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記憶喪失のあなたはDV彼女を分からせていて、殴り愛の関係になる話
written by 住公子
  • 恋人同士
  • ヤンデレ
  • マゾヒスト
公開日2023年01月31日 18:11 更新日2023年01月31日 19:59
文字数
2161文字(約 7分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
記憶喪失にした張本人。Mに目覚めた。
視聴者役柄
かなり受け身の男性。
場所
指定なし
あらすじ
記憶喪失になってしまったあなた。
傍らには優しく笑う女性が。
彼女は自分の恋人だといいます。
帰宅後に彼女の本性が分かりますが、どうにも様子がおかしくて?
本編
(激しい殴打音)
ね、ねぇ……しっかり、しっかりしてよ!
きゅ、救急車呼ばなきゃ……!

※間

おはよう。
目が覚めたって連絡もらって、飛んできちゃった。
「君は誰?」……か。
その反応……記憶喪失って、本当なんだね。
私は、あなたの彼女だよ。
うん、付き合ってもう3年。
思い出せない? ……そっか。
そんな、申し訳なさそうな顔しないで。
すぐ思い出せるよ、きっと。
……痣?
ごめんなさい、私にも分からないの。
あなたの体にそんな痣があるなんて知らなかったから。
え? 違うって、何が?
あ、あぁ……私の顔の痣の話か。
これは……えっと、ちょっとした事故で。
あなたが怪我したこととは全然関係ないから。
……やっぱり、自分が怪我をした理由も覚えてないんだね。
えぇと、とにかくね。
私が家に帰ったら、あなたはもう倒れてたの。
転んで、どこかに頭をぶつけたんだと思う。
ん? そうだよ。
私とあなた、同棲してるんだよ。
あなたの家族?
……私が知る限り、あなたに家族はいないよ。
詳しくは分からない。あなたは話してくれなかったから。
怪我の程度自体は軽いから、すぐに退院できるって。
一緒に、私達の家に帰ろうね。
記憶に関してはなんとも言えないんだって。
ずっとこのままかもしれないし、何かの拍子に戻るかもしれないし。
心配しないで。
ちゃんとサポートしてあげるから。
それじゃ、今日は帰るね。

……記憶喪失、か。

※数日後

ただいまー。
そして、おかえりなさい。
どう? 一週間ぶりの自分の家は。
正確に言うと私の家だけどね。今の所は。
どういう意味かって?
いずれ二人の共有財産になるかもって意味だよ。
部屋の位置とかは……思い出せないか。
こっち、ここがあなたの部屋。
で、向かいが私の部屋ね。
え? あぁ、あの部屋?
窓の鍵が壊れてて、部屋の外から南京錠つけてるの。
修理してもらうべきなのは分かってるんだけどね。
ま、そのうち鍵屋さんに来てもらうよ。
さぁ、トイレとかも説明しちゃうから行こ?

さて、説明はこんなところかな。
それじゃ、座って休んでて。
久しぶりに私の手料理を食べさせてあげる。
まぁ、覚えてないんじゃ、久しぶりもなにもないかもだけど。
ん? 聞きたいこと? なに?
部屋に生活感がなかった? あなたの部屋の話?
それは私に言われても……。
あなた昔から几帳面でピシっと片付けるから、そのせいじゃないかな。
なら壊れた鍵を放置するのはおかしい?
それは……あなたは覚えてないかもだけど、二人で話あった結果だよ。
隠し事? そんなのないってば。
何を隠すっていうのよ。変なこと言うのやめて。
……ごめんなさい。
記憶がなくて不安なんだよね。
大丈夫、記憶は戻るよ。
それに、戻らなくてもいいってくらい、これから新しい思い出を作っていけばいいじゃない。

ね、こっち向いて。
(キス音)
赤くなってる。かーわいい。
ねぇ、久しぶりにベッドの上でイチャイチャしようよ。
気持ち良い思い出も、いっぱい上書きしてあげる。
……どうしたの?
今度は青くなって。
そういう関係だったのか……って、どういうこと?
付き合って3年だよ?
しないほうがおかしいでしょ。子供じゃあるまいし。
あなたの身体の痣のことを知らないはず……?
あなたが起きた日に、私がそう言った?
やっぱり隠し事してるだろって?
……アハ。
アハハハハハッ!
やっぱり、あなたはあなただね。
勘も記憶力もいいんだから。
本当、嫌になっちゃう。
せっかく普通の彼女になろうと頑張ってたのにさぁ。
いいよ、全部、答え合わせしてあげる。

まずはあなたの体の痣。
それは全部私がやったの。
DVってことになるのかな。
失礼な話だよね。愛の証なのにさ。
そして、あなたが記憶を失った理由。
私があなたを突き飛ばしたら、家具に頭をぶつけたから。
いやぁ、慌てたよね。
打ちどころが悪いとあんな程度で気絶して、記憶喪失にまでなっちゃうなんて。
突き飛ばした理由? あとで説明するよ。
あとは……あぁ、南京錠の部屋?
あの部屋が、あなたの本当の部屋。
鍵が壊れてるのも本当だよ。あなたが開けられないように窓の枠ごと歪めたから。
そうだね、監禁してたんだよ。
さっき教えたのは万が一のために整えてある部屋。
まさかあなた相手に使うとは思わなかったけど。

さて、私があなたを突き飛ばした理由……の前に。
私の顔の痣だけどね。
これはあなたにやられたの。
いつも通りぶってたら、急に殴り返されて。
あなたを突き飛ばしたのも、反撃されて驚いたから。
びっくりしちゃったよ。3年間、そんな反応したことなかったのに。
驚いたし、痛かったし、怖かった。
そして何より。

気持ち良かった!

あなたはいつもこんな気分だったのかな?
たぶん違うよね?
どれだけ殴っても抵抗はしなかったけど、もっと殴って欲しいなんて言わなかかったもんね!
きっと私がおかしくなったんだよ。
我ながら、元々おかしかったけど、更におかしくなっちゃった!
君のせいで。
君のおかげで。
試しに自分で自分を殴ってみたけど、ちっとも気持ちよくないの。
ただただ痛いだけ。
ねぇ、もう一度殴って?
ねぇ、どうして逃げようとするの?
ねぇ、殴ってくれないなら、私があなたを殴るよ?
ねぇ……きゃあ!
(突き飛ばす音)
いたた、お尻打った……。
痛い、ジンジンする。
でも、心地良さも広がっていく。
やっぱりこれなんだ。
どうしたの?
思わず突き飛ばしただけ?
何でもいいよ、理由なんて。
ねぇ、これからも私を殴ってよ。
でなきゃ、私があなたを殴るから。
これからも、末永くよろしくね?
(殴打音)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
記憶喪失のあなたはDV彼女を分からせていて、殴り愛の関係になる話
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
住公子
ライター情報
すまい きみこ
住公子、通称ハム子と申します。
これまでpixivで活動していましたが、ゆるボイ!でも投稿することにしました。
ご縁がありましたら、なにとぞ。

TwitterID @kimiko_hamuko
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