貴方は幼馴染の後輩女子に嵌められ、寝取りをさせられた挙句、彼女の元カレから物理的にボコボコにされる。失意のどん底にあった貴方を迎えに来たのは、貴方を不幸に陥れた元凶たる後輩女子その人であった…

はぁ、はぁ、はぁ…


先輩…よくもわたしを傷モノにしてくれましたね？わたし、彼氏持ちなのに…


ふふふっ…「お前に誘惑されたから〜」なんて言い訳は通じませんよ？


先輩が寝取りを強行したことは、紛れもない事実なんですから…


謝って済む問題ですか？寝取りですよ、寝取り。


全人類の99.9%が憎むであろうことを、先輩はその手で行なってしまったんですよ？


ちょっとやそっとのことで、責任が取れるなんて思わないでくださいね？


金で解決しようだなんて甘っちょろい考えをお持ちなら、それも今すぐ捨ててください。


わたしはただ、彼氏がいなくて寂しすぎるから、先輩に添い寝をしてくれと頼んだだけなのに…


えぇ。寝取ってくれだなんて、一言も頼んでません。そこんとこ、ちゃんと分かってます？


いくら、わたしたちが幼い頃からの仲だといっても限度がありますよね？


超えてはならない一線を自らの意思で超えてしまったんですよ、先輩は…


わたし、許しませんから。先輩のこと。


はい。この罪は一生をかけて償っていただきますので、そのつもりで。


とりあえず今日は寝ましょうか。


これからのことは、明日にでも考えましょう。


それではおやすみなさい、先輩…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


…先輩？こんなところで何やってるんですか？


いえ…どこからどう見ても、ゴミ置き場でくたばってるようにしか見えなかったので、お声をかけた次第なんですが。


もしかして、ゴミになりたかったんですか？


だとしたら、余計なことしましたね。すみません。


はぁ…それはご愁傷様です。


わたしの元カレにボコボコにされたんですね。可哀想に…


あぁ、そういえば、言ってませんでしたっけ？


あのコワモテ彼氏とは別れましたよ？


はい。「他の男の手垢がついても堂々としてる女とは付き合えない」って。


酷いですよねー。これでもそれなりには傷ついてるってのに…


ん？そうですか？あまりそういうふうには見えませんか？


それはそうですね。傷ついてるって言っても、ほんの一割かそれ以下ぐらいですから。


はい。わたし、ぶっちゃけあの元カレのことは心底どうでもよかったです。


あまりにもしつこいから、ちょっとお遊びで付き合ってあげただけです。


まさかわたしがあんなのを本気で好いてると思ってました？


バカですねぇ、先輩は。ずっとわたしの幼馴染やってながら、そんなことも見抜けないなんて。


だからこそ、先輩にはわたしを寝取ってもらったんですよ…あの男の方から、別れを切り出してもらうために。


まぁ、たしかにそうですね。かなりリスキーなやり方ではあったと自分でも思ってます。


下手すると、わたし自身が彼のDVの餌食になりかねませんからね。


まぁ、でも？結果的には大成功でしたし？先輩がボロ雑巾になるくらいで済んだので、わたし的にはヨシとしてます。


えぇ、まぁ。先輩が極悪人みたいな言い方をしたので、そっちに矛先が向かったんでしょう。改めてご愁傷様です。


とりあえず、わたしん家に帰ります？


もう元カレは出て行きましたし、先輩が出入りしても全然大丈夫ですよ。


まぁまぁ。そんなに嫌がらずに。


傷の手当てもしてあげますから。


ほらっ、いつまでも駄々こねてないで行きますよ。肩、貸しますんで。


(先輩に肩を貸して歩き出す)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(先輩を治療する)


…ん、こんなものでオッケーですかね。


いえいえ、これくらいは大したことありません。


もうちょっとボロ雑巾な先輩を眺めててもよかったですけどねー。


ん？わたしが先輩をどうしたいか、ですか？


んー…特にこれといって先輩に期待してることはありませんけど…


強いて言うなら、わたしのいい暇つぶし道具になってくれること、ですかね？


はい。今回の寝取り騒動も、退屈な人生のちょっとしたスパイスにはなりましたし。


先輩にはこれからも、わたしの退屈を紛らわせる良いおもちゃになってくれることを期待しておきます。


わたしのこと、最低な女だと思いました？


でも、そんな最低な女から離れられないのは先輩の方ですよ？


先輩がクズ専かどうかはともかくとして…実際、わたしのことは好きでしょう？


好きじゃなかったら、こんな簡単にわたしの家に来ませんもんね？


わたしに手を出したことといい、先輩はわたしからは逃れられないんですよ…


先輩の心はわたしが監禁しちゃってますから。


わたしがどれだけクズでどうしようもない女でも、先輩はわたしを見捨てたりしない。でしょ？


(先輩に擦り寄る)


一応言っときますけど、これでも先輩がボコボコにされたのは悪いなーって思ってますから。


だから今日はお詫びに少しいいことシてあげます。


鞭ばかりでは先輩も辛いでしょう？たまには飴くらい施しますよ。


(先輩の方から抱きしめにかかる)


やっぱり…身体は正直ですね、先輩。


あんな目に遭わされたってのに、もう身体はわたしを求めてる。


先輩はわたし無しじゃ生きていけない無能ですね。


そんな無能な先輩が…ちょこっとだけ好きかもしれません。


ま、怪我に響かない程度に可愛がってやりますんで、安心してください。


これからも昔からの古い友人は大切にしてくださいね…せーんぱい？

・台本（ゆるボイ！）
正真正銘のクズである幼馴染の後輩女子は、俺の心を掴まえて離さない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎