「嘘告白事件」から数日、貴方は例のカースト上位の女子生徒から積極的に声をかけられるようになった。彼女とはなんとなく話していた貴方だが、彼女が実は弟思いの姉であることを知ることになって…？

〜登校編〜


あっ…おっ、おはよ！


こんなとこで会うなんてチョー偶然！


学校、一緒に行こ？


うん！じゃあ勝手にする！


(しばらくお互い無言で歩く)


アンタってさ、いっつも一人で登校してんの？


へー、そうなんだ。じゃあこれからはこんな感じで、一緒に登校していい？


サンキュー。じゃあそうさせてもらうねー。


(再びしばらく無言)


あのさー…アンタからあたしに話しかけることってないの？


さっきから無言の空間がいたたまれないんだけど。


(クソデカため息)


特にない、かぁ…分かってはいたけど、相変わらずあたしに全然興味なしだね。


ほら、年ごろの男子なら聞くことあるじゃん？


「最近何にハマってる〜？」とか「付き合ってる人いる〜？」とか…


興味、ない…そう、わかった…


い、いや！別に落ち込んだりしてねーから！


そーいや友達と約束してたこと思い出した！


悪いけど、ちょっと先行くね！そんじゃ！


(その場から急ぎ足で立ち去る)


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〜昼休み編〜


ねぇ、よかったら一緒にお昼しない？


いいの。今日はアンタとお昼するって、グループのみんなにも言ってあるし。冷やかされたけど…


てことで、隣失礼すんねー！


(隣の席にかける)


へー。君の弁当、美味しそうじゃん。ママに作ってもらってんの？


え、自分で⁉︎ えら！


やるじゃん！今どきの男子にしては！


……あの、仮にも褒めてんだから、ちょっとは嬉しそうにするとかないの…？


ふ、ふーん…無表情っていうか、そんな鉄面皮だから友達の一人もできないんじゃないの？


あ、ごめん。隣のクラスに一人いたんだっけ、たしか。


そ、それよりさ！あたしも自分で弁当作ったんだけど！ちょっと味見してみない？


もしよかったら〜…アーンとかしてやろっか？なーんて…


あ、ホント⁉︎ じゃあ、あたしのこれあげる！


代わりにアンタの卵焼きもらうね！


(卵焼きを咀嚼)


あ、美味し…！


アンタ、こんなに料理上手かったんだ！


へぇ〜！お姉さんの分も作ってるから！そっかそっかぁ！


ていうかアンタ、お姉さんいたの⁉︎


意外！てっきり一人っ子かと思ってた！


あ〜、あたし？あたしは下に弟三人いるよ！


どいつもこいつもやんちゃ坊主でさぁ！毎回手がかかんの！


アンタみたいなのだったら、手はかかんないだろうけどねー！可愛げはなさそうだけど！


にしても、お姉さんか〜…へぇ〜…


ううん！なんでもない！


とりあえずあたしもう食べ終わったから行くね！そんじゃ！


(弁当箱をしまってその場から立ち去る)


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〜下校編〜


ねー。せっかくだし、一緒に帰らない？


うん、じゃあ好きにするー。


(隣を歩きだす)


アンタってこうして横で見ると、結構背高いね。


うん。ちょっと見上げないと、顔見れないもん。


背高い男子って女子的にもポイント高いんだよ？知ってた？


興味なさげだねー、相変わらず…


モテたいとか思ったことないの？


年ごろの男の子なら一度はそーいうこと考えるでしょ？


はぁ⁉︎ ちげーし！


嘘告白される確率上がる話なんて誰もしてねーし！てか、その話蒸し返すな！


…これでも本気で悪かったって思ってんだから。


うん…された側の気持ち、全然考えたことなかった。


この子と付き合える！って期待させといて、最後は落として…


そういう傷って目に見えないけど、きっと深刻なんだよね…


その、さ…聞いちゃったんだ。前に嘘告白成功させた男子があたしの陰口言ってたの…


あたし、最低なことしたんだなぁって…


騙される方が悪いだなんて詭弁まで弄して…バカだよね、あたしって。


ホント、あの嘘告白ゲームに乗ったのは間違いだった。マジであたしの黒歴史。恥ずかしくて死んじゃいたいくらい。


でも…そんなクズなあたしをアンタが止めてくれた。


そうだよ。アンタが止めたの。自覚なかった？


あの時のアンタの演技、完璧だった。


あたし、まんまと騙されちゃって…


自分が今までこういうことしてたんだって、身をもってわからせてもらったから。


だから…ありがと。あたしを真っ当にしてくれて…


前のあたしじゃ、弟たちにも顔向けできなかっただろうしね。


あんなクズなお姉ちゃん持ってるって知ったら、弟たちが可哀想だし。


うん…大事だよ、弟たちのことは。


みんなちっちゃくて可愛くて…かけがえのない家族だもん。


え？……そ、そう？ちょっとは見直してくれた？


えへへ…アンタにそう言ってもらえると、なんか嬉しい。サンキューね。


じゃ、あたし家こっちだから！またね！


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〜番外編〜


(咳き込む)


お前、さぁ…こんなことしてタダで済むと思ってるわけ…？


立派な暴力事件じゃん、こんなの…


そりゃ、お前ごときクズ野郎に嘘の告白したのは後悔してっけどさ…


(蹴飛ばされる)


いたっ…！くぅ…！


…悪かったとは思ってる。嘘告白して、心に傷を負わせたこと自体は…


でも…こんなふうに暴力振るわれる謂れはない！それとこれとは話が別…！


(何度も蹴られる)


かっ、はっ…！


はぁ、はぁ…どんだけ暴力振るっても無駄。


あたしはお前のモノにはならない。だってあたしには…


…ッ！や、やめて！アイツには手を出さないで！


は、はぁ…？呼び出したって、まさか…！


(体育倉庫の扉が開いて、主人公が現れる)


アンタ…！なんでここに…⁉︎


あ、そっか…あたしの無様な姿、見に来たんだ…


まぁね？これがある意味当然の報いだとは、自分でもちょっとは思ってるよ？


けど、アンタがこういう見世物好むタイプだとは思わなかったなぁ…あはは、はは…


……えっ？い、今なんて…？


たす、けに…？あたしを…？


だ、だってあたしのこと興味ないんでしょ⁉︎


だったら、そこで黙って見てるか、とっととどっか行くかすればいいじゃん！


あたしなんてアンタに助けられる価値ない！


どうせあたしは、アンタにとって視界にも入らない、ちっぽけな存在なんだから！


あ、あぁ…あああ…！


助けてなんて一言も頼んでないのに…バカァ…


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…アンタって喧嘩、めちゃくちゃ強かったんだ。なんか意外…


お姉ちゃん仕込みの喧嘩スタイル？何それ…


アンタのお姉ちゃんどんだけ強いの…


ん…大丈夫、立てる…あっ…


(ふらついたところを抱き止められる)


あ、ありがと…抱き止めてくれて…


…ふふっ。アンタってやっぱカッコいい。


ねぇ…今思ってること言っちゃっていい？


好き…聞こえた？


うん…アンタのことが好き。大好きだよ。


流石にこの流れで嘘告白はしないから…信じてくれる？


ふふ、そっか…信じてくれるんだ。ありがと。


返事は…？まぁ、流石に分かり切ってはいるんだけど…


…だよね。知ってた。


アンタ、恋愛とか微塵も興味無さそうだもん。


ごめん…あとは一人で立てるから…手、離してもらっていい？


(主人公の身体から離れる)


はぁ…本当にフラれちゃった。


これでもそれなりに自信はあったのになー。


そ、それじゃあ、あたしはこれで…バイバイ…


な、何…？もう話は終わって…


…友達、から？それってつまり…


ふふっ…そっかぁ。


やっと興味持ってくれたんだ。このあたしに。


けど普通、フった相手に友達になろうとか言わないよ？どんだけ面の皮厚いの？


ううん、悪くない。むしろ嬉しいよ。ありがとね。


うん…これからは友達ってことで！


あ、でもアンタのこと諦めたわけじゃないから。


何がって…決まってんじゃん。


アンタの彼女になることを、だよ。


ふふっ…そう簡単に恋心は消えないものなんだよ。知らなかった？


次の目標はアンタを堕とすことにする。やっと友達にもなれたことだし。


あ、うん…先に傷の治療しなきゃだよね。忘れてた…


肩、貸してくれる…？保健室まで、さ…


ありがと…大好き、だよ…？

・台本（ゆるボイ！）
元嘘告白系女子のガチ告白
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎