- 耳かき
- 片思い
- 敬語
- 少女
- 年下
- 侍
公開日2022年09月07日 20:13
更新日2022年09月07日 20:13
文字数
1936文字(約 6分28秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
侍
視聴者役柄
刀鍛冶
場所
刀鍛冶の店
あらすじ
ある日、刀鍛冶である貴方のところに、知り合いの少女が訪ねてきた。彼女は侍であり、かつて貴方に自分の刀を打ってくれるよう頼んできた経緯があった。
特に用事があって来たわけではない彼女だったが、貴方の顔色の悪さを見て休むように言う。しかし、貴方は頑として聞き入れない。そこで彼女は耳かきで貴方を癒そうとするが…?
特に用事があって来たわけではない彼女だったが、貴方の顔色の悪さを見て休むように言う。しかし、貴方は頑として聞き入れない。そこで彼女は耳かきで貴方を癒そうとするが…?
本編
職人さん、こんにちは。
あ、いえ。刀の打ち直しではなくて…
職人さんの顔を見たかったから…ではダメですか?
はいっ!ありがとうございます!
お仕事の邪魔にならないように、そこに座ってますね!
職人さん、今日は鍛錬はしないのですか?
あぁ、そうだったんですね。依頼された分は全部作り終えたと…
あ、いえ!その、刀を鍛えてる職人さんの姿を見たかったなー、なんて…
いえ、そんな…大したことありますよ。
わたしのこの刀だって、鍛えてくれたのは職人さんですから…
わたし、職人さんには凄く感謝してるんです。
女が侍になるなんて正気かって、色んなところで言われてきましたから…
職人さんだけが、わたしが侍になるってことを否定しませんでした。
それどころか、色んな方に掛け合って、わたしだけの刀を作ってくれて…それがとても嬉しかったんです。
まだまだ半人前ですけど…今の御館様に尽くして故郷を守れるように頑張ります!
…あれ?職人さん、なんだか顔色が優れないようですが…
ちゃんとご飯を食べてます?
それから、十分な睡眠も取れてますか?
はっ、母親じゃありません!わたし、職人さんより年下ですよ⁉︎
もう…とにかくお疲れでしたら、少しは休んでください。
真面目なのは職人さんの良いところですけど、度が過ぎるとお身体壊しますよ?
むぅ…すぐそうやって取り繕う…
そういえば、今日はわたし以外でお客さんの来る予定ありますか?
あ、ないんですね。じゃあせっかくですし、わたしの膝で一休みしません?
え⁉︎ ちょ、即答で断らないでくださいよ!少しは迷ってください!
あ、えっと…もしよろしければ、耳かきでもどうかな〜、なんて…
少しくらい休養を取ってもバチは当たりませんって!
今後、もっと素晴らしい刀を鍛えていただくためにも、養生はした方がいいですよ!絶対!
はいっ!じゃあ奥まで失礼しますね!
さ、職人さん。準備は整いましたので、わたしの膝の上に寝転がってください。
その態勢でよろしいですか?
はい。では耳かき、始めていきますね…
(耳かき)
耳の中、けっこう綺麗ですね。ご自分で耳かきをやられてるんですか?
そうなんですね。だったら今後はちょっとくらいサボって、わたしに任せてください。
そ、それは…わたしが耳かきをしたいから、じゃいけませんか?
いえ、やります。そんなバッサリ切り捨てられてもわたし、めげませんから。
はい。諦めの悪いところがわたしの長所ですから。
いえ、元はと言えば、不養生な職人さんが悪いんです。恨むならご自分を恨んでください。
でも不養生な方がお世話と称して、用がなくても職人さんのところに通えますし…
あ、そうだ!職人さんも城下町に住んでしまえばいいんです!
そうしたら、わたしも通うのが楽ですし、御館様の御用刀鍛冶になれるかも…!
職人さんの腕前ならきっと、すぐ召し抱えられると思いますよ!
むー…取り付く島もないんですから。ちょっとくらい迷ってもいいのに…
…まぁ、そうですよね。御用刀鍛冶になったら、自由にご自分の打ちたい刀が打てなくなっちゃいますもんね…
すみません、余計なこと言ってしまって…
でも、こんなにすごい刀を鍛えられる人なのに、世間に知られていないのが勿体ないなって…
はい…お気遣い、感謝します。
けど、これだけは覚えておいてください。
どんなに無名でも、わたしは職人さんのこと、ちゃんと見てますから。
(耳ふー)
ふふっ…身体、今少しピクって反応しましたよね?
あ、あはは…そんなに睨まないでください…変な扉開けちゃいそう…
(咳払い)
いえ、なんでもありません。それより、反対のお耳もやってしまいましょう。
身体の向き、変えてもらっていいですか?
…はい。それでよろしいですか?では始めていきますね。
(耳かき)
こちらも耳の中は綺麗ですね…
はい…まぁ残念といえば残念です。
汚れていた方がお掃除のしがいがありますし。
でもマメな職人さんらしいとは思います。
次はわたしが汚れを取りますから、もう少し耳垢を溜めてきてくださいね?
自信はありますよ、もちろん。
弟や妹にもやったことがありますから。
母上にだって喜ばれましたし、安心してまかせてください。
わたしが職人さんの癒しになってあげますから…
むしろこれくらいでしか、職人さんへのご恩はお返しできませんし…
それにこれは好きでやってることですし、いいんです。
仕事真面目で不養生な職人さんのお世話を、できる限りしたいんです。
だって…わたしは職人さんのことが好k……
…いえ、なんでもありません。気になさらないでください。
(しばらく無言で耳かき)
…職人さん?寝ちゃった、かな…?
とりあえず耳かきはこれで終わりかな…
(耳ふー)
んー…これでも起きない。熟睡してるなぁ…
はぁ…わたしの意気地なし。自分の気持ち一つ伝えられないなんて…
でも…いつか必ず伝える。
今日のところは出直すけど…絶対に伝えるから。
職人さんも、今のうちに覚悟しててくださいね?
あ、いえ。刀の打ち直しではなくて…
職人さんの顔を見たかったから…ではダメですか?
はいっ!ありがとうございます!
お仕事の邪魔にならないように、そこに座ってますね!
職人さん、今日は鍛錬はしないのですか?
あぁ、そうだったんですね。依頼された分は全部作り終えたと…
あ、いえ!その、刀を鍛えてる職人さんの姿を見たかったなー、なんて…
いえ、そんな…大したことありますよ。
わたしのこの刀だって、鍛えてくれたのは職人さんですから…
わたし、職人さんには凄く感謝してるんです。
女が侍になるなんて正気かって、色んなところで言われてきましたから…
職人さんだけが、わたしが侍になるってことを否定しませんでした。
それどころか、色んな方に掛け合って、わたしだけの刀を作ってくれて…それがとても嬉しかったんです。
まだまだ半人前ですけど…今の御館様に尽くして故郷を守れるように頑張ります!
…あれ?職人さん、なんだか顔色が優れないようですが…
ちゃんとご飯を食べてます?
それから、十分な睡眠も取れてますか?
はっ、母親じゃありません!わたし、職人さんより年下ですよ⁉︎
もう…とにかくお疲れでしたら、少しは休んでください。
真面目なのは職人さんの良いところですけど、度が過ぎるとお身体壊しますよ?
むぅ…すぐそうやって取り繕う…
そういえば、今日はわたし以外でお客さんの来る予定ありますか?
あ、ないんですね。じゃあせっかくですし、わたしの膝で一休みしません?
え⁉︎ ちょ、即答で断らないでくださいよ!少しは迷ってください!
あ、えっと…もしよろしければ、耳かきでもどうかな〜、なんて…
少しくらい休養を取ってもバチは当たりませんって!
今後、もっと素晴らしい刀を鍛えていただくためにも、養生はした方がいいですよ!絶対!
はいっ!じゃあ奥まで失礼しますね!
さ、職人さん。準備は整いましたので、わたしの膝の上に寝転がってください。
その態勢でよろしいですか?
はい。では耳かき、始めていきますね…
(耳かき)
耳の中、けっこう綺麗ですね。ご自分で耳かきをやられてるんですか?
そうなんですね。だったら今後はちょっとくらいサボって、わたしに任せてください。
そ、それは…わたしが耳かきをしたいから、じゃいけませんか?
いえ、やります。そんなバッサリ切り捨てられてもわたし、めげませんから。
はい。諦めの悪いところがわたしの長所ですから。
いえ、元はと言えば、不養生な職人さんが悪いんです。恨むならご自分を恨んでください。
でも不養生な方がお世話と称して、用がなくても職人さんのところに通えますし…
あ、そうだ!職人さんも城下町に住んでしまえばいいんです!
そうしたら、わたしも通うのが楽ですし、御館様の御用刀鍛冶になれるかも…!
職人さんの腕前ならきっと、すぐ召し抱えられると思いますよ!
むー…取り付く島もないんですから。ちょっとくらい迷ってもいいのに…
…まぁ、そうですよね。御用刀鍛冶になったら、自由にご自分の打ちたい刀が打てなくなっちゃいますもんね…
すみません、余計なこと言ってしまって…
でも、こんなにすごい刀を鍛えられる人なのに、世間に知られていないのが勿体ないなって…
はい…お気遣い、感謝します。
けど、これだけは覚えておいてください。
どんなに無名でも、わたしは職人さんのこと、ちゃんと見てますから。
(耳ふー)
ふふっ…身体、今少しピクって反応しましたよね?
あ、あはは…そんなに睨まないでください…変な扉開けちゃいそう…
(咳払い)
いえ、なんでもありません。それより、反対のお耳もやってしまいましょう。
身体の向き、変えてもらっていいですか?
…はい。それでよろしいですか?では始めていきますね。
(耳かき)
こちらも耳の中は綺麗ですね…
はい…まぁ残念といえば残念です。
汚れていた方がお掃除のしがいがありますし。
でもマメな職人さんらしいとは思います。
次はわたしが汚れを取りますから、もう少し耳垢を溜めてきてくださいね?
自信はありますよ、もちろん。
弟や妹にもやったことがありますから。
母上にだって喜ばれましたし、安心してまかせてください。
わたしが職人さんの癒しになってあげますから…
むしろこれくらいでしか、職人さんへのご恩はお返しできませんし…
それにこれは好きでやってることですし、いいんです。
仕事真面目で不養生な職人さんのお世話を、できる限りしたいんです。
だって…わたしは職人さんのことが好k……
…いえ、なんでもありません。気になさらないでください。
(しばらく無言で耳かき)
…職人さん?寝ちゃった、かな…?
とりあえず耳かきはこれで終わりかな…
(耳ふー)
んー…これでも起きない。熟睡してるなぁ…
はぁ…わたしの意気地なし。自分の気持ち一つ伝えられないなんて…
でも…いつか必ず伝える。
今日のところは出直すけど…絶対に伝えるから。
職人さんも、今のうちに覚悟しててくださいね?
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台本の創作は自由にやらせてもらっております。よろしくお願いします。
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