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ちょいウザ女友達がヤンデレサイコパスだった話
written by 住公子
  • ホラー
  • ヤンデレ
  • サイコパス
  • 友達
公開日2022年10月01日 22:12 更新日2023年05月08日 00:11
文字数
1996文字(約 6分40秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
女友達
視聴者役柄
主人公
場所
特になし→森
あらすじ
ある暑い夏の日。
ちょっとウザいところがあるけれど、気の置けない女友達と話していた主人公。
話の流れで森に埋まっているという死体を探しに行くことになったが……?

主人公がどうなったかは、それぞれご自由に想像してください。
本編
……暑いねぇ。
え? まぁ、余計に暑くなるかもしれないけどさ。
そんな言い方しなくてもいいじゃん。
それに、あえて暑いと言うことによって体が暑さに備えようとするから結果として暑さに耐えられるようになるなんて説も――
はいはい、分かりました、もう言いませんー。

そうだ、怖い話でもしようよ。
なんでって、冷えるかもしれないじゃん。
頭も身体も心もさ。
ほら、そっちから。
なんかひとつくらいあるでしょ。
向こうの森に死体が埋まってるらしい?
求めてるのはそういう怖さじゃないんだけどな。
と言うか、誰から聞いたの? そんな眉唾な話。
あぁ、あの人達か。
好きだよね、そういう根も葉も無い噂話。
ま、誰も信じないと思うけど。
なに……どうしたの。
はぁ? 探しに行く? 馬鹿なの? 
キングじゃあるまいし。アオハルのつもり?
あれ、知らない? スティーブン・キングの「スタンド・バイ・ミー」。
小説だよ。少年4人が死体を探しに行くって話。
名作だから、読んでみるといいよ。映画でもいいけど。
そんなことよりさ、やめときなよ。
触らぬ神に祟りなしって言うじゃん。
どうせなら、もっと楽しいとこに行こうよ。
えぇ……? なんでそんなにムキになってるの?
いや、浪漫とか言われても、知らないよ。
死体を探すのが浪漫ってなに。
ちょっと、ホントに行くの? おーい。

あーあ……行っちゃった。
追いかけた方がいいのかな、こういう時ってさ。

※間※

なんと言うか、ホントに行き当たりばったりだよね。
死体を探すっていうのに道具のひとつも用意してこないなんて、なに考えてるの?
感謝してよ、わざわざ持ってきてあげたんだから。
うん? なんで持ってるって言われても。
こんなの、家に1本くらいない?
新しいのは最近買ったからだよ。
理由? 前のが壊れたから。
あと、これはスコップじゃなくてシャベル。
足かける部分があるじゃん。
どっちでもいい? 大事なことだよ。アイデンティティだよ? それに[[rb:JIS > ジス]]規格でどう呼ぶかはちゃんと決まって――
はいはい、分かりました、黙りますー。

ところで、目的地があって歩いてるの? 
これも行き当たりばったりなんて言わないよね?
1番大きい木っていうと、御神木とかいうあれ? 
あれの下に埋まってる説?
ふーん……ありがちな噂って感じ。
噂といえば、あの噂話大好き集団さ。
最近、1人見かけないよね。
そうそう、副リーダーっぽい美人さん。
なんでだと思う? 分かんない? そっか。
あんたとはわりと仲良かったよね。
と言うか、好きだったんでしょ?
いや、一目瞭然だよ、あんなの。
会えたら告白してみたら?
応援してあげるよ。

※間※

着いたねぇ。
それじゃ、さっそく掘ってみなよ。これ使っていいから。
え? そりゃ掘るのはあんただよ。当たり前でしょ。
ほら、がーんばれ♡ がーんばれ♡
ウザい? あ、そう。

うん? あの美人さんのこと? 急になに?
まぁ、私はあんまり好きじゃなかったけど。
なのに告白を応援するのは変? そうかな。
私には欠点が見えた。あんたには美点が見えた。
それだけの話でしょ。
そういうことじゃない? じゃ、どういうことさ。
はいぃ? 私があんたのこと好きだから?
つまり『自分が好きな男』が『自分が嫌いな女』に告白するのを応援するのは変だ、と?
アホらし。自惚れんなバーカ。……と言いたいところだけど。
気付いてたんだ。そっか。そっかぁ……わりと恥ずいね。
どこが好きか? そういうこと訊くかな、普通。
そうだなぁ……なんだかんだ言って、私の相手をしてくれるところとか。
ほら、私って面倒くさいでしょ。
自覚あるなら直せ? 無理だよ。
ふふ、そうやって笑ってくれるところだよ、好きなのはさ。
なんで謝るの? 私、別に諦めてないからね?
どうせ、あの美人さんには振られるだろうし。
そしたら私が付き合ってあげるからさ。
私の告白を断ったら、埋めてやるんだから。
はいはい、冗談ですー。
まぁ、頑張ってみなよ。
応援は本当にしてあげるからさ。

んー? あの人のどこか嫌いだったか?
この流れで、そんなこと訊く? まぁいいけど。
うーん……細かいことネチネチ言ってくるところかなぁ。
お前が言うな? あはは、ごもっとも。同属嫌悪って奴かな。
私も、もっとちゃんと話してみれば仲良くなれたかもね。
ま、あの人に限ったことじゃないんだけど、噂話の[[rb:類 > たぐい]]が嫌いってのが一番大きいかな。
嘘とか憶測を喋るのがよくないのは勿論だけど、本当のことでも言いふらされたら嫌なことってあるじゃん?
[[rb:事実陳列罪 > じじつちんれつざい]]ってやつかな。
まぁ、言われて困ることする方が悪いんだけどね。

たとえば、そう。こういうこととかさ。

これで告白できるよ。よかったね。

※間※

ふぅ。
結構汚れちゃったな。
まったく、言わんこっちゃない。
余計なことに首突っ込むからだよ。
ま、いい感じに冷えたでしょ。
頭も身体も心もさ。
今度はどこにしようかな。
山も海も行ったしな。
とりあえず、もういいよね。
……暑いなぁ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ちょいウザ女友達がヤンデレサイコパスだった話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
住公子
ライター情報
すまい きみこ
住公子、通称ハム子と申します。
これまでpixivで活動していましたが、ゆるボイ!でも投稿することにしました。
ご縁がありましたら、なにとぞ。

TwitterID @kimiko_hamuko
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