貴方は赤点常連であるクラスの女子にせがまれて、勉強を教えていた。彼女の文句を聞き流しつつ、貴方は彼女とのおしゃべりを密かに楽しんでいて…？

んぎぎ…ねー！これどう解くのー⁉︎ マジ、意味不なんですけどー！


もう無理だって〜…補習の課題とか終わるわけないじゃん…君が全部解いた方が早くね？てか、そうしよ？


うぐ、正論…言い返す言葉もございませーん…


あーあ…みんな今ごろ、文化祭の準備で盛り上がってんだろーなー。なんでウチだけこんなとこでお勉強…


あーあー。聞こえない聞こえな〜い。そんな耳の痛い言葉は一切合切、聞こえませ〜ん。


あ、こら。今、人のこと小声でバカっつったでしょ？余裕で聞こえてっからな？


うっせ。細けーこと気にすんなし。これだから、ガリ勉は…


(しばらく黙って勉強)


…あ、そういや今更だけど、君は文化祭の準備行かなくていいの？


あはは〜…だよねー。知ってた。まだクラスに馴染めてないっつーか、微妙に浮いてるっつーか…半年以上経ってんのにねー。


てか、ウチがこんだけ手ェ貸してやってんのに、なんで未だに馴染めないかなー？ボッチの才能あるよ、君。


いや、あるって。ウチみたいなギャルと接していったら、自然に明るくなるっしょ？普通は。


ん？あぁ、そりゃあ、「ボッチくんに手を差し伸べる優しいクラスメイト」っていうステータスが欲しいからに決まってんじゃん。


クラスも村社会なんだから、これくらいの立ち回りは当然じゃね？孤立したら、生きづらいしさー。


あー、またそういうこと言うー。そんなんだから、友達できないんだぞー、マジで。


…ま、それに君に親切にしてたら、宿題も写さしてもらえるし。まぁ、お互いウィンウィンの関係ってことで、これからもシクヨロ。


え？よろしくって意味だけど…現代語、知らない？


ちょ、バカ！本気で辞書引こうとすんな！載ってるわけねーだろ、バーカ！


あぁ、もぅ…君ってば、人のペースよく乱してくんなぁ…ウチ的にはそっち系の才能は要らねーんだけど？


あ、言ってるうちに課題終わった。見て見て。いい感じに解けてない？


あ、何？その「仕方ねーから、これで終わりにしてやる」って言わんばかりの態度は…


ま、いいや！とりあえずサンキューね！これで、先生のお小言聞かずに済む！あー、助かった！


ん？あ、それまだ言ってんの？ボッチの才能なら、あるっつの。なんなら、ウチが太鼓判押したげるけど？


…へ？あ、ちょ、はぁっ⁉︎ い、いきなり何言ってんだし！ウチを含めんな、ウチを！


てか、勘違い乙！さっき言ったじゃん⁉︎ ボッチに優しいクラスメイトっつー立場が欲しいだけだって！友達とか、そんなんじゃねーから！利害が単に一致した…えっと、こういうのなんてんだっけ…


…と、とにかく！勝手にウチを友達認定すんな！バーカ！バーカ！


あああ！嘘嘘！やっぱ友達でいいです！だから、勉強は教えて！お願い！


いや、だってウチの周り、勉強得意な人いないから！君だけが頼りなんだって！言っとくけどこれ、マジだから！


…あれ？けど、その言い方だと結局君も友達はほしかったんじゃ…？


ふふ…なーんだ。ただのガリ勉かと思ったら、案外可愛いとこあんじゃん。


ほらっ、もう勉強終わったし、文化祭の準備に混ざりに行こーぜっ！ウチがついててやるからさ！

・台本（ゆるボイ！）
クラスメイトのギャルに勉強を教えてたら、なぜか青春が始まった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎