近所のお姉さんはいつも僕と話してくれるお姉さんだ。
今日はハロウィンってことで、お姉さんにお菓子をおねだりしに行くんだ。
でも、お菓子を持ってないってことでイタズラすることに……。
お姉さん、なんか目が怖い。

【】：状況
（）：声色 or SE

【聴き手がチャイムを鳴らす】
【読み手がドアを開けると、トリックオアトリート】

あら、こんばんは。
突然トリックオアトリートだなんて、まるでハロウィンみたいね。
とりっくおあとりーと……？
……あぁ。あぁ！　そうだったわね！　今日はハロウィンだったわね！
ごめんねぇ、最近曜日の感覚がずっとなくって。

で、トリックオアトリートね。
おやつ。何かおやつはあったかしら……？
えーっと、アメは買い足してないし、チョコも全部食べちゃったわね。
袋菓子もみーんな私が食べてしまった気がするし……。

ふぅむ……。ないわねぇ、お菓子。
それじゃあ、仕方ないわよねぇ……。

【買い足してくれば？　の純粋な質問】

うっ、無垢な笑顔が痛いわぁ。
違うのよ。これはライブ感が大事なの。
キミにはまだ分からないかもしれないけど、こういうのは瞬間瞬間を大切に生きることが重要なのよ。

だから私の手元に今お菓子はないの。
いーい？　私は、キミにイタズラされるしかないの。
だから、しちゃお？　私にトリックしちゃお？

【イタズラって何をすればいいの？　とドン引き気味の聴き手】

あらやだ、ごめんね。
子ども相手につい調子に乗っちゃった。
あのね、イタズラって言うのは何も悪い事をすればいいって言うわけじゃないのよ。

例えば家の壁に落書きするとか、自転車を倒しちゃうとか。
そういうのは悪い事。イタズラじゃなくて、それはもう犯罪になっちゃうの。
相手が許してくれる範囲を攻めてこそ、真の気遣いできるいい男になれるのよ。

だから心配しないで。ドン引きもしなくていいわ！
私はキミに何をされても、大抵のことは許しちゃうから！

【じゃあどんなことがいいの？　純粋な質問】

どんなこと、かぁ……。
んー、例えば私に抱きついちゃうとかぁ、私の耳元で『お姉さん、ざっこｗｗ』って言われるのとかぁ……。

あぁ！　イケないわ！　イケない妄想を膨らませてはダメ！
大切なのは私はキミになら何をされても許しちゃう点……じゃなくて！
愛を持ってイタズラすることよ。

悪意を向けられたら、私だって傷ついちゃうもの……。

【さっきの煽りはなんなの？　聴き手の純粋な質問】

あ、あれはね！　……ほら、私ってゲーム弱いでしょう？
だからその感想をキミに言ってほしかっただけなのぉ！

それよりも！　キミが考えて、私にイタズラしてみて。
人生の経験のひとつになると思うし、キミになら何をされても許しちゃうし！
ね？　さっきのことは置いといて。
キミが私にしたい事、1つだけ叶えてあげるよ？

【頭を撫でてほしい、と恥ずかしめに】

頭を、撫でてほしいの？
……それだけでいいの？　もっとかげ、ゲフンゲフン！
もっと楽しいことをしてもいいんだよ？
それでも、頭を撫でてほしい？

……そう。なら、いっぱい撫でてあげないとね。

よし……よし……。キミはえらいねぇ……。
ハロウィンに近所の家に訪問するなんて、勇気がいるもん。
キミは立派な勇気を持ってる、たくましい男の子だよ……。

いつも私と話してくれて、すごいよ。
年上の人と話すのって難しいから、気になったことをすぐに質問できるのはえらいの。
よし……よし……。キミは立派だよ。大人だよ……。

……こ、これでいいかな？
私までちょっと恥ずかしくなってきたから、もう終わり！　イタズラ終了！

って、あれ？　これは私がイタズラしている側なんじゃ……？
私はキミにイタズラしてほしかったんだけど……。まぁ、いいかな！

キミの頭を撫でる方がずっと恥ずかしかったし……（小声）

次の家に行ってくるんでしょう？
そんなに呆けてないで、早く行ってらっしゃい。
また、待ってるから。ね？

・台本（ゆるボイ！）
近所のお姉さんはハロウィンにイタズラしてほしくて仕方ない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス