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感情が昂ぶると身体から宝石が零れる特殊体質のため引きこもってしまった僕っ娘幼馴染を幸せにしてあげたい
written by ろべ
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  • 甘々
  • 純愛
  • ファンタジー
  • 幼なじみ
  • ボクっ娘
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  • メンヘラ
公開日2023年05月06日 23:37 更新日2023年05月07日 10:15
文字数
1728文字(約 5分46秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
生まれつき感情が昂ぶると身体から宝石が落ちてしまう幼馴染は、その体質から人間関係に恵まれず引きこもってしまった。俺はそんな彼女を心配して今日も部屋を訪れる。

台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ
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本編
(ドアの音)

……また来たんだ

…そこ、何個か石転がってるから気をつけて。
踏むと結構痛いから。

なんならまた持って帰っていいよ。
売るのはさすがにやめたほうがいいけど、君が見るだけなら…

…と言ってもいつもと同じ、スファレライトだから。いっぱいあるし捨てちゃっていいよ。

うん…またフラッシュバックしちゃって…

みんな僕のこと、体質しか見てくれない…
見かけだけ仲良くしようとしてても、結局は宝石目当て。

嘘つき、裏切り者、そんな気持ちしか湧かなくて、こんな濁った色の石ばっかり創っちゃう。


…綺麗なんて言ってくれるの…君だけだよ
みんなこんな石望んでない。

みんなが欲しいのはダイヤモンドとか、ルビーとか、アクアマリンとか。
そんな透き通った純粋な気持ちなんて、もう何年も石に出来てないのにね。

(カラっと石が床に転がる音)

あ、また出ちゃった…ごめんコレも拾って。

君、昔から宝石好きだから、たまには別の石も創ってあげられればいいんだけど…

えっと、まだあったかな…
ちょっと待ってて。昔創ったの探す。

(引き出しを探りカラカラと音がする)

お、コレなんかいいかな。
トパーズ。ちっちゃいけどね。

小さい頃君と遊んでてポロッと出てきたやつ。
よっぽど楽しかったんだろうね。
青いのなんてそうそう創れないよ。

一応幸運のお守りにもなるから大事にしてくれると嬉しいな。
まぁ、持ち主の僕がこんなだから、その効果はあまり期待できないけどね。


…あと何回、君にお土産を持たせてあげられるかな…

もうだんだん宝石のストックがなくなってきてる。
はやく前みたいに色んな石を創れるようにならないと、君も会いにきてくれなくなるかもだし…

ん?だって君、宝石が好きなんでしょ?
昔から綺麗だって言ってくれて、嬉しかったんだ。
君は石の価値じゃなくて、石そのものが好きみたいだったから、僕も安心して一緒にいられた。

でも最近の僕はこうして引きこもってスファレライトを零すだけ。
そんなんじゃ、きっといつか君も僕に興味がなくなっちゃうから。

下手したらこの引き出しの中の石の数が、君に会える残りの回数なんだなぁって思っちゃって…

(勢いよくハグされる)
わ!ちょっ!いいい、いきなりなにするんだよっ!
抱きつくなっ…!い、一応僕女の子なんだぞ!
はな…せっ!離せって…!

はぁ!?ば、馬鹿なのは君のほうだろ!
急に抱きついてきたりして、いくら幼馴染とはいえセクハラだぞ!いいから離せっ!

(引き剥がす)

はぁ…はぁ…
な、なんなんだよ。いきなりあんなことするなんて
君らしくないよ。

なんか怒ってるみたいだし、いったいどうしちゃったんだよ。

"今まで俺が石目当てで会いに来てたと思ってたのか"?

それは…えーっと…2割くらいは…?
あ、あとはちゃんと幼馴染として心配してくれてるからだと思ってたよ…?
8割ぐらいはそれだよね…?
だから優しいなって思ってて、それで君になら宝石あげてもいいなって…

え?それが2割の方なの?
じゃ、じゃあ残りの8割は…

…なに?…いきなり黙って。もったいぶらずに教えてよ。



……………え…
…い、今、僕のことが好き…って…そう言ったよね…

好き…なの…?僕のこと…
いつから?

そ、そんなに前から!?
そもそも石も僕のことが好きだから好きになった、って…

…………それで…君は僕と…付き合いたい、って思ってるの…?

そ、そうなんだ…
ごめんちょっといきなりすぎて…心臓が…ぅぅ…

(カラカラと数粒の石が落ちる)
え、あ…待って…なんか出ちゃう…

(一粒ずつ大きめの石が落ちていく)
こ、これ…なんで…なんかよくわかんない気持ちがあふれて…こわい…

(抱きついて服にしがみつく)
(フーッ…フーッ…と震えた声混じりの粗い息使いとともに石が落ちる)

(だんだん息と石が落ち着いてくる)

…もう…落ち着いた。大丈夫…
ごめん…強くしがみついちゃって。服、皺になっちゃったね。

そうだ…それよりこれ…
黄色い水晶、シトリンだ
初めて出た…

そっか…この気持ちって…………

…ううん、なんでもない。
そんなたいした意味はないよ。

そんなことよりさ、さっきの言葉…ほんとなんだよね。
僕のことが好きだったって。付き合いたいって。

だったらさ…いいよ。付き合っても…
こんな僕でよければだけど…

うん…嫌じゃない。君以外なら嫌だけど。

君となら…僕が好きな石、ラピスラズリとか、ペリドットとか、サードニクスとかそういうの、見れるかもしれないから…

うん…よろしく。君が…僕の彼氏…へへ。

あ、そっか…僕も君の彼女か…。嬉しい…

(石が落ちる音)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
感情が昂ぶると身体から宝石が零れる特殊体質のため引きこもってしまった僕っ娘幼馴染を幸せにしてあげたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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