姪っ子を預ったある休日、出かけた先で先輩に出会った。普段はクールだけど実は嫉妬しちゃう性格の先輩は、姪っ子ちゃんの些細で幼い好意にも張り合っちゃって…

おや…後輩くんじゃないか。
奇遇だなぁ。こんなところで。
珍しいじゃないか。後輩くんが、何もない休日に外出だなんて。
君は本格的なインドア派だからねぇ。

ん…？
その後ろの女の子は…
ま、まさか後輩くん、誘拐だなんて…
いや、いい、良いんだ…後輩くんの好き嫌いに口を出すつもりはない。
しかし女児を誘拐は流石にマズイんじゃないのか…？

逮捕されれば仕事はクビ、社会的な地位も地の底まで落ちてしまう…
君は一生、「手を出したロリコン」という肩書きを背負って生きていく頃になるんだぞ？
まだなんとかなるかもしれない…！すぐに自首して…

ふっ…ふふ、あはは！
まさか、本当に後輩くんが女児を誘拐しただなんて思っちゃいないさ！
冗談に決まっているだろう？

で、さっきから君の後ろに隠れて私をジッと睨んでいるその子は誰なんだい？
…ふぅん、君の姪っ子さんだったか。
子守りを任せられたというわけだね。

大体わかるさ。
子守りを任せられたけど、あまり子供と接し慣れていない君はどうすれば良いのか困って、とりあえずこのショッピングモールに連れてきたんだろう。

図星、って感じの顔だな。
私かい？私は服とか、日用品を買いに来ただけだよ。
そうだ、行くアテがないなら少し一緒に歩かないか？
近くにフードコートなんかもあったはずだし、少しお話ししようじゃないか。
姪っ子ちゃんも、良いかな。

ふふ。ありがと。
姪っ子ちゃんも、後輩くんに似て愛嬌があるじゃないか。
でも、そんなに睨みつけないでもっと笑ってくれても良いのに。
ん〜？そうか…君のお兄さんが私に盗られると思って警戒してるんだな〜？

ふ〜ん。大好き、かぁ。
後輩くんはなかなかモテるなぁ。こんな小さな女の子にまで好かれるなんて。
ふふ、そうかそうか。姪っ子ちゃんも後輩くんのお嫁さんになりたいのかぁ。
でも君はまだ結構できる年齢じゃないだろ〜？
そういえば姪っ子ちゃんは何歳なんだっけ？

ふむ…ということはまだ小学生かぁ。
学校には、お兄さんよりかっこいい男の子もいっぱい居るんじゃないのか？
運動できるとか、頭がいいとか…

ははは、そんなにお兄さんのことが好きなのか。
では…どちらが先に後輩くんのお嫁さんになるか、私と競争だな。
ズル〜？私が有利だって？
いやいやいや！そんなことないさ！

たしかに私は毎日後輩くんと会って同じ職場で仕事しているし、一緒にご飯を食べに行ってそのままお酒を飲むこともある。
なんなら、そのまま2人きりでお泊まり会までしたこともある。
でもね、後輩くん、こんなにアピールしてるのに全く気がついてくれなかったんだよ！？
それに…

おい、ちょっと待て。後輩くん。なんだいその顔は。
まさか本当になんとも思っていなかったのか？

(心の底から信じられないというように)
…嘘だろう…？あぁ…こんなにアピールしてたのに…？

マズイな…思ったより深刻だった。
このままでは、姪っ子ちゃんに負けるというのも冗談では無くなってしまうぞ…

ふふ…ははは！わかったかい、姪っ子ちゃん。この鈍すぎるお兄さんの前では、私と君のスタートは同じってことさ。あぁ、今から競争だ。

(顔を寄せて話す。胸ぐらを掴んで寄せる感じ)
では、後輩くんもそのつもりで、な。
う〜ん？まだわからないかい？これは君に対する宣戦布告でもあるのさ。
私は大人気(おとなげ)ないからね。あらゆる手段を講じて君と向き合うつもりなのさ。相応の覚悟をして待っていると良い。
君が鈍感だというならば、こちらも強硬策に出るまでだ。
それに今回はスピード勝負だしね。多少強引で手荒だったとしても手っ取り早い方法で攻めるつもりさ。

(顔を離す)
さて、私はそろそろ行こうかな。
この後、幾つか買い揃えなきゃ行けないものもあるからね。
それじゃ、また会社で。姪っ子ちゃんもお兄さんのいうことを聞いて良い子にしているんだぞ？

あぁそうだ、最後に…後輩くん、この辺でアウトドアグッズ…ロープなんかを買えるホームセンター知らないか？

・台本（ゆるボイ！）
クールな先輩は嫉妬で小学生相手にまで張り合っちゃう話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
奏流 漁(幼女かなで)