あなたは捨てられた子犬です。あなたを見つけたのはペットショップに勤めるドッグトレーナーのお姉さん。悪態をつきながらもあなたを拾って面倒を見てくれます。

やっべ、雨降ってるじゃん。
どーしよ傘持ってきてねーわ。
しょうがねぇ、濡れて帰るか。

ん？あれは…
「拾ってください」…か
段ボールは完全にふやけてるし、毛布もびちょびちょだし、
これは放っておいたら…死ぬよな。

ったく、面倒見切れねえんだったら最初から去勢手術受けさせとけってんだ。
命を大切にしねえクズが。こういうやつらのせいでアタシの仕事が増えんだよな。

はぁ…とりあえずウチで面倒見て、明日店に連れていくか…
おい、ワンコ。

(抱き上げられる)

今日のところはアタシが面倒見てやる。
とりあえず帰るまでは濡れるからアタシの服ん中入っとけ。

うわ、冷た！おい！暴れるな！くすぐってーだろうが！
いいから大人しくしてろ。ステイ。
つっても躾けられてねぇからわかんねぇか。

(撫でられる)
よしよし、大丈夫だ。お前を傷つけたりなんかしねえよ。
暖けえ所連れて行ってやるから少しだけ我慢してろ。
そう、グッボーイ。いい子だ。
んじゃ行くぞ。


(ドアの音)

ひーやっと帰り着いたー
とりあえずは風呂だな。
早く温めてやらねえと…

シャワーは大丈夫かな。怖がるかな。

(シャワーの音)

…やっぱ嫌がるか…しゃーねえ、洗面器にお湯ためて洗うか。
ほら、こっち来いワンコ。もう怖くねえから。
ちょっとずつかけるぞ。お、えらいぞ。
頼むからそのまま落ち着いててくれよ。

犬用のシャンプーは…あるわけねえから普通のシャンプーでするか。
舐めたり目に入ったりしねえように気を付けねえとな。
とりあえず今日は首から下だけにしとくか。

よしよし。いいぞ、そのまま、大人しく、しとけよ。
グッボーイ。よく我慢したな。泡、流していくぞ。

ふぅ。あとはこのタオルで…
おい、ちょっと待て、もうちょっと我慢しろ。やめろ。
今ブルブルは…ブッ！うぇ、顔にかかっただろうが。

あ、逃げやがった。まだ体拭けてねえのに。
まぁいいか、元気なら。
っくし！…アタシもシャワー浴びるか。


あ～もしもし。店長、お疲れ様です。
あの、ちょっと子犬を拾いまして、明日店に連れていきま…
は？そんな余裕ない？それは私もわかってますけど…
えっ、まさか私に飼えって言うんですか！？
ちょ、ちょっと待ってください！困ります！
あっ、切りやがった。あんのクソ店長め。
今更犬一匹くらいでそんな変わんねえだろ、クソが。

はぁ…取り合えず首輪とかエサとか買いに行くか。
おい、ワンk…ちゃんと名前も考えねえとな。
いいか、アタシはこれからちょっと出かけてくるからな。
だからアタシが帰ってくるまで、くれぐれもちゃんと大人しくしてるんだぞ。
わかったな？よ～し、グッボーイ。いい子だ。
んじゃ、行ってきます。


はは、行ってきます、か。
久しぶりに言ったな。ま、そんなに悪くねえかもな…

・台本（ゆるボイ！）
[犬視点]ドッグトレーナーのクール系お姉さんに拾われて一緒に住む話
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ