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格闘戦が得意なオレっ娘エルフが曇ったのは俺のせい
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • 友情
  • 片思い
  • 告白
  • エルフ
  • オレっ娘
  • 人外 / モンスター
  • 男口調
  • 曇らせ
公開日2023年02月05日 07:22 更新日2023年02月05日 07:22
文字数
2318文字(約 7分44秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
エルフ
視聴者役柄
魔術使い
場所
某所→王都
あらすじ
魔術使いの男は、国家資格の魔術師になるべく、王都を目指して旅をしていた。道中には自称友達のエルフがついてきており、なんやかんや旅のお供としての関係は上手くやれていた。王都に着いてからは、それぞれ別の道に進んだが、二人は変わらず気の置けない仲として、その関係性を維持していた。ところが、男は魔術試験の際に事故を起こしてしまい、そのせいで昏睡状態に陥ってしまって…?
本編
なぁ、魔術使い…腹減った。なんか食わしてくんね?


んだよ、けちんぼ…仮にもダチ相手に辛辣だなぁ、おい。


はぁ?俺とはダチじゃない?


んなことねーだろ。拳と拳で語り合った仲じゃねーか。


ほーん…ま、いいけどさ。


つーか、マジで腹減った〜。


んなことなら、前の街で買い出ししとくべきだったな〜。


なぁ、次の街までどんくらい?


へー、そうなんだ。遠…


あん?……おっ、なんだ。食うもんあるじゃん。いっただっきまーす!


(食事中)


…あんま美味しくねえな。携帯食料だし、仕方ねえか。


やーだね。もう口ん中入れたし、返さねえよ。


そういやお前ってさー、何で旅してんの?


てか、今どこ向かってる?


あー、なるほど?王都ね…国家資格の魔術師になるためだっけか?


ふーん…試験って王都でしか行われねえんだ。だからか…


んで、ど田舎からわざわざこんなとこまで出てきたってわけか。ご苦労さん。


俺?俺はアレだよ、ほら…王都に行ったら、なんかスゲー魔法具とかあるかもしれねえじゃん?


るせー!たしかに俺は碌に魔法も使えねぇクソエルフだけど!


だからこそ、そーいうすげぇ魔法具とか欲しいんじゃんかよ!


か、金…くっそ〜。んな高価なモン、持ち合わせてねえよ…


(ドラゴン登場)


…なぁ、後ろ。なんかデカい爬虫類がお前のこと狙ってっけど。


はぁ?魔力切れ?さっきまで十分休んでただろ。なんで魔力切れになんだよ。


あー、もういいや。さっき飯食わしてもらった礼。あれ、俺がぶっ倒すわ。


最低限の援護くらいは頼むな。くれぐれもさぼんじゃねえぞ?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ハァ…疲れた。


てか、腹満たした直後にこんだけ運動したら、また腹減るじゃねーかよ。


あ?そりゃあな。俺、格闘戦が一番得意だし。


いや、魔力の扱い方なんて知らねえよ。


手と足に魔力込めて殴るか蹴るしかできねえよ、俺は。


脳筋言うな。ぶっ飛ばすぞ。


とりあえずもうちょっと安全な場所に移動しようぜ。


休んでるとこ毎回襲われたらたまったもんじゃねえし。


あーあ…まだまだ長え旅になりそうだな…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


うめー!こんな美味い飯食ったの、初めてだ!


王都の飯ってこんなに美味かったんだな…!


王都に来てよかった!ゴチになるわ!


おいおい…食事中に財布ん中見てしょぼくれんなよ。飯、不味くなるぞ?


あん?これからは…とりあえずギルドに登録する。


んで、魔物退治とか、やれそうな仕事ぼちぼち探してくわ。


お前も国家資格の魔術師になるんだろ?頑張れよ。


おう。半端な魔術使いなんてとっとと卒業しちまえ。


だな。お互い頑張ろうぜ。


んで、たまには一緒に飯食いに行こうぜ。今みたいにな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ため息)


あ〜、どうすっかな〜…


なんて返事すりゃあいいんだよ…


お、魔術使い…おひさじゃん。元気してた?


俺?見ての通りだよ。文句あっか?


いや、そのさ…こ、告られたんだよ。最近入ったパーティの男に…


うるせ、冷やかすな。こっちは真剣に悩んでんだからよぉ。


だって…男に告られたのとか、初めてだし…


まず、女として見られてたのが驚きっつーか…


どうしていいか、分かんねえじゃん?


今までそういうふうに見られたことなかったしさ…お前にだって…


お、おう…何だよ、急に褒めてくるじゃん…


あ、そ…口調と一人称が男っぽいだけ、か…


じゃあ、その…お前も旅してた時は俺を女として見てたってことか?


格好がエロいとか言うな。バカやろ。


ふふっ…ありがとな。


ちょっとだけ女としての自信持てた気がする。


おう、告白の返事も決まった。


まぁ、心配すんなって。上手いことやるからさ。


お前も試験近いんだろ?人の心配してねえで、今は自分のことに集中しろよ。


あぁ、またな。次会うときは、一緒に飯でも食いに行こうぜ。そんじゃ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


よぉ…久しぶり。


会いに来てやったぜ、この寝坊助野郎。


まーだ寝てんのかよ…だらしねえなぁ。


せっかくこの俺が来てやったっつーのに…


挨拶の一つも返さねえなんて、どういう了見だ、こら。


聞いたぜ?実技の試験で事故ったんだってな?


魔力の暴発とかバカかよ…


常日頃から魔力の扱いは慎重に、とか言ってたくせに…


それでこんなふうに眠っちまってるんだから、世話ねえよなぁ?


そうだ、聞いてくれよ。こないだ、男に告られた話したろ?あれ、断った。


まぁ、告られたこと自体は嬉しいんだけどさ、相手のこと好きかって言われると、やっぱ違くて…


その、笑わねえで聞いて欲しいんだけど…


俺、お前みてえな男が好きみたいだ。


いや、こういう言い方はズリぃかな?


俺が好きなのは…お前だよ、魔術使い。


ずっと一緒に旅してきて…たまに拳でも語り合ったりして…


王都に着いて、それぞれの道に進んでからも、それなりに上手く付き合ってこれたじゃん?


だから…今度はダチとしてじゃなくて、恋人として付き合って欲しいんだ。俺と。


いきなりこんなこと言われても困るかもしれねえけど…これが俺の本心だから。


てか、あの男の告白断ったのも、お前のことが前から好きだったからだな!きっと!


だから…早く目ェ覚ませよ。


女にここまで言わせたんだ…返事くれなきゃ、割に合わねえだろ?


それに飯食いに行くって約束したしな。


ちゃんと約束果たしてもらわなきゃ、困るんだよ。


俺、ずっと待ってる…ここでお前が目ェ覚ますの…


どうしても起きねえってんなら…あん時みてえに、デカい拳一発入れて、無理矢理にでも起こしてやらぁ。


それとも…目覚めのキスの方が好みか?


ほら、よくあるじゃん?童話で王子様がお姫様をキスで起こすってやつ…


いや、まぁキスは俺のキャラじゃねえか。はは…


いつまでもおねんねしてんじゃねえぞ…本職の魔術師になるって夢、叶えるんだろ?


自分の夢も俺からの告白も…全部中途半端な状態で終わらすんじゃねえよ。


いつかは起きてくるって、信じてるからな?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
格闘戦が得意なオレっ娘エルフが曇ったのは俺のせい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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