なんやかんや付き合いのある女の先輩に夜中に呼び出され、なぜか添い寝をすることになった貴方。どうして呼び出されたのかを薄々察していた貴方は、彼女の隣にいることを誰に言うでもなく、決めたのだった…

ねぇ、後輩くん…起きてる…？


あ、起きてた…さっきの寝息はわざと？


あはは…そっか。あたしに気を遣わせないために、ね…相変わらず優しいんだから…


(後ろからハグ)


んーん？別に…何となく、くっつきたくなっただけ。


うん…わかってる。エッチなことはシないよ。恋人ってわけじゃないしね。


けどさ…いいじゃん？ちょっとくっつくくらいなら、セーフでしょ？


あ〜、それは言わない約束〜。そりゃ、若い男女が同じ屋根の下で寝るのは問題あるかもだけどさぁ…


…君しかいなかったから。くっついて寝ても大丈夫そうなの…


うん…夜中なのに、呼び出しに応じてくれてありがと。ホントに来てくれるとは思わなかったから、ビックリしちゃった。


通話だけでもいいかなって思ったんだけどね…人肌が恋しくてさ…


ごめんね…君を元カレに重ねるような真似して…


大好きだったからさ…あの子のこと…


お別れした時のショックが今でもトラウマでさ…時々、その夢を見ては飛び起きたりするんだ…


…今のは笑うところだよ？後輩くん…この未練ったらしい女は何なんだーって。


ふふ…やっぱり優しい。普通、自分を他の男と重ねられたら、嫌な気になるもんだけど。もし、あたしが逆の立場だったら、絶対嫌だし。


ふ〜ん…きちんとその辺の線引き出来てるんだ。えらいね。お姉さんが頭撫でてあげよっか？


(背を向けて寝ていた後輩が後ろを振り向く)


…？後輩くん？急に振り向いてどうしt…はわっ！


(頭を撫でられる)


も、も〜…急に何さ〜…！頭撫でてあげるって言ったのは、こっちだよ？


…ッ、バカ…別に頑張ったとか、そんなことないし…辛かったのは本当だけど…


ごめ…ちょっと胸、借りていい…？


(彼の胸に顔を埋める)


後輩、くん…あたし、あたしね…ホントのホントに、あの子のこと好きだったの…


だからこそ…あんな別れ方が許せなかった。あの子が他の女に寝取られて…「もう君とは付き合えない、ごめん」って言われて…


そりゃ他の女に身体許したのも許せないけど…！それ以上に自分からさっさと別れ切り出してきたのが一番辛くて…！


先に謝ってくれたらあたしだって、許したかもしれないのに…！いきなり責任取って別れるって、そんなの逃げてるだけじゃん…！


もっとあたしと向き合って欲しかった…！もっとあたしのこと、ちゃんと見て欲しかった…！


今さらこんなこと言っても仕方ないのはわかってるけど…！でもやっぱり悔しいよ…悲しいよ…！


ねぇ…あたし、どうしたら、自分の心と折り合いがつけられるの…？教えてよ…


……「じゃあ俺と付き合う？」とは言ってくれないんだ。けちんぼ…


そっか…それが後輩くんの立場なら仕方ないね。年上なのに、あんまりわがまま言うもんじゃないね、うん…


(抱きしめられる)


…ズルい。そうやって優しく諭してくるの…年下のくせに生意気。おまけにちゃっかりハグまでして…


ふふ…そうだったね。ハグはセーフって言ったの、あたしだった。


ありがとね…あたしにとって都合のいい後輩でいてくれて…


あはは…ごめん。もっと言葉選んだ方がよかった？


ん…じゃあ、先輩命令。今夜はこのままあたしのこと抱きしめて…ね？

・台本（ゆるボイ！）
無理して明るく振る舞う先輩の隣で添い寝してみた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎