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討伐対象の妖狐に感謝の言葉を述べたら、求婚された
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • 妖狐
  • のじゃ系
  • 和風
  • 嫉妬
  • 求婚
  • 化かし合い
公開日2023年08月27日 16:43 更新日2023年08月27日 16:43
文字数
1129文字(約 3分46秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
妖狐
視聴者役柄
忍び
場所
某所
あらすじ
忍びである男は人を化かす妖狐と何度も対峙していた。しかし、とある妖刀に魅入られた男は、正気を失った状態で妖狐を殺そうとする。妖狐は男を元に戻すべく、妖刀に対して宣戦布告を行うが…?
本編
ふぅ、はぁ…すまないねぇ、旅人さん。こんな老いぼれを、遠くまで送ってもらって…


ふふふ…このご時世には珍しく、お優しい方だこと。もしよければ、お礼にこちらの銭を受け取ってくださらんか?


いえいえ。これはほんのお気持ちですので、どうかお受け取りくださいな。


(銭が葉っぱに変わる)


あら…あらあら。これはどうしたことかいねぇ。銭が葉っぱに変わっちまったよ。


くくっ…ははは…!


流石じゃのう、旅の者…いいや、忍びの者と言い換えた方がよいか?


(振り下ろされた刃を躱わす)


おっと…流石に妖刀の類いで斬りつけられては、儂も無傷では済まんなぁ。


それ、一介の忍びが手に入れられる代物ではなかろう。どこで手に入れた?


…まぁ、よい。大方、刀そのものに魅入られたとかそんなとこじゃろう。


お主とはこれまで多く化かし合ってきたが、まさか儂以外のメスに魅入られるとは…これは本気で見逃せん事態やもしれんな。


うむ。そやつはメスじゃぞ。お主のことをチュッチュしたくて堪らん言うておる。


まったくもって、はしたない女子(おなご)じゃ。けしからん。


そのような鈍刀(なまくらがたな)はへし折ってやらねば、お主のためにもならん。それをさっさとこちらへ寄越すのじゃ。


何?儂の言うことが聞けぬと申すか?


ぬぅ…この鉄サビ風情が、儂のお気にの男に取り憑き、よもや儂に指図するとは…許し難い。


よかろう。貴様を葬り、彼を正気に戻してやる。覚悟せい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気が付いたか?儂が誰だかわかるか?


うむ、正気を取り戻したようで何よりじゃ。


覚えておらぬか?お主はあのいかがわしいメス刀に取り憑かれておったのじゃ。そしてこの儂を斬り殺そうとした。まぁ、後者はお主もいつもやろうとしてることなのじゃが。


うむ。この儂があの化け刀を地底の最深部にまで突き落としてやったわ。いかにあやつが執念深かろうと、もはや地上には上ってこれまい。儂に感謝するんじゃな。


…!ほぅ、その言葉は真(まこと)か?本気で儂に感謝していると申すか?


そうかそうか…ならば、この儂と結婚せよ。文句はあるまいな?


愚問じゃな。お主は儂と幾度となく化かし合い、儂の正体を見破ってきた。


つまり、儂が何者になろうと、お主は儂を儂だと見抜ける…儂の婿になる資格としては、十分であろう。


そう謙遜するな。儂が良いと言っておるのじゃ。ならば、ここは素直に従うべきであろう?


くく…無駄じゃ。お主の忍術とやらはすべて封印させてもらった。儂に抗う術(すべ)はもう無いぞ?


まぁ、落ち着け…古来より「昨日の敵は今日の友」というであろう?


ならば、「昨日の敵は今日の妻」といっても何も問題なかろう。


安心せい…婚姻の儀は我が故郷で結ぼう。お主はただ黙って儂についてこればよい。


(優しく抱きしめる)


これからよろしく頼むぞ…我が夫として、な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
討伐対象の妖狐に感謝の言葉を述べたら、求婚された
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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