- お嬢様
公開日2023年01月19日 18:08
更新日2023年01月19日 18:08
文字数
2507文字(約 8分22秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
お嬢様
視聴者役柄
御曹司
場所
視聴者役邸
あらすじ
先代が築き上げた企業は、その先代の死後、没落の一途を辿っていた。
目の前に残酷な未来が待ち受けているとすら思える一人の少女は、その家の一人娘。
己の未来と、先代の意志を守りたいと、あなたに縋りつく。
目の前に残酷な未来が待ち受けているとすら思える一人の少女は、その家の一人娘。
己の未来と、先代の意志を守りたいと、あなたに縋りつく。
本編
はい、それで、折り入っての頼み、についてなんですけども。
どうか、私と、この家を救っていただきたいのです。
いえ、わかってます。
唐突にこのような無礼な相談をされても、ただ困惑するだけ、だというのは私だってわかっていますから。
私も、この無理を押し通すために、何の考えもなくやってきたわけではありません。
助けての一言で全てがどうにかなるほど、世界は甘くありませんもの。
あなたとの関わりも、なかったわけではありませんが、だからといって特別、と言えるほどまでは深かったわけでもありませんし。
これが、図々しい頼みであることは、重々承知の上です。
けれども、あなた以外に頼るあてもないんです。
祖父が亡くなって、父が会社を継いでからというもの、協力関係の相手という相手と仲を悪化させてきましたから。
まさに、苦労知らずの後継者の典型例で、知っての通り、会社の業績も急降下。
こんな父相手でも懇意にしていただけるのは、あなたぐらいで。
このままじゃ、何年持つかという具合で、本当にどうにかできないかと悩んでるんです!
けれども、私はまだ、仕事すらもまともにこなせないですし、まして経営だとかはもってのほかですから、誰かの力を借りないといけない現状で、心苦しい限り。
それで、なんですけど。
もちろん、タダで助けていただこうだなんて、思ってはいません。
かと言って、私じゃ大した金額も払えないのですが。
だから、もし私を対価にして釣り合うのならば、そうしていただけないかと思っているんです。
というより、私に出来そうなことは、あなたに私の身を差し出すぐらいで。
それが無理なら、他に出来ることなんて、ないんですけど。
はい、つまりは、結婚ということに、なります。
こんなの、あまりにも身勝手すぎますよね。あはは。
あなたにだって、相手を選ぶ自由があるわけですし、ちょっと見知ってるだけのこんな私が、交際も何もかも段階を飛ばして結婚だなんて大切ものを要求するなんて。
いえ、冗談のつもりは全くございません。
もし、あなたが私を迎え、助けてくれるというのなら、喜んであなたのものになります。
それはもう、あなたのお望み通りになるために、どんなことだって。
家のお手伝いも、勉強は必要ですが、秘書だって。
あなたが望んでくださるのなら、純粋なあなたの愛妻にも。
これが、私の覚悟です。
確かに、私を守るため、というのもあります。
この先、会社が破綻しようものなら、私だって困窮するわけですから。
ですが、私にとって、困窮だけで済むことではないんです。
父のことはあまりよく思っていませんが、あの会社は、何が何でも守っていきたい。
私は、そう思っているんです。
人が立ち上がる時、そこには想いがあると、祖父は言っていました。
その言葉の通り、祖父が会社を興したのも、想いあってのことだと。
いつもは私に温かく、のんびりとした様子の祖父が、そのことだけは我を忘れるように熱く語ってくれて、そんな祖父の姿に驚きながらも、それだけ人生を懸けてきた大事なものなんだというのが、幼いながらにその時感じられて。
祖父が社会に笑顔をと願うなら、私はそんな祖父が笑ってくれるように頑張りたいって思えたんです。
つまり、想いと共に会社の未来を私が請け負って、いつまでも願いを叶え続けていたいと。
けれども、今、存続の危機すらも見えそうなほどで、その想いも途絶えてしまうのかと考えると、私、辛くて、辛くて。
このまま朽ちていくのを指をくわえて眺めているだなんて、到底出来ません。
私は、何に代えてでも、祖父の想いを守り切り、私が力尽き、誰かに託すまではバトンを離すまいと決めたんです。
祖父が亡くなって、聞こえていないかもしれないですけど、約束したんです。
だから、守りたい。
その一心で、私が何かできるならと立ち上がったんです。
これくらいの覚悟、軌道に乗るまで飢えかけ、熱さに悶え、寒さに凍え、それでも立ち上がり続けた祖父には、遠く及ばないものですが。
私の精一杯で、どうにかなるのなら、どうか、どうか、お願いしますっ!
会社を、想いを、助けてくださいっ!
えっ、私、ですか?
これでいいのかって、それは、もちろんですよ。
これで会社がどうにかなるのなら、私なんて安い代償。
い、いえっ、無理なんかしてません!
それに、何かを得るためには何かを失う。
物をお金で買うように、これは世の中の当然の理ではありませんか。
会社と私、釣り合っているかはあなたの判断に委ねるしかありませんが、これくらい、苦しくありません。
はっ、あ、あなたの気持ち、ですか?
そう、ですよね。
たった一人の大切な相手になろうなんて、私、やっぱり烏滸がましいですか?
愛も、何もない妻なんて、ですか。
そう思われても、仕方のないことですよね。
ここまで散々、会社を守りたい、祖父の想いを叶えたいと言って、夫婦関係を代償呼ばわり。
人生でたった一度の大切なことを、そんな浅い考えで済ませてしまおうなんて、不愉快に思われて当然です。
でも、あなたが知らないのなら、一つ、教えなければならないことがあります。
仮に、あなた以外の誰かにこうして頼れる伝手があったとして、私の身を捧げる以外ないとして、私は、それでもあなた一人だけを頼ったはずです。
このことは私にだって、たった一度の大切なこと。
どんな気の合う素敵な人と相思相愛になれたって、これでいいのかと悩むであろうものなんですから。
誰かのものになるという意味を持つのなら、尚更怖いものです。
やはり、愛ある一人の人として、私のことを乱暴じゃない気持ちで迎え入れてくれる人でなければ。
奴隷扱いなんか、されたくないじゃないですか。
少なくとも、会社にとって、私にとって、信じられる人は誰か、ということはよく見極めているつもりです。
ですから、あなたが望んでくださるなら、純粋な愛妻にもなれると言ったのです。
演じるという意味では決してなく。
ねえ。
あなたは、この気持ちを知っても、それでも愛がないなんて気が引けるなんてこと、言ってしまうのですか?
どうか、あなたにお願いしたいんです!
助けていただけるのなら、このご恩は一生をかけて返します!
どうか、どうか、お願いします!
どうか、私と、この家を救っていただきたいのです。
いえ、わかってます。
唐突にこのような無礼な相談をされても、ただ困惑するだけ、だというのは私だってわかっていますから。
私も、この無理を押し通すために、何の考えもなくやってきたわけではありません。
助けての一言で全てがどうにかなるほど、世界は甘くありませんもの。
あなたとの関わりも、なかったわけではありませんが、だからといって特別、と言えるほどまでは深かったわけでもありませんし。
これが、図々しい頼みであることは、重々承知の上です。
けれども、あなた以外に頼るあてもないんです。
祖父が亡くなって、父が会社を継いでからというもの、協力関係の相手という相手と仲を悪化させてきましたから。
まさに、苦労知らずの後継者の典型例で、知っての通り、会社の業績も急降下。
こんな父相手でも懇意にしていただけるのは、あなたぐらいで。
このままじゃ、何年持つかという具合で、本当にどうにかできないかと悩んでるんです!
けれども、私はまだ、仕事すらもまともにこなせないですし、まして経営だとかはもってのほかですから、誰かの力を借りないといけない現状で、心苦しい限り。
それで、なんですけど。
もちろん、タダで助けていただこうだなんて、思ってはいません。
かと言って、私じゃ大した金額も払えないのですが。
だから、もし私を対価にして釣り合うのならば、そうしていただけないかと思っているんです。
というより、私に出来そうなことは、あなたに私の身を差し出すぐらいで。
それが無理なら、他に出来ることなんて、ないんですけど。
はい、つまりは、結婚ということに、なります。
こんなの、あまりにも身勝手すぎますよね。あはは。
あなたにだって、相手を選ぶ自由があるわけですし、ちょっと見知ってるだけのこんな私が、交際も何もかも段階を飛ばして結婚だなんて大切ものを要求するなんて。
いえ、冗談のつもりは全くございません。
もし、あなたが私を迎え、助けてくれるというのなら、喜んであなたのものになります。
それはもう、あなたのお望み通りになるために、どんなことだって。
家のお手伝いも、勉強は必要ですが、秘書だって。
あなたが望んでくださるのなら、純粋なあなたの愛妻にも。
これが、私の覚悟です。
確かに、私を守るため、というのもあります。
この先、会社が破綻しようものなら、私だって困窮するわけですから。
ですが、私にとって、困窮だけで済むことではないんです。
父のことはあまりよく思っていませんが、あの会社は、何が何でも守っていきたい。
私は、そう思っているんです。
人が立ち上がる時、そこには想いがあると、祖父は言っていました。
その言葉の通り、祖父が会社を興したのも、想いあってのことだと。
いつもは私に温かく、のんびりとした様子の祖父が、そのことだけは我を忘れるように熱く語ってくれて、そんな祖父の姿に驚きながらも、それだけ人生を懸けてきた大事なものなんだというのが、幼いながらにその時感じられて。
祖父が社会に笑顔をと願うなら、私はそんな祖父が笑ってくれるように頑張りたいって思えたんです。
つまり、想いと共に会社の未来を私が請け負って、いつまでも願いを叶え続けていたいと。
けれども、今、存続の危機すらも見えそうなほどで、その想いも途絶えてしまうのかと考えると、私、辛くて、辛くて。
このまま朽ちていくのを指をくわえて眺めているだなんて、到底出来ません。
私は、何に代えてでも、祖父の想いを守り切り、私が力尽き、誰かに託すまではバトンを離すまいと決めたんです。
祖父が亡くなって、聞こえていないかもしれないですけど、約束したんです。
だから、守りたい。
その一心で、私が何かできるならと立ち上がったんです。
これくらいの覚悟、軌道に乗るまで飢えかけ、熱さに悶え、寒さに凍え、それでも立ち上がり続けた祖父には、遠く及ばないものですが。
私の精一杯で、どうにかなるのなら、どうか、どうか、お願いしますっ!
会社を、想いを、助けてくださいっ!
えっ、私、ですか?
これでいいのかって、それは、もちろんですよ。
これで会社がどうにかなるのなら、私なんて安い代償。
い、いえっ、無理なんかしてません!
それに、何かを得るためには何かを失う。
物をお金で買うように、これは世の中の当然の理ではありませんか。
会社と私、釣り合っているかはあなたの判断に委ねるしかありませんが、これくらい、苦しくありません。
はっ、あ、あなたの気持ち、ですか?
そう、ですよね。
たった一人の大切な相手になろうなんて、私、やっぱり烏滸がましいですか?
愛も、何もない妻なんて、ですか。
そう思われても、仕方のないことですよね。
ここまで散々、会社を守りたい、祖父の想いを叶えたいと言って、夫婦関係を代償呼ばわり。
人生でたった一度の大切なことを、そんな浅い考えで済ませてしまおうなんて、不愉快に思われて当然です。
でも、あなたが知らないのなら、一つ、教えなければならないことがあります。
仮に、あなた以外の誰かにこうして頼れる伝手があったとして、私の身を捧げる以外ないとして、私は、それでもあなた一人だけを頼ったはずです。
このことは私にだって、たった一度の大切なこと。
どんな気の合う素敵な人と相思相愛になれたって、これでいいのかと悩むであろうものなんですから。
誰かのものになるという意味を持つのなら、尚更怖いものです。
やはり、愛ある一人の人として、私のことを乱暴じゃない気持ちで迎え入れてくれる人でなければ。
奴隷扱いなんか、されたくないじゃないですか。
少なくとも、会社にとって、私にとって、信じられる人は誰か、ということはよく見極めているつもりです。
ですから、あなたが望んでくださるなら、純粋な愛妻にもなれると言ったのです。
演じるという意味では決してなく。
ねえ。
あなたは、この気持ちを知っても、それでも愛がないなんて気が引けるなんてこと、言ってしまうのですか?
どうか、あなたにお願いしたいんです!
助けていただけるのなら、このご恩は一生をかけて返します!
どうか、どうか、お願いします!
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ヤンデレとか書きます。
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