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優しい雨はヒモ彼氏を改心させるから
written by 市 砂鳥
  • 喧嘩
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  • 恋人同士
  • 純愛
  • ヤンデレ
  • 年上
公開日2021年06月25日 23:22 更新日2021年06月25日 23:22
文字数
1721文字(約 5分45秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
小説家
視聴者役柄
小説家の恋人
場所
小説家の自宅アパート
あらすじ
小説家志望のヒモ彼氏(微ヤンデレ)とケンカし、仲直りするまでの恋愛物語です。
本編
【主人公は駆け出しの小説家の男。

彼女は軟禁されながら、彼を甲斐甲斐しく支えている】


(書斎に響くPCのキーボードの音)

(彼女が、小説を書いている彼に話しかける)


何?

執筆中は話しかけないで、って言ったはずだけど。

ん、コンビニに行きたい?

あ…じゃあコーヒー買ってきて。

あとタバコ。

この間みたいに銘柄間違えないでね、頼むから。

んじゃあ足枷、外してあげる。


(足枷を外す音)

そうだな…最寄りのコンビニだから、

10分以内に帰って来られるよな。

時間測るから1秒も遅れないように。分かった?

あと、そのスカート着替えて。

俺のクッタクタのスウェット着てけば、

この間みたいに、ナンパ野郎も話しかけてこないだろ。

もし帰ってきて、ちょっとでも怪しい所があったら、

お仕置きだから。


ん?

ボケっと突っ立ってないで早く行ってくれば?

え…俺の顔色が良くない?

もっと栄養のあるもの買ってくるって?


…はあ。

(彼女の手を引き、自分の方へ引き寄せる)

いーい?

俺は今度のコンテストに全て賭けてんの。

命削って書いてんの!

小説家なんて、賞取って、ネームバリュー上げてなんぼだし、

ネットの片隅に埋もれたくなんてないんだよ!


何?

良い加減倒れそうで、心配だって?

はぁ、なーに今さら不安になってんだよ。

ほら、ぎゅーってしてやるから。

なあ、こうして家にお前を軟禁してんのも、

ふたりの夢のためだろ?

お前が傍にいることで、俺は書くことができる。

俺が夢を叶えて、印税でも入ったらさ、

タワマンにでも住ましてやるし、もっと良いもん食わしてやるからさ。

アクセだってブランドもんだって、好きなだけ買ってやる。


…え?

そんなものいらない?

無理しないで休んで…って、何いってんの?

確かにストレスでタバコも増えて、

病院も行けてないけどさ。

そんくらい、他のやつだって似たようなもんだろ。

無理しないで夢叶えられる奴がいるかよ!


はぁ…もういい。

出て行けよ!

お前の魂胆が分かったよ。

心配するようなこと言って、

本当は愛想が尽きたんだな!?

将来性の無い男から解放されたいんだな!?

あんなに、

「俺のそばにいられるだけで嬉しい」

「何でもしてあげたい」

って、喜んで軟禁されてたくせに。

そんなにお望みなら、解放してやるよ。

ほら、取り上げたお前のスマホも、

返してやるからさ!


(彼女を家の外に放り出す)

じゃあな、さよーなら。

せいぜい自分の人生をエンジョイしな!

監禁解放、おめでとーーーーー!!!!

(乱暴なドアバンの音)


【しばらくして、大雨が降りしきる中。

男は彼女の家の玄関前で、へたりこんでいる。

濡れそぼる彼に気づき、急いで駆け寄る彼女】


よぉ…来ちゃったよ。

はは、俺、こんな道端にへたり込んで、

びしょ濡れで何してんだろうな。

出て行けって言ったの、自分なのにな。

…傘を持ってくる?

いいよ、それよりさ。

ちょっと聞いてくれないか?

ひどいことした俺の言葉なんて、

もう耳に届かないかもだけど。


俺、やっぱりお前が必要なんだ。

お前がいないと、俺は一文字も…

たったの一文字も書けないんだよ。

誰にも認めてもらえず、

枯れて荒んでいた俺の心。

お前の愛が、あたためてくれたんだ。


俺の小説のファンだと言ってくれて、

「あなたをそばで支えたい」って、

手を差し伸べてくれたお前を、

俺は少し…いや、かなり歪んだ形で縛り付けたかもしれない。

でも…それも愛…

「愛してるから」だって言うのは、

やっぱりどうしようもなく本当のことで。


とにかく俺は…

花や草木をみて、命の美しさを感じたり、

虹が掛かった青空や、

星の降る夜空に想いを馳せること。

全部、全部、

お前がいてこそ、なんだよ。

最近ちょっと疲れすぎて、忘れかけてたけど、

それがわかっただけでも俺、

お前のこと愛せて良かったと思えたよ。


頼むからさ…

もう一度だけ、やり直させてくれ。


(彼の手を取る彼女)

いい…のか?

本当に俺でいいのか?

こんな濡れねずみみたいな俺と、

また一緒にいてくれるのか?


(頷く彼女)

…はは、変わった女。

もう、足枷はしないでおいてやる。

外出も自由にしていいからな。

男とはダメだけど。

服…まあ買ってはやれないけど、好きなもの着ろよ。

え?

足枷は別に構わない?

ははは、やっぱりお前、変わった女。


あ?

…違う、泣いてなんてねぇよ。

雨だよ。雨のせいだって言ってんだろ。


じゃあ、帰るぞ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
優しい雨はヒモ彼氏を改心させるから
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
市 砂鳥
ライター情報
市 砂鳥(イチ サトリ)です。

ヤンデレ中心です。
現実的なものからファンタジックなものまで、幅広く書いていきたいと思います。

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(さとると名乗ってます)

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