とある事情で会社をクビになった貴方は、自分に自信を失い、かつ経済力も失ったこともあって、高校時代から付き合っている彼女に別れを切り出す。ところが、彼女は貴方の提案を頑なに受け入れようとせず、それで仕方なく無理やり突き放したら、貴方の家まで追いかけてきて、別れる気は無いと一方的に宣言。それでも尚、拒もうとする貴方に業を煮やし、スタンガンで襲いかかってきて…？

…ってなわけでさー、アイツ、結構カッコいいとこあるんだよねー。意外なことに…


あ、あとこないだ、アイツがさ…


…ちょ、最後まで人の話聞いてよ！なんでいきなり遮んの！？


惚気じゃない！アイツの良いとこ話してただけ！


うっ、く〜…！悔しいけど、言い返せない…！


(インターホン)


あっ…噂をすれば。


ごめん。アイツ来たみたいだからさ、一旦切るね。


う、うっさい！そこまでイチャイチャしてないから！普通に仲良くしてるだk…


(電話が切れる)


…もう！友達なら人の話最後まで聞けっての！


ま、いいや。とりあえずお出迎えしないと…


(玄関まで行ってドアを開ける)


よっ。お待たせ。上がっていいよ。


…？どうしたの？そんな浮かない顔して…


ふーん？分かった。座ってゆっくり話そ。


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……え？今、なんて？もっかい言って？


い、いや…その、結論出すの急ぎすぎじゃない？


だって…まだ会社クビになって、そんなに経ってないんでしょ？


だったら、今から就活しても余裕で間に合うんじゃ…


だ、だから、ちょっと待ってって！


なんでそんな急いで別れようとすんの！？


別に君が無職になったからって、嫌いになったりしないし！


ていうか、クビになったのって、取引先の女性と一線超えようとしたクソ上司をぶん殴ったからでしょ！？


そりゃ、部下が上司に暴力振るうのは、良くないことだろうけどさ…！


で、でも…！普通に情状酌量の余地はありそうなのに、クビになるとかおかしいじゃん…！なんなの、その会社…！？


ううん、この際、会社をクビになったことはいい。とにかく、あたしと別れるのは流石に早計じゃない？考え直そうよ…！


そ、そんなの気にしないから…！


最悪、正社員じゃなくても、派遣かパート、それかアルバイトで働くなら、それでいいじゃん…！


あたしも働いてるしさ、君の足りない分の収入はあたしが補うから。ねっ？


あ、そうだ！この際、同棲して一緒に協力して暮らしていくっていうのは…？


…なんでよ。なんでダメなのよ！


あたしは気にしないって言ってんじゃん！


君が無職でも、そんなの関係ない！


君のこと、ちゃんと好きだから…別れようとしないでよ、バカ…


やだ…やだやだ！


君と別れたくない…！


結婚の約束だってしたじゃん…！


お願いだから…一緒に居てよ…


(彼氏が立ち去ろうとする)


待って…待ってってば！


別れたくないって言ってるのに…どうして聞き入れてくれないの！？


嘘、嘘！あたしのこと、全然考えてない！


あたしのためを思うなら、このまま付き合ってよ…！


(彼女を振り払って彼氏が家から出て行く)


バカァ…なんでよ。なんで急にこんな…


…無理。無理無理！別れるなんて絶対嫌！


こんな終わり方認められるわけない！意味わかんない！


(荒い息を整える)


…許さない。あたしと別れるなんて絶対許さないから…！


逃げても無駄だから…絶対に追いかけてやるし…！


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(扉が開く)


お邪魔しまーす。いきなり訪ねてごめんね？


あ、うん。君が前にくれた合鍵で入ってきたよ。


それよりさ…前の別れ話、あれ、あたし認めてないから。


そ。君と別れるなんて考えられない。


だから冷静になってもう一度考え直そ？ね？


ふーん…どうしても？


どうしても、あたしと別れなくちゃ気が済まない？


そっかぁ…じゃあ仕方ない、ねっ！


(スタンガン)


ごめんね…スタンガン、痛かったでしょ？


でも君が悪いんだよ？


あたしのためを思って〜、とか言いながら、あたしの気持ちを無視するから…


うん、分かるよ。君の言ってること…


会社をクビになったから、経済的に苦しくなるんでしょ？


そのせいであたしに余計な負担かけたくないんだよね？


分かってる…でも納得できない。そんなの無理。


だからぁ…何度も言ってるじゃん。あたしは君のことが好きだって。


好きだから別れたくない。そんな簡単なことも分からないの？


うん。経済的に苦しくてもいい。君と一緒にいたい。


…ッ、わがままなのは君の方でしょ…！


無職だから何？彼氏としてふさわしくないとか言いたいわけ？


ううん、絶対そんなことない。


あたしにとってのいい男は君だけだよ。


君だけがあたしを信じてくれたんじゃん…


そうだよ…昔ッてか、高二の頃。落書き事件ってあったじゃん？


そ。あたしと君が同じクラスの時。


あの時、クラスの教室でめちゃくちゃ酷い落書きがあって…犯人があたしだって疑われて…


まぁ、あの時のあたしは素行悪かったから、真っ先に疑われる立ち位置にあったんだけど…


周りの人みんなあたしを疑ってたのに…君だけは「こいつはやってない」って言ってくれたの、今でも覚えてるよ？


うん…ホントは知ってたんでしょ？真犯人…


いや、真犯人とかどうでもいいんだけど…とにかく、君があたしを信じてくれたってことが大事だから。


あれがキッカケであたしから告白して、付き合うようになって…それで今に至るわけじゃん？


なのに今さら別れようって…そんなのありえないでしょ…！


あの時みたいにさぁ…あたしのこと、信じてよ…！お願いだから…！


…ッ、謝罪が欲しいんじゃない…！


あたしはただ、君と別れたくないだけ！


これだけ言っても分かってくれないなら…直接身体にわからせるしかないよね？


(押し倒す)


さっきのスタンガン、まだ効いてるでしょ？


あたしを押し返せないってことは、そういうことだよね。


君も知ってるでしょ？あたしが高校時代から培ったエロテクがマジ最強！ってこと…


あはは…あの頃は男遊びも激しかったからねー。


まぁ、そこら辺は自然に上手くなっていったって感じー？


…つーか、アンタさぁ、彼氏のくせにウチに逆らうなっての。別れるなんて絶対許さねーし。


ふふっ…ちょっとだけ昔のあたしに戻ってみた。たまにはいいでしょ？


(咳払い)


アンタさぁ…無職になったってだけで、別れようとか言い出すなんて、何考えてんの？チョーむかつくんですけどー？


ウチはアンタに信じてもらえたことがすっごい嬉しかったし、告白うけいれてもらった時も最高に嬉しかった。


今もその気持ちは変わんないし…ウチにとってのアンタは最高の好きピなわけ。


こんだけ口酸っぱく言ってんだから、いい加減分かれよなー。


…って、口で言っても分かんないよねー。今の物分かりの悪いアンタじゃ…


てことで、今からウチとくんずほぐれつしてぇ、気持ち良くなろっか？


そしたら、別れる気も失せるっしょ？


ほら、顔貸せって…ンッ…


(ロングディープキス)


ハァ…めちゃくちゃ舌、絡めちゃったね♡


初心に帰ろーよ…ウチがアンタの初めてを奪ったあの頃みてーにさ…


アンタにはもう一回ウチを求めてもらうから…覚悟しろよなー？ふふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
高校時代から付き合ってる彼女に別れを切り出したら襲われた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎