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土地神さまの労り耳かき
written by しゃみがめ
  • 耳かき
  • 癒し
  • のじゃロリ
公開日2024年02月27日 14:45 更新日2024年02月27日 18:56
文字数
2138文字(約 7分8秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
土地を護る神様 
視聴者役柄
都会での生活に疲れてしまった人間
場所
田舎 昼下がりの誰もいない縁側
あらすじ
都会での生活に疲れたあなたは田舎の実家に休養に訪れています。昼下がり、離れの縁側で一人佇んでいると、見知らぬ少女に話しかけられ……

土地神さまは幼い頃から気に入っていたあなたがくたびれた姿で帰ってきたことに驚きと罪悪感のような感情を抱いています。これ以上傷付かぬようにと不器用な性格ながらもあなたを労わりたい、土地神さまの優しさ溢れる作品です。
本編
(木々のざわめく音、鳥の鳴き声等の環境音)

(こちらに近づいてくる足音)

おい…!お主……お主!!やっと気がつきおったか。ククク…頓狂な顔をしおって。その間の抜けた面、昔から変わらんのう。

「………」

ん?君は誰か?……じゃと?
全く、わしのことを覚えておらんのか…まあよい。
わしはなぁ……ククク…この地に災いをもたらすあやかしじゃ…お主を喰ろうてやろうと姿を現したのじゃ……!

って…おいおい、そんなに怯えるでない!
あやかしと言うのは嘘じゃ。こんな真っ昼間からあやかしが姿を現すものか。ましてや、このような美女があやかしな訳無かろう!
はぁ…腰抜けなところも変わっとらんのう……

わしはこの土地一帯を見守り、守護する存在。
お主ら人間が言うところの土地神というやつじゃな。クク…存分に敬うがよいぞ!

……なんじゃ!お主のその顔は…!
まさか…!信じてない訳じゃあるまいな!?
はぁ……お主と言うやつはさっきまではあやかしだのくだらぬ嘘に怯えておった癖に、神さまは信じれぬと言うのか!?
全く!不敬なやつじゃのう!!

まあ良い良い……今回はわしの寛大な心に免じて許してやろう。感謝するがよいぞ。

ふぅむ……しかしまぁお主、相当疲れ果てておるな…?
身も心もぼろぼろじゃ。全く見てられん。
お主のような人の子一人癒さぬようでは土地神の名が廃ると言うもの。
というわけで、今からわしがお主を癒してやろう。

「………」

何をするのかって?それは勿論耳かきに決まっておろう!古来より、心身ともに癒し、労わるには耳かきが一番と相場が決まっておる。

ほら。こっちに来い。膝枕してやる。

土地神さまの膝枕はどうじゃ?心地よいか?

「………」

ククク…そうかそうか、心地よいか。
では、耳かきを始めてゆくぞ。

【耳かき開始】
どうじゃ?気持ち良いじゃろう?土地神さまの耳かきなんてそうそう味わえるものではないぞ?

「………」

うん?なぜ急にわしの姿が見えるようになったのか?じゃと?

ふむ。そうじゃな。まず、わしら神やあやかしなどはお主らが住む世界である現世とは別の幽世と言う世界に存在しておる。そしてその幽世の存在を目にすることのできる人間はふた通り存在するのじゃ。

一つは幼く、そして清い心を持つ者。
そしてもう一つは死が近い者、じゃ。

お主の場合は死が近づいておるからじゃな。
死が近づくにつれ、お主らの住む現世とわしら神などが住まう幽世の境が曖昧になる。
それが原因でわしの姿が見えるようになったのじゃろうな。

なに、怯えなくともよい。わしが直々に癒してやっておるじゃろう?お主のことをそう易々死なせたりはせぬ。

………お主は覚えておらぬようじゃが、お主は幼い頃、わしに会ったことがあるのじゃぞ?
わしからしたらついこの間の出来事じゃが、人間のお主からしたら遠い昔の記憶なのじゃろうな。

幼い頃のお主は明るく、純粋で周りの人々をも明るく照らすような実に清い童であったな。

それがどうしたことか、今では周りにばかり気を使い、自身が弱っていくことにも気づかず、遂にはわしの姿が見えるようにまでなってしまった。

お主の優しさ故の行動なのじゃろうが、己が身を削って他人を救うのは真に優しさとは言えぬぞ。

ほれ。仕上げに梵天もしてやる。動くんじゃないぞ。

…うむ。こちらの耳はこれで良いじゃろう。
【片耳終了】

(耳ふー)
ククク…驚いたか?あまりに心地良さそうだったのでな。いたずら心が疼いてしもうたわ。

ほれ。もう片方の耳もやってやろう。
反対を向け。

「………」

ん?片耳だけでよいじゃと?
なぜじゃ。心地良さそうにしておったじゃろう。
それに片耳だけでは、癒しきれぬぞ。

「………」

なに?もし、このまま回復してわしの姿が見えなくなってしまうのが嫌だ…?

ククク…なるほどのう。お主にしては頭が回るでは無いか。安心せい。一度でも死を間近にしてわしら幽世の者の姿を見たのなら、いくら健康になろうとわしらの姿が見えなくなることはない。
クククク…背丈ばかり大きくなりおって、甘えん坊の寂しがりやときたか。
まだまだ童じゃの。

【耳かき開始】
さっきも言うた通り、お主はこれからわしのような幽世の存在を目にしながら生きてゆくことになるじゃろう。

クク…それこそ、あやかしに目をつけられるようなこともあるじゃろうな。

大丈夫じゃ。心配するな。わしが目をつけた人間に手を出すような愚か者なぞ、そうそうおらぬ。

それにもし、お主に手を出すような痴れ者には天罰を喰らわしてやるぞ。
だから心配するでない。わしが護ってやるからな。

土地神なのに、自分がここを離れた後も護ってくれるのかだと?
なに、離れた土地のお主一人を護りながらこの土地を守護する事など造作もないわ。
だから安心してよいぞ。

ククク…安心したら眠たくなってきおったか。
本当に愛いやつじゃのう……

良いぞ、そのまま眠るがよい。

それにしても…わしともあろう者が、お主がこんなにも弱々しく疲弊するまで何もしてやれなかったとは…クク…土地神とは名ばかりじゃな……

「………」

…なんじゃ。まだ起きておったのか。
……情け無いところを見せてしまったのう…

「………」

そんな事ない…と?ククク…お主は本当に優しいのう。本当に救われとるのはわしの方なのかも知れんのう。

こちらも梵天で仕上げとゆこう。

ほれ。今度こそ眠るのじゃ。
ゆっくり眠り、疲れを癒せ。
土地神さまから宣託じゃ。
【耳かき終了】

(耳ふー)
ククク…これからはわしがずっと、ずーっとお主の側にいてやるからな。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
土地神さまの労り耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
しゃみがめ
ライター情報
しゃみがめです!神さまやのじゃロリ、妖や狐娘系の台本を中心に投稿したいけらば良いなと考えています!
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