそれに見合う価値…いや、それ以上の価値をわたしに献上するべきなのだ。

使用人としての働き、これからも期待している。精進せよ。

……こちらもこんなものでいいか。

汚れは全て取った。もう下がってよいぞ。

…ふん。礼を言われる筋合いはない。

わたしは主人として当然のことをしたまでだ。

もう夜も遅い。部屋に戻ってさっさと休め。

あぁ、おやすみ。また明日からしっかり職務に励むように。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
使用人を道具扱いする暴君系主人の耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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