図書委員の貴女は、絶賛片思い中の後輩女子と、誰もいない図書室のカウンターで並んで座っていた。感動モノの本を読んで泣いている貴女に、彼女はそっとハンカチを差し出してくれた。こうなったらこのまま思いの丈を伝えるしかないと思った貴女に対し、彼女は逆に先制攻撃を仕掛けてきて…？

先輩…また本読んで泣いてるんですか？化粧崩れますよ。


わたしが直すんですか…それは構いませんけど、地味めな化粧になりますよ？それでもよろしければ。


とりあえずほら…これで涙、拭いてください。


図書委員が泣いていては、業務に差し障りますよ？今はだれもいないからいいですけど。


いいですよ、鼻をかんでも。あとで洗濯しますので、問題ありません。どうぞお気遣いなく。


…落ち着きましたか？そろそろ閉館時間なので、帰り支度しましょう。


…？先輩？どうしたんですか？トイレなら、廊下を出て右の突きあたりですよ？


……あの、そんなにモジモジしなくても、愛の告白なら喜んで受け入れますから。


え？違いませんよね？告白してくれようとしたんじゃないですか？


いえ、なんかわかりやすかったので…もしかしたら脈ありなのかなって。


はい、わかりました。黙って聞いてますので、どうぞ。


……はぁ。なんか恥ずかしいですね、それ。面と向かって言われると尚更…


いえ…嬉しくなくはないです。ありがとうございます。


けど…そんなふうに言われるとは思いもしませんでした。


だってわたし、表情筋が死んでるってよく言われますから。


はい。無表情ですよ、わたし。眉一つ動かないらしいです。


そんなわたしを表情豊かだなんて…先輩はわたしの顔を四六時中眺めてたんですね。ちょっとだけ引きます。


まぁ、今のは冗談として…わたしの答えも言わせてもらいますね。


(キス)


わたしも好きですよ、先輩のこと。


はい。先輩は誰よりも可愛いですから。


見た目ヤンキーでギャルなのに、可愛いものに目がなくて、よく本を読んでは泣きはらして…


わたしと違って表情豊かな先輩はわたしの憧れで…いつの間にか好きになっていました。


先輩が同じ図書委員でよかった…おかげで先輩の可愛いところ、たくさん知れましたし。


いいえ。全然怖くありませんよ？先輩のことは…


はい。優しくて可愛くて、泣き上戸な先輩が大好きです。


(抱きつかれる)


年上なのに甘えん坊ですね、先輩は…そういうところもポイント高いんですけど。


いいえ、こちらこそ。告白、本当にうれしかったですから。


ね…今度は先輩からキスしてくれます？先輩の攻め方が知りたいです…


(キスされる)


ふふ…思ったより控えめなんですね。もっとがっつりこられるかと思ってました。


いえ…やっぱり先輩は可愛いなって。見た目、シ慣れてる感あるから尚更。


そうだ、先輩。今日うち、両親が出張と飲み会でいないんですけど、よければどうですか？


はい。先輩なら大歓迎です。両想い記念にパジャマパーティーでもしましょう。


決まりですね。じゃあ、早く戸締りをして帰りましょう。いい加減、時間も遅いですしね。


…えぇ、期待してますよ。普段は見られない、先輩の可愛いところが見られるのを…ね？

・台本（ゆるボイ！）
【百合】無口系後輩に愛の告白をかましてやった結果…
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・台本制作者
松平蒼太郎