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軍人気質の軍団長天使は人の子の母になりたい
written by 松平蒼太郎
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公開日2023年03月26日 20:42 更新日2023年03月26日 20:42
文字数
2051文字(約 6分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
軍団長天使
視聴者役柄
人間の男
場所
天界
あらすじ
安楽死を望んだ人間の男は悪魔と魂の取引を交わす寸前で、天界で軍団長を務めている天使に助けられる。さらに男を追ってきた悪魔の軍勢を追っ払うべく、出陣しようとした彼女は、男にとあるお願いをしてきて…?
本編
人間…おい人間!無事か⁉︎ 目を覚ませ!


あぁ、やっと気がついたか。全く、ヒヤヒヤさせる…


ん?あぁ、わたしは天使だ。お前を悪魔から救ってやった。


悪い女に目をつけられて災難だったな。


だが、安心しろ。奴は既にわたしがこの手で討ち滅ぼした。もはや何も心配は要らない。


なに、礼には及ばん。わたしは天使として当然のことをしたまでだからな。


しかし…なぜお前は悪魔に魂を売り払おうとした?奴らに魂を売り渡せば、その先に待っているのは地獄だぞ?


死にたかった、だと…?どういうことだ?詳しく聞かせてくれ。


あぁ。一介の天使として、苦しむ人間を放ってはおけないからな。


……なるほど、そういうことか。それは大変だったな…


いや、うむ…人間、お前の境遇には同情するが、安楽死のために悪魔に魂を売るのは、いただけんな。


仮に肉体が安楽死できたとしても、魂を奴らに引き渡してしまえば、未来永劫苦しみ続けるのは、お前自身なんだぞ?


あぁ。奴らは人間の想像より遥かに凶悪な連中だ。


人の魂を我が物とし、散々弄んで痛めつける…だから悪魔なんだ。


(悪魔の軍勢襲来)


む…噂をすれば何とやら、か…


あぁ。悪魔連中が大勢でお前のことを取り戻しに来たらしい。


具体的にどんな契約を交わしたか知らんが、あれだけの数が追ってくるとは相当だぞ?


まぁいい。流石にわたしもあの数を一度に相手にはできんからな。ここは一旦退くぞ。


お前はわたしにしっかり掴まれ。


いいか?絶対に手を離すんじゃないぞ?


(天使が人間を連れてその場から離脱)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


よし…ここまで来ればひとまずは大丈夫だろう。


お前はここでじっとしていろ。わたしはこれより奴らの討伐に出かける。


なぁに、心配するな。じきに天界から応援も来る。彼女らと合流すれば問題ないさ。


お前を奴らの手には渡さない。必ず守り切ってみせる。


これでも天使の軍団長を務めているからな。悪魔如きに引けはとらんさ。


その、代わりと言ってはなんだが…いや、天使の分際で人間に見返りを求めるなど、本来はあってはならぬことなのだが…


あ、あぁ…お、お前のことを存分に甘やかしてもいいだろうか…?


うむ…少しだけ憧れはあったんだ。


人間を甘やかす快感というのはどのようなものなのだろうか、と…


実は同僚の天使がそれ方面に関して、わたしに詳しく語ってくれてだな…


い、いや!今はこんなことを話している場合ではなかったな!すまない!


では、少しばかりお前のそばを離れるが…ここでいい子で待ってるんだぞ?


(戦地へ飛翔)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


待たせたな。お前を狙っていた悪魔どもは全て片付けたぞ。


な、なんだ、わたしの戦いぶりをそんなに見てたのか。なんだか照れるな…


(咳払い)


と、とにかくだ!お前の身の安全も確保したということで…その、さっきの約束をだな…


…!いいのか⁉︎ お前のことを甘やかしても…⁉︎


わ、分かった…なら、遠慮なく…


(人間を抱きしめる)


あたたかいな…人間の身体というのが、こんなにもあたたかかったとは…


何だろうな、抱きしめているわたしの方が癒されるというか…これは、そういうことか…


…ッ!バカ者!そのようなことを軽々しく口にするな!


き、決まっているだろう…?わたしが本気にしてしまうではないか…


わたしは神の意を受け、人間を助け、悪魔を討伐した。


天使としての職分を全うしただけで満足すべきなのに…お前を見ていると、それ以上のことを望んでしまう…!


わ、わたしはな…お前の母になりたいんだ…!


もっともっとお前を甘やかしたい…!


甘やかし尽くして、現世で受けた苦しみを金輪際、お前の中から消滅させてやりたい…!


なぁ…お前の肉体も魂も全てこのわたしに預けてみないか…?


わたしがそばにいれば、悪魔どもから要らぬ誘惑を受けることもない。


ましてや、いっときの苦しみすら、お前の中に生じることを許さない。


いいだろう…?お前にとっても悪い話ではあるまい?


あ、そうか!この堅苦しい口調が、お前を甘えにくくさせてるんだな!


ならば、今すぐ直す!ちょっとだけ待っててくれ…!


(咳払い)


よし、よし…わたしがおま…じゃなくて、君のお母さんですよ〜。


これからはお母さんが、君を一生そばで見守っててあげますからね〜。


君はもう何も考えなくていいんです…


この天界で、わたしにトロトロに甘やかされていればいいんです。


わたしは天使ですから…どんなことがあっても、人の子である君を見放したりしません。


はい、もちろんです。天使は約束を破りません。完璧に約束は守り抜きますから。


(両方の翼で人間を包み込む)


どうですか…?わたしの翼に包まれてる感触は…?


そう…よかった。君の癒しになれて…


はい。このままおねんねして大丈夫ですよ。


お母さんがずっとそばにいますからね…


(人間が熟睡する)


……完璧に眠ったか。


しかし、案外見よう見まねでやれるものだな…お母さん口調とやらは…


口調と雰囲気を変えただけで、ここまで安心感を持ってもらえるとは…


ふふっ…なんて無防備で可愛らしい寝顔なんだ。あまりに愛おしすぎるではないか。


愛おしすぎて…一生幸せにしてあげたくなる。


わたし無しでは生きられない魂にまで昇華させてやるとするか…ふふふっ♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
軍人気質の軍団長天使は人の子の母になりたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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