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それでもあなたは、病弱ヤンデレ君を放っておけない
written by 市 砂鳥
  • 監禁
  • ショタ
  • ヤンデレ
  • 病弱
  • サディスト
  • 吸血鬼
公開日2021年06月25日 23:26 更新日2021年06月25日 23:26
文字数
1693文字(約 5分39秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
吸血鬼
視聴者役柄
一般女性
場所
夜道
あらすじ
弱っている人を放っておけない女の子のお話。
…たとえその相手が、ヤンデレ(+ツンデレ)吸血鬼であっても。
本編
これは、吸血鬼が存在する世界のお話】


◆街灯の灯りもない夜道にて

(道端に倒れ、苦しむ一人の男)

はあ…

はあっ

苦しい…

息が……できなっ……


誰か…

いないの…!?


誰でも…いい…

助け…て…


(駆け寄って来る一人の女。心配そうに男を見つめている)

君…

僕を…

助け…てくれるの…?

ゲホッ…

ゴホッ…

苦…しい……んだ…

お願い…

た…すけて…


(女は慌てて男の背中をさすり、ペットボトルの水を差し出す)

水を…くれるの…?

救急車も…呼んでくれるって…?

はあ…はあ…


やさしい…ね…

助けて…くれるんだ…

ありが…とう…


…でも。



甘 い ん だ よ



(男は豹変し、おもむろに女の腕を掴む。ここで女は意識を失う…)


◆月灯りしか入らない、薄暗い小部屋にて

目が覚めた?

ここは僕の部屋。

静かで、良い場所でしょ?

あー君さ。

ちょっと僕のキバを見ただけで、気を失っちゃってたね。

どんだけ軟弱な人間なんだろ、ははっ。


ん?

ぽっかり口開けて、どうしたの?

え?

君、僕が本当に生き倒れてたとでも思ったの?

困ってる人を助けなきゃって?

ハハッ、おめでたいね。


僕はヴァンパイア。

滅多に弱ったりしないの。

まあでも、君みたいな子がたまーに引っかかってくれるからさ。

そう、ほんのア・ソ・ビ。

エサを探してたらさ、向こうから歩いて来る君を見つけたの。

君ってば、質のいい血を持つ人間だけが醸し出す、

甘くて不思議な匂いを漂わせてたからね。

倒れてみたらどうなるかなーって。


は?

ほんとに苦しんでたわけないでしょ?

わ・ざ・と、ああ言うことしてたの!

君って、軟弱なだけじゃなくって、物分かりも悪いなあ。


でさ。

お人好しなお嬢さん。


僕に吸血される覚悟、できたかな?


何その顔。

反応、不正解!

今、僕に感謝するところだよー。

優しい僕が、ちゃーんと君が目覚めるのを待っててあげたんだから。

ていうか、気絶してる人間の血を吸っても、面白くもなんともないしね。


たとえ回りくどくっても、これが僕のやり方。

僕に支配されて、

恐怖して、

おののいて、

それでも、抗えない。

そんな屈辱の表情を堪能しながら吸うのが、堪らないんじゃないか。


はあ、おしゃべりも飽きたなあ。

さあ、僕に手を差し伸べてくれたお嬢さん。

覚悟はできたかな?

一度出したその手、引っ込めたら許さないよ。

最後まで、責任、持ってね?


(男は吸血しようと女の服を掴むが…
その時、急に胸を押さえせき込む…)


ゲホッ…

ゴホッ…


(男の咳は止まらない)

クソっ!

何だよ…!見るな!

違う…これも……

演技だよ!ゲホッ…!


(どうみても演技に見えない。もしかして、今度は本当に発作…?
具体的な病名は出さないが、男ははやり病を患っているようだ。)


はあっ…はあっ…

ほんとに厄介な…はやり病だな…

ゲホッ…

違う!なんでもない!

クソっ!


(思わず、男の背中をさする女)


ふう……ふう…

落ち着いてきた…

もう大丈夫だ…


はっ!

ち、違う!

演技だって言ってるだろ!?


人間なんかが…ゴホッ…

気安く…ゲホッ…

僕に…触れる…

な…


(ここで男は意識を失う…)


◆日付が変わり、朝陽が差し込む小部屋にて


ん?

朝…?

なんで、ベッドに寝てるんだ?


確か昨日、人間の女を捕まえて…

それで…発作が起きて…


まさか僕は…

ずっと気を失っていたのか…?


はっ!あの女…?

クソ!逃がしたか!?


(男はベッド脇にたたずむ女を見つける)



って、お前…

なんでまだここにいるんだよ!

拘束も、部屋の施錠もしてないのに。

まさか…ずっと、

逃げずに、ここにいたのか?


ん?

急に動くと危ないって?

水を飲むかって?


だ、黙れ!

僕のエサの分際で!

心配いらないって言ってるだろ?

ていうか、なんのつもりだよ。


え?

心配で、放っておけなかった?


ははは…

君、どんだけお人好しなの?

なんか、笑えるんだけど。


は?

な、涙ぐんでなんかない!

本当に黙らないと、こうだぞ!


(男は女の服を掴むが…乱暴するのをためらっているようだ)


バカがつくくらい、お人好しなお嬢さん。

覚悟、できたかな?


(小声過ぎて聴こえない)…てよ。


聴こえなかった?

もう一回、背中さすってって言ってんの!


言ったでしょ?

一度差し伸べたその手、引っ込めたら許さないって。


君の手、

月灯りみたいにぼんやり温かくて、

その…

好きなんだ。


え?

血なんかもういいよ!とりあえずは…。


早くその手で、僕に…触れてって言ってんの。


お願い。

一緒に、いてよ。

優しく、してやるからさ。


ねえ?

お人好しの、お嬢さん。


逃がさないよ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
それでもあなたは、病弱ヤンデレ君を放っておけない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
市 砂鳥
ライター情報
市 砂鳥(イチ サトリ)です。

ヤンデレ中心です。
現実的なものからファンタジックなものまで、幅広く書いていきたいと思います。

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