俺が担当しているバレー部のエースとは、顧問だからか二人っきりになるの妙にべったりくっついてくる。
教師だし、間違っても手を出したりはしないが……。
こいつの攻め方がなんというか、湿っぽい。

【】：状況
（）：声色 or SE

【聴き手が作業中】
【読み手はクラスの子に対応している】

あぁ。ちゃんと先生には伝えておくよ。
キミはこれから友だちと予定があるんだろう？　早く行っておいで。

【扉を閉めて、鍵を閉める】
（扉ガラガラ）（鍵ロック）

そういうことだって、先生。
バレー部にまた1人入部者が増えたね。
私にとっては嬉しいことだよ。これでもバレー部のエースだし。
こういうのを自分から言うのは躊躇われるが、学園の王子様、なんて呼ばれてるからね。

この私が、だよ？　おかしな話だ。
先生の前では、そんなことないのにね。

【聴き手が後ろから抱きしめられる】

はぁ……。また入部者が増えるんだよ。私目当ての。
なんとも思わないのかな？

……先生はいつもそうだよね。
私がこんなにもアプローチしてるのに、全然落ちてくれない。
私は、とっくに落ちているのに、さっ。

【強く抱きしめる】

これでもさ、私もないわけじゃないんだよ。
こうやって抱きしめられたら嫌でも感じない？

私の、胸がさ……（ささやき声）

王子様なんて言われてるけど、実際はなりたくてやってるわけじゃない。
いい子ぶって、先生からの評価点が欲しいだけ。先生に振り向いてほしいだけ。
私だってまだ若い女の子なんだよ？　禁断の恋をしてみたいんだよ、先生と。

【聴き手振り向く】

やっとこっちを見てくれた。
ねぇ、先生。私、頑張ってるよね？
バレー部だってエースとして、チームを導いている。
日常生活は可愛い女の子をからかうなんてことしてるけど、学校のために奉仕してる。

先生だけなんだよ、私を褒めてくれるのは。
先生だけなんだ。私が、ちゃーんと私で居られる唯一の場所は。

ねっ。頭なでてほしいな。
誰にも見られてない今じゃないとダメなんだ。だから……。ねっ？

（頭を撫でる音）

んん……。気持ちいい。
先生が褒めてくれるの、やっぱり嬉しいな。
先輩や後輩、同級生なんかじゃない。
優しくて包容力のある、先生みたいな立派な人に褒めてもらいたいんだ。

ありがとう。先生が居てくれないと、ダメだ。

……ねぇ。私と付き合わない？
もちろん誰にも秘密にするから。秘密の、関係にしたいから。
ダメ……？

【聴き手、お断り】

……だよね。先生の返事は知ってる。
だけど。今後もいっぱい誘うから。
諦めずに、愛して、誘惑して。
卒業までに絶対イエスの返事、貰うよ。

ふふっ。知らなかった？
私はとんでもなく欲しがりなのさ！
私が私でいられる先生の隣は、私のモノだからね。

・台本（ゆるボイ！）
親愛なる王子様系女子生徒は、先生に甘えん坊
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス