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殺し屋さんはボロボロのあなたの命を助けたいようです
written by ソライヌ
  • インモラル
  • 監禁
  • シリアス
  • 拘束
  • 年上
  • 殺し屋
  • 奴隷
  • 百合
公開日2023年10月17日 23:10 更新日2023年10月17日 23:10
文字数
2294文字(約 7分39秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
お人好しな殺し屋
視聴者役柄
奴隷扱いの実験体
場所
とある研究施設
あらすじ
~あらすじ~
あなたは苦痛と暗闇に満ちた場所に囚われている。
生きる希望も見失いかけていたある日の夜、冷酷な面影を残しつつも優しい口調で話しかけてくる人物に出会って…?
本編
(SE:遠くから銃声音)
(少し間を開けてから)
(SE:通話の呼び出し音)

あ~…もしもしボス?無事に依頼、終わりましたよ。
はい、はい…わかってますって。処理の方もこのまま私の方で進めておきます。
社会の要人たちとはいえ、薬漬けのせいか最後の最後までわけわかんないこと言ってましたよ。
「出来損ないをくれてやるから、俺たちは助けてくれ」…なんて
嫌ですねぇ。幻覚に脳みそ支配されて、目の前で起こってることすら理解できなくなるなんて。
全くこれだからバカの相手は疲れるんですよ。

(SE:何かが倒れるような小さな物音)

……すみません、ボス。ネズミが一匹紛れ込んでいたみたいです。
おそらく音の方角的に後ろのキャビネットからだとは思いますが。
はい、分かってます。現場を見られている以上、誰であろうと片づけておきます。

(SE:足音)
(SE:銃口を向ける音)

……こそこそと暗がりに隠れて、気が付いていないとでも思ったか。
こんな現場にいるぐらいだ。貴様も組織に関与していたんだろう?
閉じこもっていないで、おとなしくさっさと出てこい。

(SE:開閉音)
(恐る恐るキャビネットの戸が開く)
(ボロボロになった姿の奴隷(聞き手)が現れる)

……っ!これ、は……

(数秒間を開けてから)

…………ボス、すみません。恥ずかしいんですけど……本当にタダのネズミでした。
あははっ…ネズミと標的を見間違えるだなんて…私、相当疲れてるみたいです。

(話をごまかしつつ早く通話を終わらせたい雰囲気で少し早口気味に)
あっそうだ、今日の依頼終わったらしばらく休んでいいですか?いいですよね?
最近は休みなしで働いてたんですから、このぐらいのご褒美はあってもいいと思いませんか?
じゃあそろそろ通話切りますから。
またひと段落したら連絡いれますので…では失礼します。

(SE:通話終了音)
(通話を終了させる)

(以下子供に語りかけるような優しめの口調で)
…ふぅ。…これでようやく、お話できるね。
ほら…ほら…こっち、おいで?
ごめんね、急に開けたからびっくりさせちゃったかな?
大丈夫だよ、怖くないよ?
私は貴方の味方だよ。
…貴方を、助けに来たの。

(敵対していないことを証明するため、自前の武器を投げ捨てる)
(SE:武器を投げる音)

ほら、危ないものはあっちにポイしておいたから。
貴方を傷つけるものは何にもないよ。
だから…ね?こっち、私のとこまで来てほしいなぁ。

…隅っこでブルブル震えちゃってる。
しかも何あれ。カラダ中傷だらけだし…青あざに切り傷まで…見てるだけで痛々しい…
首輪に腕輪……しかもあれって…足枷まで付いてる。
う~わ、鎖が壁に固定されてるじゃん。
そりゃあこっちに来れるわけないか。
ごめんね、こっちから近づいてもいいかな?

(SE:足音)

……よし、やっと貴方の傍まで来れた。
怖がらなくていいよ…って言ってもわかんないよね。
知らない人がいきなり来たんだもん。
びっくりしない方がおかしいよね。

こんにちは…いや今の時間帯的にはこんばんは、かな。
貴方、お名前は?どこから来たの?ここで何をしてるのかな?
…それからお父さんやお母さんは、どこにいるのかな?

……名前は、わかんない?そっか。
……お母さんもわかんなくて……お父さんは、『アレ』か。
そうだね、動かないね。きっと夜だから眠たくなっちゃったんだよ。
ん?いつもはあんな感じじゃないの?
大きな声で怒鳴りながら、知らない人達連れてきて、あなたで『お仕事』してるんだ。

…ねぇ、その『お仕事』っていうのは、なんなのかな?
……へぇ、なるほど。貴方のカラダにお薬入れて、たくさん殴られるのがお仕事なの?

(小声でつぶやくように)
はぁ…手配書の時点でイカれたヤツだとは思ってたけど…実の子供で人体実験とか、本気で頭おかしいんじゃないの…?

うん、うん…そっか。お仕事が始まるまではずっとここにいるんだ。
真っ暗で、一人ぼっちで、痛くて、怖くて、苦しくて……生まれた時からずっとずっと、絶望だらけの世界で生きてきたのね。

…あ~あ…最悪。嫌なこと思い出しちゃうなぁ…自分とおんなじような境遇だなんて。
…でもうじうじしててもしょうがないか。

…ごめんね、私、貴方に嘘をついた。
貴方のお父さんを眠らせたのは私なの。多分…いやもう二度と起きれないカラダにしちゃった。
貴方のお父さんは、あなただけじゃなくて…他の人にもひどいことをしていたの。
危ないお薬を作って、たくさんの人を騙して、居場所を奪って。
そのせいでひどい目に合ってきた人たちが大勢いる。
その報復として、自らの命で代償を支払ってもらう形になったの。
…こんな私のことなんて、許さなくていい。
貴方にひどいことをしていたとはいえ、たった一人の肉親を奪ってしまったんだから。

だけどね、貴方は生きていかなきゃいけない。
その命がある以上、貴方は貴方でいていいの。

ねぇ。よかったらさ…私と一緒に、ここを出ない?
私でよければ、この腐った世界の生き方を教えてあげる。
普通の人生を歩めるよう、私がサポートしてあげるから。
暖かい寝床も、おいしい食事も、無償の愛も、貴方がしたいことを叶えてあげる。
…貴方が望むならカラダを蝕んだ毒を作った奴らに復讐だってできる。
それなりの覚悟は必要になるけどね。
ボスには黙ったままだけど、あの人もなんやかんやお人よしだもの。
私を育ててくれたように、きっと貴方を迎え入れてくれるわ。

……だから、生まれなければよかったなんて、早く楽になりたいだなんて、言わないで。
これからは私が貴方を愛してあげるから。
ずっとずっと傍にいることを誓ってあげる。
だから…おいで。私の手を取って。
こんな悲しみに満ちた牢獄から、逃げましょう。

…契約成立ね。それじゃあ…今から貴方は、私のモノだから。
貴方が貴方らしく生きられるようになるその日まで、ね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
殺し屋さんはボロボロのあなたの命を助けたいようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
ライター情報
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