ご近所付き合いでたまにゲームをしに行くお姉さんがいる。
そいつはとてもうるさい。よく喋るし、面倒くさい。
でもまぁ、面白いからいっかってなる。これを恋とは、絶対言わないんだろうな。

【】：状況
（）：声色 or SE

【読み手が聴き手を招き入れる/遠く/正面】
（ドアを開ける音）

いらっしゃ～い！
あ、今日だったら、メリークリスマス、かなぁ？！
うちに来てくれてありがとう！　ささ、入って入って！

（ドアを閉める音）

寒かったでしょう？　こたつあるから暖まろっ！

（廊下を歩く音）

と言うか廊下も寒いよね。はーさむ。
ちょっとしか外に出てないのに寒すぎ。
寒すぎてサム・スミスになっちゃう。あ、今の滑ったかな？　あはは……。

（ゴソゴソ音）

はぁ～～～～～～～～！
こたつあったか……。もう二度と外に出たくない。
こたつ以外と寝たくない。こたつと結婚するんだぁ、わたしぃ……。

【数秒沈黙】

さて、ゲームしよっか。
クリスマスっぽいことしようと思って、ケーキとか買ってこようと思ったんだけどね？
外出るの面倒くさくって。

いや、だって寒いじゃん！
この前なんか雪降って地面凍ってるし。
滑ったら痛そうだよねーあれ。きみはそんな中来てくれたからもう神すぎる。
崇めてもいい？　いいよねー？　はー、崇め崇め～。

【ドン引きの聴き手】

あぁあぁっ！　違うんですそうなんです！
私、特にそんなつもりはなかったけど、ありがたすぎて……。
もう本当にありがとうって感じ。きみを産んでくれた両親に、謝謝（シェイシェイ）。

ま、それは置いておいて。ゲームしよう！
とりあえずパーティゲーム用意しておいたから！
今の時代、DLしたゲームをそのままプレイできるからいい時代だよね。

ま、今からやるのは数十年ぐらい前のレトロゲームなんだけど。
知ってる？　サンテンドー46っていうゲームハードがあったんだけどね？
まぁ、私みたいなアラサーでも見たことないっていうか。実物は中古ショップでしか見たことないんだけど。
それをアーカイブ形式でできるようにしたのが、これよ！
私のことじゃないのにいっぱい語るじゃん、はは！

てか、私喋り過ぎじゃない？　もっときみも話題出してくれていいんだよ？
もしかして遠慮してる？　私がうるさいから！　ちょっと黙るね！

【数秒沈黙】

だーは……っ！
ダメだ。沈黙に耐えられない。
うるさいのはもう慣れてほしい。てかもう慣れっこか！

まっ！　こうやって喋り相手がいる時点で私としては嬉しいけど。
きみにとってはどうなのかなー、とか思ったりしないでもないんだよ？

でもクリスマスだってのに来てくれて、こたつで拘束しながら黙ってお姉さんの話を聞いて。
なんだかんだ、きみ、私のこと好きでしょ？
今なら告白してもいいんだぞ～、んん～～～？？？

【聴き手「無理っす」】

えぇーーーー！！
いま「いいっすよ」みたいな流れだったじゃん！
そんな。えっ？！　無理っすって。そんなズッパリ断わんなくてもよくない？！
うわー、寂しいなー、つらいなー！　お姉さん、ヘラっちゃうー！

【画面見ての聴き手】

おっ！　始まったね。この雑なポリゴン感がたまらないよ。
まっ！　私のことを面白お姉さんだと思ってくれるなら、それはそれで嬉しいよ！
よっし、じゃあゲームやろっか！

・台本（ゆるボイ！）
ゲーマーのうるさい面白お姉さんと過ごすクリスマス
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス