俺の彼女は自覚してないタイプのメンヘラだ。
他の女と話していたらだいたい嫉妬してくるし、翌日はすごく構ってくるし。
そんな彼女から、ある日俺が寝る前に電話をかけてきた。
彼女が言うには特別寂しくなってしまったから、電話をかけてしまったらしい。
面倒だと思いつつも、俺は優しく甘やかしてやることにした。

【】：状況
（）：声色 or SE

【電話が鳴る】
（電話の音）

……もしもし？
にへへ、元気かなぁ、って思ってさぁ。
どう？　元気げんきー？

【様子がおかしい読み手に疑問】

え、私ぃ～？
どうだと思います～？　ん～？

……って、冗談めかしましたが。
うん、元気じゃないです、はい。

なんというか、急に寂しくなっちゃって、連絡しちゃった。
ごめんね、びっくりしたよね。あーホント、はぁ……。
ホントはキミのところに遊びに行きたいけど、夜中に出歩くな！　ってキミは言うだろうから。
あぁ～！　ホントにもう！　今すぐ抱きしめたいよぉ！

ぎゅってして。ぎゅーーーーってして！
もうホントに寂しいから、力いっぱい抱きしめたい……。
すぅー、はぁ……。はぁ～……。
ホントごめん。なんか面倒くさい彼女みたいで。

【肯定の聴き手】

いつものことだから安心して、ってそんなに面倒だったこと、ある？
私、結構キミには気を使っているつもりだと思うんだけど……。

【独占欲が強い】

えぇ～、独占欲が強いところ～？
普通だと思うけどなぁ。

みんなだって、自分の恋人が他の女の子と喋ってるだけで、こう、モヤモヤ～ってなるじゃん。
なんで私と話してくれないんだろう。私じゃ言えないことなのかな。
それって浮気？　それともホントは私なんかじゃなくて、別の女がいて、金づるに……っ？！

みたいなのとか。
単純に嫉妬するし、その分。ううん。そのうん倍も付き合ってほしいって思うもん。
一生私のもののまま、一緒の墓に眠りたい、とか。

【独占力が強い】

普通は墓に入りたいとも思わないし、一生物じゃないって、ホント？
でも、まぁ……。冷静に考えたら、仲違いして別れちゃうかもだ、し……。
うぅ、想像したらまたしんどくなってきた。
ねぇやっぱり今からキミの家に言っちゃダメぇ？

……ダメかぁ。

……私、ホントに寂しいの。
これまでになかったぐらい、つらくて、苦しくて。
私はどうしようもないほど一人ぼっちなんじゃないか、って。

でも、私にはちゃんとキミがいる。
だから、頼りたくなっちゃった。
寂しくても、キミの声を電話越しに聞いたら、安心するの。
はぁ、キミのことがどうしようもないほど好きで、好きで。大好きなんだな、って。

だからキミも言って？
大好きって。キミじゃないと、ダメ。って

ねっ。言って？（囁き）

【復唱】

うへへ……っ！
な、なんか恥ずかしい……っ！
でもありがと。私も好き。大好き。

今夜はちゃんと寝れそうかも。
だからキミもちゃんと寝るんだよ？
そうしたら私が朝来るかもしれないんだから。んへへっ！

じゃあ、またね。
おやすみ。

【電話を切る】
（電話を切る音）

・台本（ゆるボイ！）
メンヘラ気味の彼女から寂しいと電話がかかってきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス