元高校教師の男は、かつて自分の生徒だった女性の元でヒモとして、そして彼女の夫として生活していた。

彼女は彼が家で何もしなくても全く怒ることはなく、むしろ家事などをすると、逆に心配をしてくる。

それは男がかつて職場で過労で倒れたことと関係していて…？

お待たせ…先生、食事持ってきたよ。いっぱい食べて。


ふふ…良い食べっぷり。ある程度は回復してきたみたいでよかった…


…うん、本当に心配したんだから。先生が過労で倒れたって聞いて、さ…


大丈夫だよ…先生はずっとここにいてくれていいから。わたしに気遣われてるとか、余計なことは考えてなくていい。だってこれはわたしが好きでやってることなんだから。


うん…先生は頑張った。本当によく頑張った。誰も褒めないだろうから、わたしが目一杯褒めてあげる。よしよし…


(頭を撫でる)


けど…過労で倒れたのはいただけない。頑張りすぎは良くないから…ここでずっと、わたしがお世話してあげるんだ。先生のことは…


うん…先生を養うためならわたし、いくらでも頑張るよ。仕事も家事も、なんだってこなしてみせる。


無理はしてないよ、大丈夫…それに家事の方は、最近先生も手伝ってくれるから、すごく助かってる。いつもありがとう。


本当のことだよ…でも、家事も最近はちょっと頑張りすぎかな？マイペースにやってくれていいからね？別に家事ができないからって、先生のこと捨てたりしないから。


(頭を撫で終え、抱きしめながら背中をさする)


大丈夫、大丈夫…今や先生はわたしの旦那さん…きちんと結婚もしたし、ずっと一緒にいるって決めてるから。安心して、ここに居て？


ふふっ、良い子…先生、前より素直に甘えられるようになったね。えらいよ。


信じてるから…先生のこと。先生は大人不振だったわたしを変えてくれた。本当の意味で、わたしの力になってくれた。だから、いくらでも信じられる。


うん…大人に騙されてばっかりだったわたしに、正直にぶつかってきてくれたから…


深夜でも、わたしが電話をかけたらすぐ出てくれた。そのまま朝まで話し相手になってくれた…自分がしんどいことなんて、全く顧みずに、さ…


わたしもあの頃は全然加減を知らなくて…先生にたくさん迷惑かけちゃった。今さら謝るのもあれだけど…本当にごめんね？


あはは…やっぱり優しいなぁ、先生は。今後はその優しさをわたしだけに向けてくれればいいから…他の人のことなんて、気遣わなくていいから。


当然でしょ？先生はもう先生じゃない…わたしの夫で、わたしだけの先生。だったら、他の人を見る理由なんてないよね？


ふふ、さすが先生…わたしの言うこと、本当に素直に頷いてくれるようになった。


卒業するまで我慢してよかった…卒業して成人したら、もう生徒と先生なんて関係に縛られる必要ないもんね？


あはは…懐かしいね、それ。わたしがまだ生徒だった頃、一回先生に本気で迫ったっけなぁ…ホント、懐かしい…


……は？先生、いきなり何言ってるの？他の男なんて見るわけないでしょ？それとも、先生はわたしが浮気する女に見える？


うん…そうじゃなくて、何？そこは曖昧に濁しちゃダメ。ハッキリ言って。今すぐ。


ん……そういうことね。わかった。それなら良い。


勿論。専門学校でも今の職場でも、先生よりいい男なんて全然いなかったから。上辺だけのチャラ男に興味ないし。


それより…また働きに行こうとしちゃダメだよ？もちろんバイトやパートも。この前、ネットの求人ページ漁ってたでしょ？検索履歴、全部消しておいたから。


先生のお仕事は、わたしに養われることだけ…分かった？返事は？


よろしい。今後も無茶は厳禁だから…約束のチュー、するね。ンッ…


(キス)


もうどこにも行かせないから…ずっと、一緒だよ？

・台本（ゆるボイ！）
【束縛依存】クールな妻は頑張り屋な夫をヒモにしたい
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎