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公開日2023年08月02日 19:22
更新日2023年08月02日 19:22
文字数
1567文字(約 5分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
妖
視聴者役柄
退治屋
場所
自宅
あらすじ
妖退治を生業とする男は、病弱な妹の治療費を少しでも稼ぐため、自身の身体に鞭打って日夜、妖と戦っていた。その日も戦いの後にいつも通り家に帰ると、妹が病床に伏せっていた。しかし、男は目の前にいる妹が妹でないことに気づいてしまって…?
本編
(咳き込んだところ、兄が帰ってくる)
あ、兄上…おかえりなさいませ…
いえ…大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ありません…
…?兄上、その手首の包帯は一体…?
あ…そう、なんですね…妖(あやかし)と戦った際に…
兄上…どうして兄上は己の身を賭してまで、妖と戦うのですか…?
はい…霊力の高い兄上が妖と戦うことは理解できます…
しかし…相手は妖ですよ…?
どのような怪しげな術を使って襲ってくるか、わかったものじゃないのに…どうして…
え…わたしの、ため…?
あぁ…わたしが病弱だから…わたしの治療費を稼ぐために…
申し訳ありません…兄上が危険な目に遭っているのは、わたしのせいで…
(抱きしめられる)
あっ…あ、兄上…急に抱きしめられると、驚いてしまいます…
いえ…嫌ではありませんけど…わたしにも心の準備というものが…
…?兄上?いかがされました…?
えっ…?あ、兄上?何を仰っているのですか?
わたしはわたしですよ?兄上の妹の…
…ふふっ。あはは、ははははは…!
兄上ぇ…どうしてわかってしまわれたんです?
わたくしが妹に化けた妖であるということが…
あぁ、これは失敬。ほくろの位置もきちんと揃えておくべきでしたね。
妖気は完璧に隠したから大丈夫だと思ったんですけれど…やはり一流の退治屋の目は誤魔化せませんね。
(男が抜刀して女を斬りつけようとする)
ふふ…遅いですよ。ふっ…!
(身体を一瞬霧状に変え、下半身を蛇にして男の身体に巻き付く)
あはは…!惜しかったですねぇ、兄上♪
もう少しで刀を当てられるところだったのに…逆に締め上げられてしまいましたねぇ?
えぇ…わたくし、ただの蛇の妖ではございません。
霧という非実体的な形態をも取れる霧蛇(きりへび)という種にございます。
先ほどの戦いで学びませんでしたか?わたくしをただの刀では斬れないということを…
わたくしを相手にするなら、せめて妖刀の類いを使うべきでしたね。
もっとも、いくら高い霊力を持つ兄上といえど、人の寿命を吸うと言われる妖刀を扱い切れるかは未知数ですが。
それはともかく…これで王手ですね、兄上?
いかがします?わたくしに降参するというなら、命の保証はしてあげますが?
あぁ、本物の妹さんなら、奥の部屋で安らかに眠っておられますよ?
永遠に目覚めることのない安息の眠りを…ね?
あはは…!わたくしを恨むというなら、筋違いですよ?これは妹さんが望んだことなのですから。
えぇ。貴方の妹さんは、貴方がいつも傷だらけで帰ってくるのを見て、心を痛めておりました。
おまけに自分の治療費のせいで、生活は苦しくなるばかりだとも…
ならばいっそのこと優しく殺してくれと、家に押し入ったわたくしに自らお願いしてきたのですよ?
兄上をどうか幸せにしてやってくれと…あの幸薄な妹さんから頭を下げられながら、頼まれましたので。
わたくしとしても、その一途な想いを無碍にすることはできませんし…
いいえ?嘘ではありません。この耳でしっかり聞きましたから。
それに彼女の記憶も魂ごと丸呑みしたので…今すぐにでも、貴方の妹になることができますよ?こんなふうに…
……ねぇ、兄上?わたしはこれ以上、兄上の苦しむ姿は見たくない…!
兄上には幸せでいて欲しいんです…!
だからどうか、妖退治なんてやめて、ご自身の平穏無事な生活を追い求めてください…
それが今のわたしの、唯一の願いです…
……ね?貴方の知る彼女なら、いかにも言いそうなことでしょう?
妹さんの想いは、すでにこのわたくしが引き継ぎました。
ですので、これからは責任もって、わたくしが貴方を…いいえ、兄上を幸せにしてみせますね♡
(首元に噛み付く)
あまり暴れられても面倒なので、麻痺毒を注入しました。これで兄上はわたしの思うがままですね?
ふふ…わたしを退治しようと勇猛果敢に斬りかかってきた兄上が、麻痺毒ひとつでこんなに弱って…
兄上…貴方の妹は今、ここに生きております。
肉体は滅びても魂はここに存在していますから…何も心配しないで。ね?
不束者ですが…これから改めてよろしくお願いしますね?兄上…
あ、兄上…おかえりなさいませ…
いえ…大丈夫です。ご心配をおかけして申し訳ありません…
…?兄上、その手首の包帯は一体…?
あ…そう、なんですね…妖(あやかし)と戦った際に…
兄上…どうして兄上は己の身を賭してまで、妖と戦うのですか…?
はい…霊力の高い兄上が妖と戦うことは理解できます…
しかし…相手は妖ですよ…?
どのような怪しげな術を使って襲ってくるか、わかったものじゃないのに…どうして…
え…わたしの、ため…?
あぁ…わたしが病弱だから…わたしの治療費を稼ぐために…
申し訳ありません…兄上が危険な目に遭っているのは、わたしのせいで…
(抱きしめられる)
あっ…あ、兄上…急に抱きしめられると、驚いてしまいます…
いえ…嫌ではありませんけど…わたしにも心の準備というものが…
…?兄上?いかがされました…?
えっ…?あ、兄上?何を仰っているのですか?
わたしはわたしですよ?兄上の妹の…
…ふふっ。あはは、ははははは…!
兄上ぇ…どうしてわかってしまわれたんです?
わたくしが妹に化けた妖であるということが…
あぁ、これは失敬。ほくろの位置もきちんと揃えておくべきでしたね。
妖気は完璧に隠したから大丈夫だと思ったんですけれど…やはり一流の退治屋の目は誤魔化せませんね。
(男が抜刀して女を斬りつけようとする)
ふふ…遅いですよ。ふっ…!
(身体を一瞬霧状に変え、下半身を蛇にして男の身体に巻き付く)
あはは…!惜しかったですねぇ、兄上♪
もう少しで刀を当てられるところだったのに…逆に締め上げられてしまいましたねぇ?
えぇ…わたくし、ただの蛇の妖ではございません。
霧という非実体的な形態をも取れる霧蛇(きりへび)という種にございます。
先ほどの戦いで学びませんでしたか?わたくしをただの刀では斬れないということを…
わたくしを相手にするなら、せめて妖刀の類いを使うべきでしたね。
もっとも、いくら高い霊力を持つ兄上といえど、人の寿命を吸うと言われる妖刀を扱い切れるかは未知数ですが。
それはともかく…これで王手ですね、兄上?
いかがします?わたくしに降参するというなら、命の保証はしてあげますが?
あぁ、本物の妹さんなら、奥の部屋で安らかに眠っておられますよ?
永遠に目覚めることのない安息の眠りを…ね?
あはは…!わたくしを恨むというなら、筋違いですよ?これは妹さんが望んだことなのですから。
えぇ。貴方の妹さんは、貴方がいつも傷だらけで帰ってくるのを見て、心を痛めておりました。
おまけに自分の治療費のせいで、生活は苦しくなるばかりだとも…
ならばいっそのこと優しく殺してくれと、家に押し入ったわたくしに自らお願いしてきたのですよ?
兄上をどうか幸せにしてやってくれと…あの幸薄な妹さんから頭を下げられながら、頼まれましたので。
わたくしとしても、その一途な想いを無碍にすることはできませんし…
いいえ?嘘ではありません。この耳でしっかり聞きましたから。
それに彼女の記憶も魂ごと丸呑みしたので…今すぐにでも、貴方の妹になることができますよ?こんなふうに…
……ねぇ、兄上?わたしはこれ以上、兄上の苦しむ姿は見たくない…!
兄上には幸せでいて欲しいんです…!
だからどうか、妖退治なんてやめて、ご自身の平穏無事な生活を追い求めてください…
それが今のわたしの、唯一の願いです…
……ね?貴方の知る彼女なら、いかにも言いそうなことでしょう?
妹さんの想いは、すでにこのわたくしが引き継ぎました。
ですので、これからは責任もって、わたくしが貴方を…いいえ、兄上を幸せにしてみせますね♡
(首元に噛み付く)
あまり暴れられても面倒なので、麻痺毒を注入しました。これで兄上はわたしの思うがままですね?
ふふ…わたしを退治しようと勇猛果敢に斬りかかってきた兄上が、麻痺毒ひとつでこんなに弱って…
兄上…貴方の妹は今、ここに生きております。
肉体は滅びても魂はここに存在していますから…何も心配しないで。ね?
不束者ですが…これから改めてよろしくお願いしますね?兄上…
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