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吸血貴族の女に現行犯逮捕された
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • 罵倒
  • ツンデレ
  • 吸血鬼
  • 命令
  • 軟禁
  • 名門貴族
公開日2023年05月10日 08:03 更新日2023年05月10日 08:03
文字数
1557文字(約 5分12秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
吸血鬼
視聴者役柄
人間
場所
吸血鬼の館
あらすじ
とある事情で莫大な借金を背負ってしまった男は、貴族の館に盗みに入り、宝石を盗ろうとする。しかし、その館の主である吸血鬼の女に見つかってしまって…?
本編
貴様…ここで何をしている?


(慌てて逃げ出そうとする男の襟首を掴む)


待て。わたしからは逃げられんぞ、この下郎が…!


誰が放すか。で、その手に持っているのは、我が館の宝石だな。まさか盗もうとしたのか?


そうか…正直で結構。まぁ、現行犯だからな。ここで己の犯行を認めんバカもおるまい。


しかし、妙だな…我が館の周囲には結界が張り巡らされていたはず…どうやって突破して…


おい、貴様。一つ聞かせろ。どうやってこの館に侵入した?


普通に裏口から?バカな、裏口にも結界は張ってあったはず…


…いや、待て。たしか裏口は魔力適正の低いお客人を通す時に結界を解いて…


…ふふっ。わたしとしたことが飛んだ誤算だったな…それも嬉しい誤算。


おい、貴様。これからわたし直々に部屋へ案内してやる。ついてこい。


黙れ。つべこべ言うな。挽き肉の刑に処すぞ。


いいから来い。悪いようにはせん。


(男を連れて部屋に放り込む)


今日からここが貴様の部屋だ。


シャワーもベッドも自由に使え。


いや、今は先にシャワーを浴びろ。これは命令だ。


黙れ、盗っ人。わたしに口ごたえする権限など貴様にはない。


後で飯も持ってきてやる。身体は丁寧に洗うんだぞ?いいな?


よろしい。では、わたしは色々準備があるのでな。


あぁ、言い忘れていた。ここから逃げようとしても無駄だ。貴様のことは常に監視魔法で見ているからな。


それから、館の周囲には結界が張られていることも忘れぬように。それでは、また後でな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


待たせたな、盗っ人。飯を持ってきてやったぞ。感謝して食え。


何?わたし自ら作った料理が食えんだと?


貴様、このわたしを愚弄する気か?


毒は入っておらん。大体、毒など入れて何になる?


貴様のような矮小なコソ泥を毒殺するなど、わたしの尊厳に関わる。いいから食え。


どうしても食えぬというなら、わたしがアーンしてやる。ほら、口を開けろ。アーン…


(男に飯を食わせる)


どうだ?美味いであろう?


ふん…わたしが作ったのだ。不味いわけがなかろうて。


さ、残りは自分で食え。それくらい、いくら無能な貴様でもできるであろう。


(女に監視されながら男が飯を食い終える)


全部食い終わったようだな。では、わたしが膝枕してやろう。来い。


(自分の膝を叩きながら、男を誘う)


おい…来いと言ったのが聞こえなかったのか?


貴様に拒否権はない。なんせ我が財宝を盗もうとしたコソ泥なのだからな。


(男が膝に寝転がる)


んっ…こ、これはこれで意外と悪くないかもな、うん…


だ、黙れ!余計な詮索はするな!


貴様はただ、わたしに撫でられていれば良いのだ!こうやってな!


(頭を撫でる)


むっ…人間の髪の触り心地とはこのようなものか…クセになるやもしれん…


(咳払い)


な、何も言っておらん!余計な詮索はするなと言ったばかりであろう!


……しかし、なぜ貴様はわざわざこの館に宝石を盗みに入った?金にでも困っていたか?


ふん…借金か。愚かな…これだから人間は…


だが…不思議なものだ。今はその愚かさが何よりも愛おしい。


なぁ、人間…貴様、わたしの元で一生暮らす気はないか?


貴様の借金など、このわたしが一瞬で返済してやるわ。金など有り余って使いきれん。


その代わり…貴様はわたしに己の血液を提供せよ。


眷属…そうだな、貴様を眷属にするのも悪くないやもしれん。


幸い、匂いも悪くないしな。少なくとも、不味くて飲めんということはなかろう。


まずは味見だ…噛むぞ。


(軽い吸血)


…ふん、盗っ人にしては悪くないではないか。


盗みに入るぐらいに性根は腐っているくせに、血の味は美味いとは…けしからん男だな。


(吸血がだんだん激しくなる)


黙れ…貴様がわたしに物申す権利はない。


そのまま大人しくしていろ…痛い思いをしたくなければな。


(更に吸血)


もう逃がさんぞ…貴様は名実ともにわたしのモノだ。


名門貴族たるわたし専用の輸血パックとなるのだ…光栄に思え。


一滴たりともこぼしてやらんから…そのつもりで、な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
吸血貴族の女に現行犯逮捕された
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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