ぼんやりと今朝見た夢のことを思い出した。
10年前、知り合いの子供と遊んだことがある。
そいつは小学生ぐらいだって言うのにやたら俺に気を向けてきて。
結婚の約束をしてきたことがあったな。冗談だと受け取って、そのままどこか遠くの街へ行ってしまったが……。

まさか、10年後に成長した彼女と出会うなんて、微塵も思ってなかった。

【】：状況
（）：声色 or SE

【聴き手が電柱で待ち合わせしているであろうJKを発見する】
【夜遅いからと、注意】

……いえ、今はどうしてもここで待っていなくてはいけない用事がありまし、て……っ！

【読み手が聴き手を認識する】

あ、あのっ！　私です、私！
10年前にあなたと結婚の約束をした【自分の名前】です！

あぁ、よかった……。
昔と変わらないご様子で、むしろ安心しました……。

【疑問の聴き手】

……んん？
もしかして、私のこと、覚えてませんか？
まぁムリもありませんよね。10年前はこーーーーーんなにも小さかったでしたから。
ですが今では17歳！　少し遅れはしたものの、結婚するなら今が一番と言えましょう！
さぁ今すぐこの婚姻届にサインを！　大丈夫です、両親は説得済みです！！

【待て待ての聴き手】

ふぅん……。やっぱり怪しい立ちん坊だとか思ってます？
じゃあ、昔の写真を～……と。これとかどうですか？
昔、公園でブランコで遊んでもらった写真です！

【驚愕の聴き手】
【数秒間】

ふっふっ！　やっと信じてくださいましたか。
そうです！　私が10年前に結婚を約束したのです！　覚えてますか！
覚えてないなら今から言いましょうか？
10年前からお慕いしておりました！　結婚を前提にお付き合いしてください、と！

【速攻否定の聴き手】

なんでですかぁ！！！！
だって、あのときは「あぁ、大人になったらな」とか爽やか笑顔で言ってくれたのに！
再会したときはなんかくたびれてるなぁ、とか思いましたけど、でもですよ！
約束したことぐらいは果たしてくださいよぉ！　これが大人のやることですか！！

【沈める聴き手】

ぜぇー、はぁー、ぜぇーはぁ……。
はぁ……。もしかして、あの時の約束って嘘だったんですか？

【拗ね気味に抱きしめる読み手/正面/密着】
（抱きしめる音）

私、本気にしてたのに……。
10年間、料理や洗濯事。子作りの仕方だって一生懸命学んだのに、全部ムダだったんですか？

【上目遣い読み手】
【ドッキドキの聴き手】

……あ、目をそらしましたね？
そうですよねー。
可愛い女子高生から抱きしめられて、ドキドキしない男の人はいないですもんね？
いっぱい成長しました。肉付きも良くなって、お尻や胸だって。
好みが違うのでしたら、努力します。
それであなたが興奮してくれるなら、何だってします。

私のこと、好きにしてもいいんですよ？（囁き）

（肩を掴んで剥がす音）
【説得の聴き手】

様子見、ですか。ふーん、へぇー……。
まぁいいですけどぉー。

あっ！　ということは、私と一緒に同棲、ってことでいいのですよね？
いいですよね！　ね！！

【両親から許可もらって】

なるほど！　親からの許可があればいいんですね？
それなら大丈夫です！　母親からは「めちゃくちゃにされて来い」と言われ、
父親からは「孫の顔が早く見たい」とも言われています！
許可なんて、最初からあってないようなものなんです！

すっごく嫌そうな顔ですねぇ！
まぁいいですけどぉ～！
これからいくらかけてでも、あなたのことを落としてあげますから、覚悟しておいてくださいね！

それじゃあまず……。
疲れてそうなので、精の付くご飯でも作りましょうか！
私の手作りも、ちゃ～んと美味しいですから。食べてくださいね？

・台本（ゆるボイ！）
10年前に結婚の約束をした女の子がJKになって帰ってきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス