俺にはなんだかんだ親しいギャルっぽい先輩がいる。
何かと俺に絡んできては冗談とか煽りとかいっぱいするけど、まぁいい人だ。
ある雨の日。折り畳み傘を忘れた俺は天を見上げてボーっとしていた。
どうしよう、濡れて帰るか。そんなところに現れたのが、いつもの先輩だった。

【】：状況
（）：声色 or SE

【雨が降っていて帰れない聴き手】
【そこで親しい先輩と出会う】
（雨が降る音）

あれ、後輩くんじゃん。
どうしたのさ、こんなところでぼーっと突っ立ってて。
……あー。この雨で棒立ちってことは、君、傘忘れたなぁ？

【肯定の聴き手】

いかにも面倒くさいなー、この先輩。みたいな顔しちゃって。
面倒くさくて悪かったねー。
そんな顔をする君には、傘貸してあげないよ？
まー、貸すって言っても、一本だけしか持ってないんだけどね。いる？

【否定の聴き手】

そんな大げさに否定しなくてもいいじゃん。
それとも何さ。あたしが親しい後輩くんを1人学校に置いて帰るとか思ってる？

（折り畳み傘を開く音）

ほら、入んなよ！　相合い傘、させてあげっからさ！
なに遠慮してんのー？　あたしとの相合い傘、周りに見られたら誤解するかも？
とか思っちゃってる？

良くない別に、そーいうの！
言わせておきたいやつには言わせておけば！
あたしもそんなに気にしないし。ね？

【渋々了承の聴き手】

うっしっし。言質取りー！
んならさっさと入れー！

（傘に雨が当たる音）

じゃ、行こっか！　うぇへへ！

（雨の中歩く音）

そういや、帰ったら何するん？
あ、勉強とかそんなつまらない解答は求めてないんで。
面白いこと言ってよー！

【普通にゲームすると答える聴き手】

うっわ、君らしいっていうか。いっつもそれだよねー。
趣味だからそりゃ当然だと思うけどさっ！

んー、じゃあさ！
今度あたしにも教えてよ、それ！
君がハマってるんなら、あたしも気になるし。

【渋々了承の聴き手】

ぃやった！
じゃあー、週末とかどーよ。
あたし、ちょーど暇だから、君んちに行きたいなーとかねー。へへへっ！
君がよかったら、ってことでね。考えておいてよ。

【読み手の肩が傘からはみ出していることに気づく聴き手】
【さり気なく傘を自分の方に傾ける】

……ふーん。
いやぁ？　全然。
なーんも気にしてなかったけど、そーいう自分の方に傘を傾ける、みたいな気遣いはできるんだなーって。
なんかウケるね。あたしがせっかくしてあげたこと、バレちゃったかー、とか思って。
普段からそういう気遣いのできるいい男になって欲しいなー。チラッチラ！

【鬱陶しめの聴き手】

えへへ、ごめんごめんってば！
まっ、その内でいいからさ。どーせ気づかないだろーしね！

何のこと、って？　内緒ー！　ひひっ！

・台本（ゆるボイ！）
親しいギャルっぽい先輩と一緒に相合い傘で帰る雨の日
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス