0
ウエディング・エンディング・ディーリング
written by 住公子
  • ファンタジー
  • 純愛
公開日2023年01月16日 12:14 更新日2023年01月16日 12:14
文字数
1271文字(約 4分15秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
悪魔の女性。偉そうだけど妙に真面目
視聴者役柄
一般男性
場所
指定なし
あらすじ
ベット・ソウル→←ゲット・ヒールのアフター。
結婚と、終末と、取引のお話。通じるかはともかく単体で読んで頂いても。
本編
うーむ……どうしてこうなったのだ?
「何が?」ではない。
何故、我は貴様とこんなところにいる?
あー、分かった分かった。「私」と「お前」な。
何故、私は教会でウェディングドレスなぞを着ているのだ。
これから結婚式だからとか、そんなことは分かっている。
そこに至った経緯のことを言っている。
いや、詳細を聞きたい訳ではないが。
この言葉、前にも言った記憶があるな。
記憶といえば、お前の伴侶になるつもりはないと言った覚えもある。
そうだな。真名を使った契約で、私を従えてみせろとも言った。
しかし結局、お前は私はの真名を知ろうとすることはなく、
だというのに私はお前と結婚式をやろうとしている。
まったくもって解せぬ。
嫌なのか、だと?
……あいも変わらずの馬鹿だな、お前は。
嫌ならこんな格好などしないし、そもそもプロポーズを受けたりしない。
いやまぁ、文句を言うなと言われると返す言葉もないのだが。
しかしなぁ……私は悪魔だぞ?
よりにもよって、教会で挙式はなかろう。
……いや、神前式の方がいいとか、そういう問題でもないが。
いずれにせよ、神の祝福とは縁遠い存在だしな。
まぁ、ここまで来て四の五の言っても仕方ないか。
今後ともよろしく頼むよ。
夫殿。

※数十年後(読み上げ推奨)

医者は行ったか。姿を変える必要もないな。
やれやれ、老婆の姿というのも窮屈なものだ。
……(溜息)
お前が私の声に反応しなくなって、そろそろ一週間か。
医者からも、おそらく今夜が峠、もっても数日と言われたよ。
なんだかんだで、長生きしたものだ。
実りある人生でもあっただろう?
独立し、中堅とはいえ社長となって、部下にも恵まれた。
子供は出来なかったが、養子を迎えて孫もできた。
私としても充実した数十年だったよ。
お前の魂も、老いてなお輝いている。
私も契約を果たせた訳だ。
……そうか、そろそろお迎えが来たか。
しばしの別れだな。
さらばだ、我が愛しき伴侶。

※ほんの少しあと(読み上げ推奨)

おい。
目を覚ませ。
おい!
うむ、覚醒したようだな。
何をぺたぺたと自分の身体をまさぐっている?
身体が若い?
ああ。我と出会った頃の姿になっているからな。
自分は死んだはず?
それは当たらずとも遠からずだな。
あそこを見ろ。魂の抜け殻となった、貴様の身体だ。
死ぬ直前だったのは確かだが、死神にはお帰り願った。
貴様の魂は我のモノである、とな。
契約を覚えていないのか?
ま、忘れているだろうなとは思っていたが。
我と貴様が結んだ契約……。
それは、我が貴様を癒やした暁には魂を頂く、だ。
うむ、思い出したようだな。
これまで貴様には尽くしてやったのだ。
今度は貴様が我に尽くす番という訳だな。
という訳で、貴様には悪魔に成ってもらった。
めでたく、我と対等な上級悪魔だ。
……なんだ、その台無しだとでも言いたげな顔は。
最初に言ったではないか。悪魔との契約は死ねればマシだと。
まぁ、聞いてくれ。
我にはな、貴様と過ごす中でやりたいことが出来たのだ。
「夫婦で活動する、叶える願いは誰かの為になることだけの悪魔」
面白いと思わんか?
ふっ……貴様ならそう言ってくれると思ったよ。
それでは、早速活動を始めよう。
さぁ、行くぞ、我が愛しき伴侶よ!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ウエディング・エンディング・ディーリング
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
住公子
ライター情報
すまい きみこ
住公子、通称ハム子と申します。
これまでpixivで活動していましたが、ゆるボイ!でも投稿することにしました。
ご縁がありましたら、なにとぞ。

TwitterID @kimiko_hamuko
有償販売利用の条件
音源提供必須
利用実績(最大10件)
住公子 の投稿台本(最大10件)