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あなたのことをずっとずっと待っていた激重感情九尾さんと再会するようです
written by ソライヌ
  • シリアス
  • 人外 / モンスター
  • 百合
  • 監禁
  • ヤンデレ
公開日2023年08月09日 23:09 更新日2023年08月09日 23:09
文字数
1860文字(約 6分12秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
ヤンデレ気味九尾
視聴者役柄
幼いころの記憶をなくした大人
場所
山奥の古びた社
あらすじ
~あらすじ~
気が付くと、山奥にある小さな社の前に訪れていたあなた。
不思議なことにあの社を見つめていると、どうにも懐かしい気持ちになってしまう。
呆然と立ち尽くすあなたに狐のお面をつけた誰かが声をかけてきて…?
本編
(SE:草木の生い茂る道を歩く足音)
(突如として現れた社をぼんやりと眺めている聞き手)

よくここまで来たな、ニンゲン。
こんな山奥の古びた社に来るなんて…変わり者だな。

ああ、このお面は気にしないでおくれ。
少々不気味に見えるかもしれないが…私の趣味みたいなものさ。

それで?お主はなんの用でここまでやってきたのだ?
多くのニンゲンから忘れ去られたこの場所にやってくるなんて、余程の目的がない限り難しいだろうしな。
…私で良ければ話を聞かせてくれないか?

なに?「気が付いたらここに」…だと?
カカカッ…!なんだ、こんな場所に目的もなくふらふらとやってくるとは。
そんなニンゲンは…いつ振りだろうなぁ。

ん?今度はそんな珍妙な顔をして何があった?
今更、私のこの面を妙だとは言わせないぞ。

………ほぉ…「なんだか懐かしい」「幼い頃に来たことがあるような気がする」…とな。
………気がする、ねぇ。
遊び場にするだなんて、随分とわんぱくな子供だったのだな。幼きお主は。

全く、ニンゲンはどうにも忘れっぽい生き物だからなぁ。
ほんの数年前の出来事ですら思い出せなくなってしまうのだろう?
短小な命と同等に脳みそもちっぽけな哀れな生き物なことよ。


そうだなぁ…もしかしたらお主の力になれるかもしれないな。
いい所を教えてやろう。こっち、私について来ておくれよ。

(SE:森の中を歩く音)

さぁ、着いた。ここだ。
ほらほら…この鳥居をくぐってごらん。
…どうした?何故躊躇している?戸惑うことなんて何もないじゃないか。
…町のニンゲンに『鳥居をくぐるな』と忠告されたのか。なるほどな。

(小声で呟くように)
……余計なことを吹き込みよって。

まぁいい。お主いい歳をした大人だと言うのに、そんな迷信を信じているのか?
さぁ…さぁ…おいで、こっちにおいで。
お主が求めているモノを与えてやるぞ?

(SE:鳥居をくぐる足音)
うむ、よく鳥居を潜り抜けてくれたな。
素直なニンゲンは嫌いじゃないぞ。
……ではお望み通り、叶えてやるとするか。

…そうだな、私の勝手な憶測に過ぎないが…
ここには昔、人が居ただろう。
幼きお主と交流を深めた…誰かが居たはずだ。
それもニンゲンではない…特別な存在が。

(SE:お面を取る音)
(ニンゲンの姿から狐の尻尾と耳を生やした獣人の姿になる)
……そやつの顔は、姿は…こんなではなかったか?
黄金に輝く毛並みと大きな耳……そして九本の尻尾を携えた…
…ちょうど今の私のような、姿だったのではないか?
なぁ…そうだろう?

……おいおいどうした?どうして震えている?
ああ…頭を抱えて…!苦しいか?痛いか?

……ああ…やっと、思い出してくれたか?
ニンゲン…いや、愛しき我が伴侶よ。
…随分と時間はかかってしまったが、またこうして会えて嬉しいよ。

無駄だぞ。逃げようとしてももう遅い。
…くくくっ…!あの鳥居をくぐっただろう?
あの鳥居はこの世とあの世を繋ぐ唯一の狭間だ。
あそこをくぐったら最後、お前は私の許しを得ない限り向こう側へ戻ることは出来ない。

それにしても…お主は立派になったな。
背丈も伸びて顔つきも美しくなって。
全く、ニンゲンの成長はあっという間だなぁ。

……だが…すまぬが…私はお主を許すことは出来ぬ…!

(怒りの感情を抑えきれなくなった様子で)
どうして!どうして!…あの時、幼きお主と約束したじゃないか。
この社に閉じ込められていた私を見つけてくれた、あの日から……私にとってお主は、唯一の存在だったというのに…!
これからも私と遊んでくれると!これからも私と一緒にいたいと!
…私の傍から離れないと、言っていたじゃないか。


…ふぅ…ふぅっ…!私はここでずっとずっと待っていたんだぞ。
朝も昼も夜も晴れの日も雨の日も雪の日も嵐の日も春も夏も秋も冬も…!
今日またここにお主が訪れて来てくれるまだ…ずっとだ…!

だが、全てがお主に非がある訳では無い。
大方…町のニンゲン共が、勘づいたといったところか。
やはり、あの陰陽師の血を引く祖先共は根絶やしにしておくべきだったなぁ。
お主の記憶を奪い、わざわざ町から離れさせよって。

……しかし、思わぬ誤算があったようだ。
お主がふらりと故郷に帰って来るとは、思っても見なかったのだろうな。
なんの気まぐれか、はたまた神の思し召しか……ただの妖が神を信じることになるとは、傑作だなぁ。
ここに足を踏み入れた時から、私はお主が帰ってきたと確信していたんだぞ。

大丈夫だ。もう、間違えはしない。
大切なモノは、肌身離さず傍において置かなくてはな。

(SE:抱きしめる音)
愛しき、我が伴侶よ。
お主も辛かったであろう?もう心配しなくてよいからな。
現世のことなぞ忘れて、私と共に永久を生きようではないか。

もう、二度と逃がさないからな。
……永遠に。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
あなたのことをずっとずっと待っていた激重感情九尾さんと再会するようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
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