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自称妻の先輩は合コン参加を許さない
written by 夜木嵩
  • ヤンデレ
  • 先輩
公開日2022年11月06日 18:11 更新日2022年11月06日 18:11
文字数
2326文字(約 7分46秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
先輩
視聴者役柄
指定なし
場所
カラオケボックス
あらすじ
友人に騙されるようにして合コンに連れられたその二次会。
慣れない場と酔いから落ち着くために、あなたはカラオケボックスの部屋を出ると、そこには先輩がいた。
会ったのは偶然らしいが、何故か今日のことを知っていて、「旦那さんになる人」としてあなたを責めてくる。
本編
 (@カラオケボックス)

 (SE:喧騒)
 (SE:ドア音)

あら?
君、こんなところで会うなんて、偶然ね。

友達と歌いに来たってところかしら?

ふーん、まあ、そんな感じ、ね……

えっ、私?
私もそんな感じよ?
なんか友達が、推しのアーティストの新曲配信されたから歌いたい、って言い出して。
私別に関係ないはずなのに、無理矢理連れ出されたって感じ。

ただ、カラオケ自体は嫌いではないし、最近あまり来れてなかったから、ちょうどいい機会ではあったわね。

それにしても、気になるのだけれど、君はカラオケに来て、何を歌うのかしら?

ふぅん、確かに、君らしいかもね。

でも、誰かと行くカラオケだと、場の盛り上がりみたいなのを考えなきゃいけないというか、とにかく、好きなように歌えないところもあって大変じゃない?

正直、歌いに来るのなら一人が一番だと思うのよ。
どうしても、グループとかになると、歌で「盛り上がる」ことが目的になってくるから。

私?
私は、友達と二人だから、そこまで気を遣う相手じゃないし、お互いに自由にやらせてもらってるわ。
それに、いつも私のこと振り回してくるんだもの。
選曲ぐらいで文句なんか言わせないわ。

それで、君の方は楽しんでる?

まあまあ、か。
あんまり馴染めてないのかしら?
まだ結構緊張しちゃってる感じね。

それで密室の中、長時間っていうのも、かなり疲れそう。
今、一人になってホッとしてたんでしょう?
わかりやすいくらい、力が抜けたような表情してたわよ。

その後私を見つけて、あっ、ってちょっと強張ったけれど。
私、そんなに怖いかしら?

あぁ、私が落ち着いた感じだから?
確かに、君も私には、打ち解けてくれてないような気がするわね。

付き合いも決して短くはないと思うのだけれど、先輩相手という意識もあるからなのかしら。
そんなもの、所詮少し早く生まれただけのことに過ぎないというのに。
そこに上下なんて、無駄な考えだと思わない?

私は君が後輩だからって偉そうにするつもりも、距離を作るつもりもないわ。
……むしろ、もっと近くないと。

ごめんなさいって、謝ることじゃないわ。
謝るくらいなら、私に遠慮するのをやめてくれればいいだけなのだから。

んふふっ、簡単なことじゃないか。
遠慮するなって言われても、性格だものね。

 (ここからテンション低く)

でも、そうだとしたら、どうして君は合コンなんかに参加しているのかしら?

そんな驚いて……隠せてると思ったの?
わかるわよ、君の嘘くらい。

私から友達と来たのって聞かれて、濁すように頷いて。
話してる最中ずっと、なんだか、いつも以上に落ち着かない感じに見えたわ。

まるで、何かを隠しているかのように。

隠してたのでしょ?
君がここにいる理由が、合コンだってこと。

いけないことだってわかってるのは、えらいわね。
これから私の旦那さんになるのだから、これだって立派な裏切りになるもの。

けれど、やっちゃうんじゃ、その意識も台無しよね?
罪悪感があっても、やったことには変わりないのだから。

あと、私相手に隠し事は出来ないってこと、ちゃんと肝に銘じておくように。
そもそも、君が男女何人かで部屋に入っていくところ、見てたのよ。
なんなら、一次会から君のこと、後つけてたわ。

近くの席から、知らない女と話してる姿を見てたの。
君はあまり異性の心を知らないのだろうけど、あの仕草といい、表情といい、なかなか好意的に見ているようだったわ。

君がモテるというのも、少しは嬉しいことだけれど、浮気を眺めるのはやはり、気分のいいものではないわね。
やっぱり、隣にいないと安心できないみたい。

さあ、帰りましょうか。

まだ途中って、そんなもの、気にする必要ないわ。
合コンというのは、途中で抜け出すものよ?
それくらい、急用ができたとでも言えばいいの。

だけど、君のことだから、部屋に戻って、雰囲気に流されて結局最後まで……なんてことも想像がつくわ。
君のスマホ、貸してくれる?
私が、君の友人に連絡だけしておくから。

はい、これで十分ね。

しかし、君にはどんな罰を与えようかしら。

なんでって、君は私の旦那さんになる人だから、これだって浮気になるって言ったわよね?

そうよ、君は私の旦那さん。
いつだか、私のことを好きだって言ってくれたじゃない。
あれはもう、完全にそういう意味だと思うのだけれど。

違う……?
先輩としての好き……。

もう、そんなこと言われてもどうにもできないわよ。
私はその日から、その気になったのだから。

君は私の旦那さん。
どんなことを言われようと、決まったことは取り消したりなんかしないわ。

むしろ、予定を早めるしかないようね。

今まで、色々と支障とか、周りの目もあるから、卒業してからにしようと思っていたけれど、今すぐ君を私のもとに置いておかないと、すぐにどこかへ行ってしまいそうだし。

今日みたいに、合コンなんて淫らなものに参加されたら、たまったものじゃないわ。

いやいや、数合わせだとか、騙されただとか、だからといって他の女と仲良くならないわけでもないし、本気とか関係なくそういう場にいてほしくないの。

だって、他の女に恋愛対象として見られる可能性があるのよ?
君のことだから、上手く策略立てられたり、熱烈に迫られたら、簡単に搦め捕られてしまいそうで、心配で……

旦那をあらゆる危機から守るのは、妻の義務だから。
今まで、束縛するのもかわいそうだと思っていたけれど、危ない思いをしてみると、そんなこと、些細なものね。

もう、君が離れたいと思っても離れられないくらい、強く縛り付けて、私のもとからいなくならないようにしておかなくちゃ。

ほら、帰りましょう?

あら、それが抵抗のつもり?
んふふっ、お酒入ってるせいで、全然抵抗になってないわよ?

それじゃあ、私のお家に帰りましょうね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
自称妻の先輩は合コン参加を許さない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
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