アイドル事務所でマネージャーを務めている貴方は、自身の担当アイドルとなった妹に、他の女性に襲われたことを看破される。妹に問い詰められていたところ、同じ事務所のもう一人のアイドルが家まで貴方に会いに来て…？

A.クール系アイドル　B.ダウナー系アイドル


［自宅にて］


A.おかえり、兄さん。少し話があるんだけど…


A.いや、その…最近、いつにも増して兄さんから女の匂いがするなって…


A.わたしがいるのに…他の女の子から手を出されたの？誰？


A.はぐらかさないで。わたし、知ってるんだから…兄さんがここ最近、襲われまくってるってこと。


A.今の兄さんには色んな女の手垢がついてる…今すぐにでも消さなくちゃ…


A.待たないよ…だって兄さんはわたしだけの…


(インターホン)


A.ダメ！兄さんは出ないで！わたしが出るから！


A.嫌な予感がする…！もしかしてまた別の女が…！


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(Aがドアを開く)


B.どもー、マネピー…って、違った。妹の方じゃん。ハロー。遊びに来たんだけど、上がっていい？


A.ダメ。今すぐ帰って。兄さn…マネージャーは疲れてるの。貴女の相手をしてる余裕はない。


B.いやいや、そんなわけないじゃん。マネピー、あぁ見えてけっこう強いよ？実の妹が信じてやらなくてどうすんのさー。ってか、そんなことはいいから上げてよー。


A.嫌だ。絶対に上げない。貴女みたいな貞操観念がガバそうな子を、マネージャーと会わせるわけにはいかない。


B.ちょっと〜…偏見でモノ言うのやめなよ。流石に人としてそれはどうなの？つーか、仮にもマネピーの担当アイドルのくせに、そういう言動はマネピーに迷惑かかるんじゃない？やめた方がいいよ、それ。


A.なんとでも言えばいい。マネージャーはわたしにとって大切な人だから…わたしが守るって決めたの。いいから帰って。


B.ちょっとマネピー？いるんでしょー？この融通効かない妹さん、何とかしてくれなーい？


A.…ッ、兄さん…でもこの子は！


B.そうそう♪ マネピーの言う通り。玄関で言い合いしてたら、近所迷惑でしょ？てことで、お邪魔しまーす♪


A.調子に乗らないでよ…わたしの目の黒いうちは好き勝手させないから。


B.はいはい、分かってますってー。だいじょーぶ、だいじょーぶ。そんな怖い顔しないで。ねっ？


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A.ちょっと…兄さn、マネージャーから離れてくれる？それはくっつきすぎだと思う。


B.え〜？そうかなぁ？こんなの、ただのコミュニケーションじゃん。やっぱ普段からそこそこ仲良くなっとかないと、仕事も円滑に回せないしー。


A.そんなことない。マネージャーは優秀だから、別に引っ付くほど仲良くなくても、仕事は進められる。あまり適当なこと言わないで。


B.ねー、マネピー。この子、本当にアイドル？や、顔は可愛いけど、仏頂面しかしてないし、アイドルとしては落第じゃね？って思うんだけど。


A.それは貴女のせい。貴女さえいなければ、わたしだって、マネージャーの前で最高の笑顔になれる。


B.なーんで、人を諸悪の根源扱いするかなぁ、この子は…アイドルが人を選り好みするっていかがなもんかなーって思いますけど？あたしは。


A.…ちょっとハサミ取ってくる。その舌、二度と回らないようにしてやる…！


B.うっわ、こっわ…目がマジじゃん。アイドルが犯罪者の顔してんの、普通にヤバない？マネピー、あたしじゃなくて、そっち追い出した方がいいよ。


A.うるさい、もう黙って…！貴女の一言一句を聞くたびにイライラする…！ここはわたしと兄さんの家なの！よそ者の貴女が入り込む余地なんて、一ミリたりともないの！わかる⁉︎


B.あ〜、本性出たね。マネピーのこと、独占する気満々じゃん。守るとか言っときながら、実はぜーんぶ自分のためなんでしょ？お兄さん兼マネージャーを守る自分に酔いしれてんだ。そういうの、マジで見てて痛いよ？


A.(深呼吸) だったら貴女はどうなの？兄さんのこと、ホントはどう思ってるの？どうせ兄さんの金目当てで近づいてるんでしょ？いつも事務所でも兄さんの前で養ってって連呼してるもんね？しかも勝手に実家に押しかけて、うちの親に挨拶したって聞いたよ。ふざけるのも大概にして。


B.まぁたしかにそうだけどさー…でもあたしもマネピーのことは本気で好きだよ。好きだからこそ、一生一緒に暮らしたいって思って頑張ってんじゃん。めちゃくちゃ簡単なことでしょー？


A.そんなことわたしは認めない。兄さんのお荷物となることが確定してる貴女を、家族として迎え入れるなんて論外。それならまだ、うちの事務所の社長に婿入りさせた方がマシ。


B.そこまで言うか〜…なら、もう交渉の余地はないね。マネピーに選んでもらうって形で決着つけよっか？


A.望むところ。兄さんが貴女みたいなニートアイドルを受け入れるなんて有り得ない。兄さんを本当の意味で理解し、守ってあげられるのはわたしだけ。わたしは兄さんの妹だから。


B.守る守るって…マネピーがいつ守られたいっつった？さっきから言ってること全部、アンタの独りよがりな意見じゃん。ちゃんとマネピーの意志は確認したのかなー？


A.わたしは妹で、今は兄さんの担当アイドルだから。兄さんのことは全部分かってるつもりだよ。


B.あ〜、ダメだこりゃ。ほら、マネピー、サクッと決めちゃって？いい加減、兄離れさせないとダメだよ、これは。


A.兄さん…ダメ。この子の言うことに耳を貸さないで。兄さんがダメになっちゃう。


B.へーきへーき…マネピーは真面目すぎるからさぁ、あたしみたいな脱力系女子がちょうどいいんだよねー。さ、あたしを選んで？絶対後悔させねーから。


A.兄さん…兄さんはわたしを選ぶよね？今一番しんどい状況の兄さんを支えられるのは、わたしだけなんだから…！


A.兄さんにとっての一番のアイドルは、わたしだよね？
B.マネピーにとっての最高のアイドルは、あたしだよね？

・台本（ゆるボイ！）
激情的なクール系アイドルと不真面目なダウナー系アイドルに挟まれて、自宅でも安息が得られない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎